下部体幹の位置と足関節の関係について

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頸部痛の訴えがある患者の姿勢をチェックするときに、頭部前方位(耳孔が肩峰より前方にある状態)の有無を確認することは多いはずです。

頭部前方位の場合は、胸椎の過後弯、頚椎中下部の後弯、頚椎上部の過伸展といった不良姿勢となっていることが多いです。

頭部や下顎のアライメントが不良になると、偏頭痛や顔面筋の緊張を伴う顎関節痛が生じやすくなります。

下位頚椎は後弯しているので椎間板が圧壊しやすく、椎間孔が狭窄して頚椎症性神経根症のリスクが高まります。

上位頚椎は過伸展しているために椎間関節障害をきたしやすく、伸展に作用する後頭下筋群は疲労して硬くなっています。

このように頭部前方位はあらゆる障害のリスクを高める原因になりますが、これと同様に下部体幹の位置も重要なポイントのひとつです。

例えば、不良姿勢の代表である「スウェイバック」や「カイホロードシス」は下部体幹が前方に変位しています。

下部体幹が前方にある状態というのは、その土台になっている足部(足関節)は背屈位を強いられています。

そのため、下腿三頭筋は延長しているケースが多く、膝関節伸展位での足関節背屈は過剰なモビリティを呈しています。

つま先に体重が乗りやすくなっているため、外反母趾や扁平足、回内足などのリスクが高まります。

前方に変位した下部体幹(骨盤)とのバランスをとるために、下位腰椎を伸展させて上半身を正中に戻そうと働きます。

そうすると下位腰椎の関節窩は接近することになり、椎間関節障害や椎間孔の狭窄に伴う神経根の圧迫などを起こしやすくなります。

このように下部体幹前方位もあらゆる障害のリスクを高める原因になるので、是非とも矯正しておきたい箇所のひとつです。

反対に、不良姿勢の代表である「ロードシス」や「フラットバック」は、下部体幹が後方に変位しています。

そのため、下腿三頭筋は短縮しているケースが多く、膝関節伸展位での足関節背屈は制限をきたしています。

背屈制限がある足部は内反捻挫をきたしやすく、足甲は高くなっていることが多いです。

後方に変位している下部体幹(骨盤)を正中に戻そうと大腿直筋が緊張しているため、膝蓋腱炎や鼡径部痛を起こしやすくなっています。

以上のことから、たとえ立位姿勢を見なかったとしても、足関節の硬さをチェックするだけでアライメントを予測することは可能です。

わたしの場合は、うつ伏せになって足部をベッドから出してもらい、足関節の背屈可動域と骨盤のポジションは必ず確認しています。

骨盤に手を当てたときに仙骨尾骨が浮き出ている場合は、骨盤が前傾している可能性が高いことが予測されます。

この2つの情報から姿勢をおおまかに分類し、患者の障害にどれだけの影響を与えているかを考えていくわけです。

どれだけ患部を治療しても一時的にしか良くならないのは、木を見て森を見ずの状態に陥っているからだと思います。

再発させないためには姿勢を整えることが重要になってくるので、下部体幹のポジションについてはぜひチェックしてみてください。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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