ガンステッド・カイロプラクティックの真髄| 読書レビュー|ジョン・コックス 著

vc

カイロプラクティックの歴史について調べたいと考えていたところ、とても参考になる本を見つけたので紹介します。

タイトルは「ガンステッド・カイロプラティックの真髄〜歴史・哲学からテクニック・実践まで〜」です。

カイロプラクティックの歴史

カイロプラクティックの創始者は、アメリカのダニエル・デヴィッド・パーマー(1845-1913)になります。

なぜ創始者であるD.D.パーマーではなく、クレアランス・セルマー・ガンステッドの本を読んだのかというと、パーマーの本が日本には存在していなかったからです。

そのため、カイロプラクターの中でも有名であり、パーマーが提唱した原理に基づいて治療し続けたガンステッドの本を購入しました。

パーマーの原理に基づいているという部分は非常に重要で、現在は本来の原理と目的からそれた方向に進んでいることが多々あるからです。

時代とともに大きく形を変えている手技は多いですが、そうなると治療の核であった部分まで置き換わり、原型のない状態になってしまいます。

個人的には治療法よりも、なぜその考えにたどり着いたのかといった過程のほうが重要なので、本書は非常に面白かったです。

オステオパシーとの違い

オステオパシーとカイロプラクティックはどちらもアメリカ発祥であり、その治療には共通している部分もあります。

オステオパシーは、「筋骨格系への障害が病気につながる」と教え、これらの問題への治療はマニピュレーションにて行いました。

カイロプラクティックは、「神経の伝達障害を取り除く」という唯一の目的の下、脊椎の突起に直接、正確なスラストを加えることを目的としています。

スラストの正確性こそがカイロプラクティックの最大の特徴であり、基本的にアジャストメントのみの治療となります。

オステオパシーもそうですが、基本的にカイロプラクティックは病気の治療ではなく、前病気状態の修正を目的としています。

前病気状態とは、神経治癒力の伝達障害、振動の低下、脳の能力と身体すべての細胞とを連結する伝達路の低下として定義されています。

哲学重視と科学重視

現在のカイロプラクティックは、哲学重視(ストレート系)と科学重視(ミックス系)の2つに分けられます。

ストレート系は、治療は脊椎のサブラクセーションを探し出し、アジャストメントすることに限るべきであるという信条を持ちます。

サブラクセーションとは、脊椎において、物理的、化学的、または心理的な要因により、1つの椎体骨がその下の椎体骨に対して微妙にずれたり、またはその位置の椎間板が変形、腫脹したりして、その問題箇所で神経に圧迫や牽引などの問題を起こした状態をいいます。

ここで紹介した著者のガンステッドはまさにストレート系であり、忠実な原理主義者と呼ぶべき存在でした。

それに対してミックス系は、より完璧な診断、予後、そして栄養指導、運動、生活指導、他のヘルスケアとの協調を含み、患者に何が必要なのかを重視します。

そのため、脊椎のアジャストメントのみの治療ではなく、より総合的に身体を整えていくようにアプローチしていきます。

どちらが正しいということはありませんが、脊椎のアジャストメントのみですべて対応できることはないので、やはり今後はミックス系が主流になるのではないでしょうか。

おわりに

本書では実際にガンステッドが行っていたアジャストメントの方法やケースマネジメント(疾患別対処法)も掲載されています。

正直なところ、絵と文字だけをみても実践で使うことはほぼ不可能なので、使うためには講習などで学ぶ必要がありそうです。

個人的には学んでみたい分野なので機会があったら参加してみたいですが、ここ一年半はコロナで全く勉強会すら参加できていません。

いつになるかはわかりませんが、参加できたらまたレビューを書いてみようと思うのでまた読みにきてみてください!


他の記事も読んでみる

勉強になる情報をお届けします!

The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
rehatora.net © 2016 Frontier Theme