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リアライン・トレーニングの方法と効果


リアライン・トレーニングの考え方について解説していきます。

リアライン・トレーニングの概要

リアラインとは、関節を正しい位置に調整することで、最大のパフォーマンスを発揮できることを前提とした理論です。

理学療法士の蒲田先生が提唱しており、とくにスポーツ選手などへのミクロな変化に対して有効と考えられます。

その理論をざっくりとまとめると、以下の3ステップで矯正することを推奨しています。

姿勢矯正のための3ステップ

1.Realign

対象部位 筋・筋膜、関節包
矯正方法 ストレッチ、関節モビライゼーション、組織間リリース、補助具
治療目的 ズレた骨の位置を矯正する、疼痛除去

2.Stabilize

対象部位 筋肉
矯正方法 矯正した姿勢を保つ筋収縮を反復
治療目的 矯正時間の延長

3.Coordinate

対象部位 姿勢制御に関わる全て
矯正方法 正しい姿勢での運動動作を学習
治療目的 不良姿勢の再発予防

姿勢を調整する方法

人体が崩れた姿勢(ずれた重心)を整える方法は、①筋収縮、②関節移動のふたつがあります。

部位にもよりますが、①の場合は筋肉の負担が、②の場合は関節の負担が増加します。

筋収縮によって重心を調整する

姿勢の崩れを生む原因

  1. 筋力(緊張)の不均衡
  2. 疼痛回避
  3. 関節の構造的変化
  4. 身体的要因(肥満,妊娠など)
  5. 不良姿勢の習慣化 etc.

姿勢を矯正するためのトレーニング

上記の原因を取り除くことが姿勢を矯正するためには必要となります。とくに療法士としてアプローチしやすいのは筋力(緊張)に対する部分です。

姿勢を矯正するというのは案外簡単で、例えば骨盤の前傾を修正しようと考えた場合、骨盤を前傾させる筋肉をストレッチし、後傾させる筋肉を強化したらいいのです。

骨盤を前傾させる筋肉 骨盤を後傾させる筋肉
脊柱起立筋 腹直筋
腸腰筋 大殿筋
大腿直筋 ハムストリング

不良姿勢の原因が筋肉による割合が大きい場合、それだけですぐに姿勢は矯正できます。ただし、その持続時間は非常に短く、すぐに元の姿勢に戻ってしまいます。

急性的な変化と慢性的な変化

不良姿勢が長期間を経ながら形成されていった場合(不良姿勢の習慣化)、身体はすでにその姿勢で最適化されています。

そのため、矯正してもすぐに元の状態へと最適化されることになります。

ここを矯正するというのは、野球選手がバッティングフォームを変える以上に難しいです。(無意識ですので)

ただし、不良姿勢が短時間で急激に形成された場合は、リハビリ時間のみの運動でも矯正できる可能性が高いです。

それは姿勢の崩れの原因が神経性や疼痛性である場合が多く、不良姿勢の習慣化も起こっていないからです。なので、形成されるまでの期間はきわめて重要になります。

変化量の大きさと矯正が成功する割合

不良姿勢が完成するまでの期間と同じぐらい大切なのが、変化量の大きさです。

側弯症や猫背のように、パッと見てすぐにわかるズレ(マクロな変化)は、ほとんどの場合は矯正が不可能です。

例えば、あのウサイン・ボルト選手は先天性の側弯症があり、厳しいトレーニングでカバーしたとされていますが、それは側弯症が治った(矯正された)わけではありません。

世界レベルのアスリートが実践するトレーニングでも矯正不可能なのに、施術時間のみで矯正するなんてもちろん不可能です。

ただし、見てすぐにはわからないほどの小さなズレ(ミクロな変化)に関しては、矯正できる可能性は高いと考えられます。

これはあくまで矯正が成功するかの話であり、マクロな変化だからアプローチする必要がないというわけではありません。予防的な意味合いで対応することはもちろん必要です。

その痛みは本当に姿勢のズレが生み出したものか

姿勢のズレが限局的な負担を増加させ、組織損傷を引き起こす可能性は極めて高いのですが、そこにも少し疑問点が残ります。

テレビなどで腰痛の原因が不良姿勢にあると声高らかに豪語する施術家は多いですが、実際は脊椎の彎曲度合いと腰痛はほとんど関係ないことがいくつもの論文で証明されています。

