シンスプリントのリハビリ治療

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シンスプリント(脛骨過労性骨膜炎)のリハビリ治療について、わかりやすく解説していきます。

シンスプリントの概要

スポーツ習慣者(とくに陸上競技)に多く発生する障害であり、脛骨内側中央から遠位1/3にかけての圧痛が認められます。

発生の基盤にはオーバーユースが存在しており、発症後は安静をとることが最も重要になります。

シンスプリントはX線画像では問題がありませんが、超音波画像では肥厚した骨膜を確認することができます。

足部外反と関係

過回内

シンスプリントの多くに足関節外反(足関節内反の場合もあり)が認められ、外反を制御する筋肉の影響があると考えられています。

具体的には、後脛骨筋と長趾屈筋との強い関連性が指摘されており、筋膜を通じての疼痛が疑われます。

足関節外反(過回内:オーバープロネーション)となると内側縦アーチが低下するため、外見上の扁平足をきたします。

そのため、まずは足部の状態を観察することが大切で、必要に応じてインソールの使用を検討します。

深筋膜の問題について

近年では、シンスプリントの疼痛に深筋膜の関与が指摘されていますので、まずは筋膜について解説していきます。

一般的に筋膜(fascia)と書くと、浅筋膜と深筋膜を指すことが多いですが、浅筋膜は厳密には筋膜と呼ぶにはふさわしくないといわれます。

理由としては、浅筋膜は直接的に筋肉と強い繋がりを持つわけではなく、むしろ皮膚や浅層の皮下脂肪と連動して動きます。

元をたどると「fascia」を「筋膜」と訳したことに問題があり、ヒトによっては浅筋膜ではなく「Superficial fascia」と呼ぶべきだとしています。

次に筋膜が影響する範囲ですが、浅筋膜は自律神経系や浅筋膜上の伸張性に、深筋膜は筋出力や筋肉の伸張性に関与します。

浅筋膜へのアプローチは、皮下脂肪をさする程度の軽い圧であり、痛みのある周囲を中心に滑りの悪い部位をマッサージしていきます。

深筋膜へのアプローチは、垂直に圧を加えて滑走不全が存在する部分を解きほぐす方法(筋膜マニピュレーション)があります。

筋膜に滑走不全を起こす原因として、①過去の怪我(炎症)、②過去の病気、③オーバーユースが挙げられます。

リハビリテーション

シンスプリントでは、以下の筋肉を中心にアプローチしてください。

①後脛骨筋/長趾屈筋

後脛骨筋や長趾屈筋は下腿内側で深部の下腿骨間膜と連結するため、下腿や足関節の内側領域に鋭痛を生じさせます。

リリースポイントは、「下腿の近位1/3の脛骨後方(距骨I)」です。

シンスプリントはランニングなどで好発しやすいことは前述しましたが、負担を減らすためには一時的に部活などを休むことも必要となります。

②内側広筋

内側広筋は縫工筋下膜または筋膜によって覆われており、筋膜の内旋ラインを通じて下腿骨間膜への牽引ストレスを増大させる原因となります。

リリースポイントは、「内側広筋の最も膨隆した部位(膝I)」です。

③母趾外転筋

母趾外転筋は、前述した後脛骨筋や内側広筋と筋膜の内旋ラインで繋がりを持っており、滑走不全が存在すると下腿骨間膜に影響を与えます。

リリースポイントは、「第1中足骨底周辺(内旋I)」です。

力学的ストレスの軽減

シンスプリントの多くは足関節外反位を伴っていますが、その場合は足関節に過度な内反モーメントが生じます。

内反モーメントが増加すると、後脛骨筋や長趾屈筋の緊張が高まり、さらに伸張ストレスが加わることになります。

そうすると下腿骨間膜に牽引ストレスが加わることになり、シンスプリントを誘発するリスクが高まります。

前述した筋・筋膜へのアプローチによって伸張性を高めると同時に、その原因となった足部のアライメントを整えることが大切です。

足関節内反モーメントを過度に生じさせる原因として、以下の要素が挙げられます。

インソールや装具などで上記の問題を調整することにより、後脛骨筋や長趾屈筋への負担を減らすことで再発予防が図れます。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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