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リンパ性浮腫に対する徒手的アプローチ


リンパ性浮腫の原因と徒手的アプローチについて解説していきます。

リンパ性浮腫の概要

リンパ管やリンパ節の障害により、リンパ液の循環が滞ることにより起こるむくみをリンパ性浮腫と呼びます。

リンパ性浮腫は、術後(子宮がんや乳がんなど)や感染症の経験後に発症するケースが大半を占めます。

有病者は全国で15万人以上といわれており、一旦発症すると治癒することはないため、治療のゴールは浮腫を軽減し悪化を防止することにあります。

リンパ経路|リンパ節

リンパ系の仕組み

リンパ系は、①リンパ管と②リンパ節の二つから構成されており、その中にはリンパ液が流れています。

末梢の毛細血管から染み出た組織液の90%は静脈に再吸収されますが、残りの10%はリンパ管によって吸収されてリンパ液となります。

リンパ液はリンパ管を通過しながら上行していき、徐々に太くなりながら左右の静脈角に合流します。

リンパ管が静脈角に辿り着くまでには、いくつものリンパ節を通りますが、リンパ節は関所の役割を担っており、リンパ液に異物が混ざっていないかをチェックしています。

リンパ系の流れ

浮腫の種類について

浮腫を起こす原因はいくつも存在しているため、なにが原因で浮腫が起きているかを正しく鑑別しておくことが治療者には求められます。

全身性か局所性か

全身性で起こる場合は、心臓や腎臓、肝臓、内分泌系の病気、栄養障害、薬剤が原因である可能性が考えられます。

一般的に起こる浮腫の80%以上は全身性浮腫に該当します。

局所性で起こる場合は、静脈やリンパ管の循環障害、神経性、炎症性などの原因が疑われます。

OLの方々が一日の終わりに下肢にむくみが起こるような状態(体位性浮腫)も、局所性浮腫に含まれます。

全身性浮腫 うっ血性心不全
腎疾患(ネフローゼ、急性腎炎)
肝硬変
甲状腺機能低下症
ダイエット・栄養失調など
薬剤性浮腫
特発性浮腫
局所性浮腫 静脈性浮腫(下肢静脈瘤、深部静脈血栓症)
リンパ性浮腫
麻痺性浮腫
炎症性疾患

左右対称か非対称か

左右対称で起こる場合は、全身性浮腫である可能性が高いです。また、局所性でも体位性浮腫の場合は両側に出現します。

左右非対称で起こる場合は、基本的に局所性であり、浮腫側の静脈やリンパ管の循環障害、炎症などの障害が疑われます。

臨床鑑別テスト

リンパ性浮腫の確定診断にはリンパ管造影を実施し、リンパ管での取り込み不良、不均一性、リンパ節の活性低下などを診断して確定します。

また、臨床鑑別テストとして、Stemmer徴候や圧痕徴候が陽性となります。

Stemmer徴候 足趾や手指の背側の皮膚が肥厚し、皮膚のたるみやシワが極端に少なくなる
圧痕徴候 皮膚を押しても戻ってこないため、圧迫した形が残る

リンパ性浮腫に対するアプローチ

リンパ液の流れは、①筋や関節のポンプ作用、②動脈性拍動、③呼吸、④外的な圧迫によって促進されます。

治療においては、上記の四つの促進方法を用いてアプローチしていきます。

徒手的リンパドレナージ

皮下に位置するリンパ管を擦るまたは軽く圧迫するように負荷を加えていきながら、リンパ液をリンパ節内に排泄していきます。

順序としては、リンパ液の排出口である鎖骨部から実施していき、徐々に末梢のリンパ節に向かって進んでいきます。

あくまで皮下に位置するリンパ管が治療対象であるため、圧を強くかける必要はありません。

強い圧はリンパ管を破壊してしまう可能性があるため施術には注意が必要です。

弾性ストッキングの着用

外部からの圧迫刺激によってリンパ液の流れを促進する方法です。主に、慢性期の浮腫治療に用いられ、二次的な障害の予防に使用されます。

毛細血管内の流体静力学的圧は約30mmHgであるため、弾性ストッキングの圧はそれよりやや高い30-40mmHgが理想となります。

運動療法

筋や関節のポンプ作用を利用して、リンパの流れを促進する方法です。浮腫は末梢の循環不全を呈するため、身体を動かすことは有用となります。

また、患者の多くは心肺機能や運動機能の低下をきたしていますので、活動レベルを上げることで代謝や循環の改善に貢献します。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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