このブログでは何度も書いてますが、背骨のレントゲンを見ただけで痛いかどうかなんて医者にもわからないことです。ましてや、姿勢を見ただけでわかるわけがないのです。

さらに、目で見てわかるほどの変化でも腰痛差がないのに、それがミクロな変化であるなら、より痛みに関係しているとは考えにくいはずです。

もちろん変化量の大小で痛みが決まるわけではないのですが、変化量が大きいほどが負担が一部に集中する割合が高くなるのも事実です。そこをぜひ考慮してみてください。

姿勢を最適化する上で考慮すべきこと

例えば、右足に痛みがあって荷重をかけることができない場合、左足に荷重を大きくかけているので重心は左方にズレてしまいます。はたして、この立位姿勢は問題でしょうか。

もちろん違いますよね。本人は疼痛を回避するためにわざとそのような姿勢をとっているからです。それを問題だからといって右足に荷重をかけたら、痛みは悪化してしまいます。

姿勢を戻す前にまず考慮しなければならないことは、どうしてその姿勢となったかの原因を探し出すことです。それを見つけずして姿勢矯正はするべきではありません。

はじめは疼痛回避による不良姿勢だったものが、不良姿勢の習慣化によって崩れてしまっている場合もあります。

疼痛がすでに解消されているものであれば、アプローチしても問題ありませんが、現在も疼痛が問題になっているのなら、まずはそこを取り除くことが課題となります。

脳卒中に集中的なリハビリが必要な理由

脳卒中の患者さんを見ていてよく思うのですが、入院中に担当した理学療法士が上手な人だったか下手な人だったかは歩容をみたらすぐにわかります。

機能回復については自然治癒なのかリハビリの効果なのかはわかりませんが、歩容に関してはかなりの割合でリハビリの指導が反映されるからです。

回復期で集中的なリハビリを受けていたにも関わらず、分回し歩行などが出現していたら残念で仕方がありません。

はっきり言って、ある程度の随意性があったらどんな下手なリハビリをしようが歩けるようにはなります。ただし、非常に効率の悪い下手くそな歩き方です。

これは不良姿勢の習慣化と同じで、一度カラダに染みついたら簡単には治りません。だからこそ、発症初期に集中的なリハビリを実施し、効率的な歩行を身につける必要があります。

立位姿勢を整えることができるか

ここまでの文章を読んでいただけたなら、姿勢を整えることがどれだけ重要であり、どれだけ難しいものかが理解してもらえたかと思います。

猫背のような長年の姿勢不良を、たった数回の治療で「これだけよくなりました!」と宣伝している施術家たちは、はっきり言って詐欺師も同然です。

もちろん明確な原因があり、短期的に急激な変化を起こしている猫背なら改善も可能ですが、普通はまずあり得ません。そこをぜひ理解していただけたら幸いです。

慢性的な変化には環境調整や補助具を検討する

姿勢矯正が難しい慢性的な変化に関しては、筋力強化やストレッチ以上に生活指導や補助具が効果的であると考えています

例えば、慢性腰痛を起こす最大の原因は、「同一姿勢の継続」にあるので、定期的に身体を動かして除圧することや、自主的な矯正運動を繰り返すことが有用と考えられます。

また、足底板などの補助具を利用してアライメントに変化を起こし、圧が集中している部分をずらすことも効果的です。

姿勢矯正にこだわるのではなく、除圧に目を向けるほうが痛みなどに関しては即効性のある効果が期待できるようになります。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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