膝蓋腱炎(ジャンパー膝)のリハビリ治療

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膝関節のスポーツ障害としても多い膝蓋腱炎のリハビリ治療について、わかりやすく解説していきます。

ジャンパー膝の概要

膝蓋腱炎はジャンプ動作の多いスポーツで発生しやすく、バレーボールやバスケットボール選手の約30%に発生すると報告されています。

予後は比較的に良好ですが、腱は血流が乏しいために1度炎症が発生すると慢性化しやすく、治癒までに長期間を要することもあります。

膝蓋腱炎は名前の通りに膝蓋腱に炎症が起きることで痛みが発生しますが、膝蓋骨下棘の膝蓋腱の裏には膝蓋下脂肪体が付着しています。

その膝蓋下脂肪体に拘縮が存在している場合は、膝関節を動かしたときに摩擦によって痛みが生じることになります。

膝蓋下脂肪体|側方1

膝蓋腱と膝蓋下脂肪体を鑑別する方法としては、膝蓋骨下棘の表面に圧痛がある場合は膝蓋腱炎、膝蓋骨下棘を持ち上げる要領で裏面に圧刺激を加えて痛みが強いようなら膝蓋下脂肪体を疑います。

膝蓋腱炎の危険因子

膝蓋腱炎の原因としては、①大腿直筋のタイトネス、②伸展モーメントの増大、③膝の内反・外反ストレスがあります。

膝関節伸展モーメントが増大する因子としては、膝関節屈曲位荷重、骨盤後傾位、下部体幹の後方位、足圧中心の後方位などが挙げられます。

安静指示(炎症の軽減)

炎症を沈静化させるためには安静が第一であり、そのためには膝蓋腱の牽引ストレス(大腿四頭筋の収縮や伸張)を控えることが大切です。

痛みのある動作は炎症部位に負担が加わっているという合図ですので、運動は痛みのない範囲で行うか、しばらく休むようにしてください。

膝蓋腱の痛みが強くて生活に支障が出る場合や、どうしても練習や試合を休めない場合に有効なのが膝蓋腱の圧迫です。

方法としては、テーピングやサポーターなどがありますが、ここでは簡単に痛みを軽減できるテーピングを紹介します。

膝蓋腱炎のテーピング

上の写真を見ていただくとわかりやすいですが、単純に膝蓋腱を圧迫するようにテープを巻くだけでいいです。

どうしてこれだけで痛みが軽減するかというと、腱を引っ張っているのは筋肉であり、腱はその力を伝達するための硬い組織です。

損傷している腱がある手前で筋腱を圧迫してしまうと、それより遠位にある腱への牽引力が弱まることになるからです。

テーピングで十分に効果が認められるなら、その後の生活を考慮して、簡易的なサポーターの購入をおすすめします。

大腿直筋のリラクゼーション

大腿直筋の過度な緊張は痛みを増強させるので、硬結部をリリースするようにして緩めていきます。

痛みを伴うストレッチは患部の負担を増加させてしまうので、無理に伸張するような方法はとるべきではありません。

大腿四頭筋のストレッチを行うのは疼痛が落ち着いてからであり、再発を予防するために実施していきます。

他にハリやすい筋肉として、大殿筋や外側広筋、大内転筋、薄筋、腓腹筋内側頭などが挙げられます。

下部体幹後方位の修正

下部体幹(COM)が後方に位置している姿勢では、体幹前方に戻そうとして下肢前面の筋肉(大腿直筋など)が緊張します。

この状態が持続すると大腿直筋は徐々に疲労することになり、最終的には膝蓋腱として痛みを誘発することにつながります。

また、歩行やランニング時に身体が反ったフォームとなる場合は、ストライドが大きくなり、SFLが引き伸ばされてストレスが増加します。

着地時に立脚側の踵部はスピネーションし、つま先は内を向き、膝は伸び切った状態となることが多いです。

着地時に遊脚側に骨盤が大きく傾くため、踵部は内側に大きく倒れ込み、下肢内側への負担が高まります。

アウトソールの踵部内側が減りやすい傾向にあり、圧痛点は足底内側後方、大腿外側中央部、膝内側、膝蓋骨の上下に現れます。

後方重心になる要素して、下腿三頭筋が短縮しているケースが多く、足関節背屈が制限しているために内反捻挫をきたしやすいです。

成長期などで急激に身長が伸びた場合は、相対的に筋肉が短縮し、積極的にスポーツをしていなくても障害を起こすことがあります。

膝蓋下脂肪体のマッサージ

膝蓋骨下棘(特に内側)に付着する膝蓋下脂肪体(IFP)は拘縮しやすいため、ダイレクトマッサージによって柔軟性を恒常することが大切です。

IFPの付着部痛はスポーツ障害に多くみられ、ジャンパー膝以外にも、膝蓋大腿関節障害やオスグッド・シュラッター病で好発します。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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