五十肩のシュラッグ徴候を治す方法

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シュラッグ徴候とは、「上肢挙上運動時に肩甲骨の上方回旋が代償的に大きくなった状態」をいいます。

もっと簡単に書くなら、手を挙げる際に肩をすくめるような動きとなり、肩を90度以上は挙げることができない状態ともいえます。

シュラッグ徴候が起きる原因はとしては、以下が挙げられます。

  1. 下方関節包(腋窩陥凹)が縮小して上腕骨頭が下方に潜り込めない
  2. 腱板に問題(断裂や炎症)が生じており機能していない

五十肩は主に「1」が生じることで制限が起こるため、縮小した下方関節包を拡げていくことが重要となります。

縮小しているかを確認する方法としては、患者に仰臥位をとってもらい、他動的に肩関節を外転させていきます。

その際に上腕骨頭が下方に潜り込めない場合は、肩甲上腕関節の外転が出現しなくなり、代償的に肩甲骨の上方回旋のみが起こります。

軽度の縮小なら他動的に外転させることで潜り込めるケースもありますが、その場合は90度外転のポジションで上腕骨頭を他動的に押し下げるようにして関節の遊びをみていきます。

正常なら遊びが存在するので上腕骨頭を下方に押すことができますが、縮小している場合は骨頭が動かせずに硬くなっている感覚が伝わってきます。

そのようにして関節包の状態を確かめることで、シュラッグ徴候の原因を絞っていくことが重要となります。

もしも関節包の縮小が原因なら、前述した遊びを確認する動き(外転位で上腕骨頭を下方に押す動き)を繰り返すことで関節包を拡げていきます。

ポイントとしては、肩甲骨の代償的な上方回旋が入らない角度とし、上腕骨頭を潜り込ませることを意識しながら動かすようにします。

仰臥位で他動的に代償なく外転90度以上が可能となったら、自動介助運動にて代償なく外転が行えるように動かしていきます。

肩に力が入りすぎると肩甲骨が浮いてくるので、なるべくリラックスするようにして楽な気持ちで挙げてもらうことが大切です。

仰臥位が可能となったら難易度を高めるために側臥位で実施し、それも可能となったら座位にて実施できるようにステップアップします。

五十肩の場合は、時間の経過とともに徐々に関節包が拡がっていきますので、リハビリ前後で思うような結果が出なくても心配いりません。

大切なのは少しずつでも改善していることを患者や施術者が実感することであり、そのための患者教育も必要な要素です。

五十肩における患者教育とは、現在どのような状態にあり、どんな経過をたどりながら回復していくのかを説明することです。

そこができているようなら、なかなか治らないからといって途中でリハビリに来なくなるようなことはありません。

五十肩の初期で炎症が増悪したとしても、説明したとおりの経過をたどっているなら逆に信頼を勝ち取ることもできるはずです。

そのことを十分に理解したうえで治療を進めていくようにしてみてください。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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