中足骨と趾骨の概要
足部は大きく前足部・中足部・後足部に分けられ、中足骨と趾骨は「前足部」を構成する重要な骨格です。
- 中足骨(metatarsals): 5個の長骨からなり、内側から第1〜第5中足骨と番号が付けられています。
- 趾骨(phalanges): 14個の短骨からなり、手と同様の構成を持ちます。
- 母趾(第1趾): 基節骨と末節骨の2個。
- 第2〜5趾: 基節骨、中節骨、末節骨の3個ずつ。
中足骨は足根骨と足根中足関節(Lisfranc関節)中足指節関節(MTP関節 / MP関節)、近位指節間関節(PIP関節)、**遠位指節間関節(DIP関節)**を形成します 。これらの関節と骨格は、足部アーチを形成して体重を支持するとともに、歩行時の衝撃吸収と推進力(蹴り出し)を生み出す役割を担っています 。
関節と骨の構造的特徴
| 1.下面から見た足根骨 |
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| 2.上面から見た足根骨 |
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1. 中足骨の特徴
- 第1中足骨: 中足骨の中で最も大きく、内側縦アーチの重要な構成要素です。
- 第2中足骨: 横アーチの頂点に位置します。底部は3つの楔状骨に挟み込まれる「ほぞ継ぎ構造」となっており、非常に安定性が高く可動性はほとんどありません。荷重ストレスが集中しやすく、疲労骨折が好発する部位でもあります。
- 第5中足骨: 底部に「第5中足骨粗面」という膨らみがあり、短腓骨筋などが付着します。足関節の内反捻挫などに伴い、筋肉の牽引力による裂離骨折(Jones骨折や下駄骨折など)が生じやすい部位です。
2. 関節の特徴
- 足根中足関節(Lisfranc関節): 第1〜3楔状骨および立方骨と、第1〜5中足骨底からなる関節です。足部の横アーチを形成し、足の剛性を高める役割を持ちます。
- 中足指節関節(MTP関節 / MP関節): 中足骨頭と基節骨底からなる球関節(半関節)です。歩行時の蹴り出し(推進力)を発揮するために、手指の関節とは異なり「伸展(背屈)」の可動域が非常に大きく(約60°)なっているのが特徴です。
各部位の骨と主な付着筋・関節
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骨
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主な付着筋
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主な関節
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第1中足骨
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【停止】前脛骨筋、長腓骨筋
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Lisfranc関節、MTP関節
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第1基節骨
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【停止】短母趾屈筋、母趾外転筋、母趾内転筋(※種子骨を介して付着)
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MTP関節、IP関節
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第1末節骨
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【停止】長母趾屈筋、長母趾伸筋
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IP関節
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第2〜5中足骨
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【停止】短腓骨筋(第5)、後脛骨筋(第2〜5)、長腓骨筋(第2)など
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Lisfranc関節、MTP関節
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第2〜5基節骨
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【停止】短小趾屈筋、小趾外転筋、虫様筋、底側・背側骨間筋など
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MTP関節、PIP関節
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第2〜5中節骨
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【停止】短趾屈筋、長趾伸筋の一部
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PIP関節、DIP関節
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第2〜5末節骨
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【停止】長趾屈筋、長趾伸筋の一部
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DIP関節
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種子骨(第1MTP関節底面)
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短母趾屈筋、母趾外転筋、母趾内転筋
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(第1中足骨頭と関節構成)
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種子骨(Sesamoid bone)の役割
第1中足骨頭の足底面には、内側種子骨と外側種子骨の2つの小さな骨が存在します 。 これらは腱の中に埋まっており、以下の役割を果たします。
- 荷重時の衝撃を緩衝するクッションの役割。
- 腱や靱帯の走行方向を変えて滑車のように働き、筋肉のレバーアームを延長して力学的な効率を高める役割。
Q&A
Q. 中足骨と趾骨の数は?
A. 中足骨は片足で5個、趾骨は合計14個(母趾が2個、第2〜5趾が3個ずつ)で構成されています 。手指の中手骨・指骨と同じ数構成です。
Q. 中足骨の役割は?
A. 足部のアーチを形成して体重を支持するとともに、歩行時には床面を捉えて荷重を分散・緩衝し、さらに足趾へ力を伝えて前方に進むための推進力を生み出す強固なレバーとして機能します 。
Q. 母趾(第1趾)の役割と特徴は?
A. 母趾の骨(第1基節骨・末節骨)は他の趾に比べて太く短く、関節の数が少ないため、関節が固定された「剛体」として働きやすくなっています 。これにより、歩行時や走行時の最後の「蹴り出し」において、強力な推進力を発揮するのに優れています 。
Q. 中足骨で起こりやすいケガはありますか?
A. 第2中足骨の底部は可動性が乏しく荷重ストレスが集中しやすいため「疲労骨折」が好発します 。また、第5中足骨の根元(粗面)は、足首を内側に捻った際などに筋肉(短腓骨筋など)に強く引っ張られることで「裂離骨折(Jones骨折や下駄骨折など)」を生じやすい部位です 。
最終更新:2026-07-22


