中手骨と指骨の概要

本数
- 中手骨:5本(第1~第5中手骨)= すべて長骨(短骨ではありません)。
- 指骨:14本 = すべて長骨。
- 母指:2節(基節骨+末節骨)。
- 他指(第2~5指):3節(基節骨+中節骨+末節骨)。
主な関節
- CMC関節(手根中手関節):遠位手根骨(大菱形骨、小菱形骨、有頭骨、有鉤骨)と中手骨底によって構成される関節。
- 第1CMC関節(母指):大菱形骨と第1中手骨からなる鞍関節です。他の指とは異なり可動性が非常に高く、対立運動をはじめとする複雑な動きを可能にします。
- 第2〜5CMC関節:平面関節であり、第2・第3CMC関節はほとんど動きませんが、第4・第5CMC関節はわずかな屈曲運動が可能です。
- MP関節(中手指節関節):中手骨頭と基節骨底の間の関節。球関節または楕円関節に分類され、屈曲・伸展・外転・内転が可能です。
- IP関節(指節間関節):蝶番関節であり、屈曲と伸展のみを行います。
- PIP関節(近位指節間関節):基節骨と中節骨の間の関節。
- DIP関節(遠位指節間関節):中節骨と末節骨の間の関節。
- ※母指には中節骨がないため、IP関節は1つのみです。
中手骨に付着している筋肉
中手骨に起始や停止を持つ筋肉についてまとめています。
1) 中手骨に起始がある筋肉
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筋肉名
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起始部
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短母指屈筋(深頭)
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第1中手骨底の尺側(および大菱形骨、屈筋支帯など)
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母指内転筋
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横頭は第3中手骨の骨幹掌側面(斜頭は第2・3中手骨底など)
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掌側骨間筋
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第2、第4、第5中手骨の掌側面(第3中手骨には付着しない)
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背側骨間筋
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第1〜5中手骨の相対する面(4本の筋肉からなる)
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2) 中手骨に停止がある筋肉
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筋肉名
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停止部
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橈側手根屈筋
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第2中手骨底の掌側面(時に第3中手骨底にも付着)
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尺側手根屈筋
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豆状骨を介して、豆中手靱帯により第5中手骨底の掌側面に停止(有鉤骨鉤にも停止)
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長橈側手根伸筋
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第2中手骨底の背側面
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短橈側手根伸筋
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第3中手骨底の背側面
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尺側手根伸筋
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第5中手骨底の背側面
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長母指外転筋
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第1中手骨底の橈側(背側)
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母指対立筋
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第1中手骨の橈側縁
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小指対立筋
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第5中手骨の尺側縁
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指骨に付着している筋肉
指骨に起始や停止を持つ筋肉についてまとめています。
1) 指骨に起始がある筋肉
手の指骨を起始とする筋肉は存在しません。指を動かす筋肉はすべて前腕や手根骨、中手骨などから起始しています。
2) 指骨に停止がある筋肉
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筋肉名
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停止部
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浅指屈筋
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第2〜5指の中節骨底の掌側面
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深指屈筋
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第2〜5指の末節骨底の掌側面
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長母指屈筋
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母指の末節骨底の掌側面
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総指伸筋
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指背腱膜となり、中央索は中節骨底、外側索は末節骨底
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長母指伸筋
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母指の末節骨底の背側面
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短母指伸筋
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母指の基節骨底の背側面
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短母指屈筋
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橈側および尺側の種子骨を介して、母指の基節骨底
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短母指外転筋
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母指の基節骨底の橈側
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母指内転筋
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尺側種子骨を介して、母指の基節骨底の尺側
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短小指屈筋
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小指の基節骨底の掌側面
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小指外転筋
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小指の基節骨底の尺側
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虫様筋 / 骨間筋
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指背腱膜に合流し末節骨底(骨間筋は基節骨底にも停止)
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よくある質問(Q&A)
Q. 指骨は“短骨”ですか?
A. いいえ。中手骨も指骨も“長骨”(長管骨)に分類されます 。 母指は基節骨と末節骨の2節、他指は基節骨・中節骨・末節骨の3節で構成されています 。
Q. FDS(浅指屈筋)とFDP(深指屈筋)の停止を混同しやすい…
A. FDS=中節骨底、FDP=末節骨底と覚えるのが確実です 。 背側のEDC(総指伸筋)については、腱が分岐して中央索が中節骨底、外側索が末節骨底へと停止します 。
Q. 第1CMC関節(母指)が特別な理由は?
A. 鞍関節であり、屈曲・伸展・内転・外転に加えて回旋を伴う「対立運動」が可能だからです 。 これにより物をつまんだり握ったりする複雑な動作が可能になりますが、力学的なストレスが集中しやすく、変形性関節症(OA)の好発部位でもあります 。
Q. 中手骨に“起始”する筋は?
A. 掌側および背側の骨間筋が代表的です 。 さらに、母指内転筋の横頭は第3中手骨の骨幹部から、短母指屈筋の深頭は第1中手骨底から起始します 。
Q. 手関節周囲の腱付着で臨床的に重要なのは?
A. 手関節を動かす主要な筋肉は、手根骨ではなく中手骨底に停止して強力な力を発揮します 。 橈側手根屈筋(FCR)は第2中手骨底、長・短橈側手根伸筋(ECRL/ECRB)は第2・3中手骨底、尺側手根伸筋(ECU)は第5中手骨底に付着します 。尺側手根屈筋(FCU)は豆状骨に付着しますが、豆中手靱帯を介して第5中手骨底へと力が伝達されます 。
最終更新:2026-07-25
