スポンサードリンク

膝内側側副靭帯(MCL)損傷のリハビリ治療


膝の内側側副靱帯(Medial collateral ligament:MCL)損傷のリハビリ治療に関して解説していきます。目次は以下になります。

膝内側側副靭帯損傷の概要

%e8%86%9d%e9%96%a2%e7%af%80%e5%89%8d%e9%9d%a2%ef%bd%9c%e5%86%85%e5%81%b4%e5%81%b4%e5%89%af%e9%9d%ad%e5%b8%af
%e5%86%85%e5%81%b4%e5%81%b4%e5%89%af%e9%9d%ad%e5%b8%af%e3%81%a8%e9%b5%9e%e8%b6%b3
%e8%86%9d%e9%96%a2%e7%af%80%e5%81%b4%e9%9d%a2%ef%bd%9c%e5%86%85%e5%81%b4%e5%81%b4%e5%89%af%e9%9d%ad%e5%b8%af

膝の内側側副靭帯は大腿骨の内側上顆と脛骨の近位内側面に付着する靱帯で、内側半月板や膝関節包内側とも結合しています。機能として、膝関節の側方安定性(外反制動)を担っています。

肘にも内側側副靭帯は存在していますので、膝MCLとここでは表現していきます。膝MCLの単独損傷は、ほとんどの場合が膝関節外側より直接的な外力が加わり、膝が外反位を強制されることで損傷します。

間接的な損傷では、サッカーやバスケットボールなどの急激な方向転換やジャンプの着地動作によって起こりますが、その場合は前十字靭帯損傷を合併することが大半であるため、単独損傷となることはありません。

膝関節の内側は、①内側関節包、②内側側副靭帯、③鵞足(半腱様筋,薄筋,縫工筋の腱)、④大腿内側の深筋膜の四つで安定化を図っています。

%e5%86%85%e5%81%b4%e5%81%b4%e5%89%af%e9%9d%ad%e5%b8%af

膝MCLが損傷しやすい部位

損傷のほとんどは起始部(大腿骨側)か中心部(靱帯実質部)に生じます。停止部(脛骨部)に圧痛が認められる場合は、鵞足炎の可能性が高いです。

多量の関節液が貯留している場合は、関節内組織(前・後十字靭帯や半月板)の損傷、骨折などを合併していることが推察されます。通常、膝MCLは関節外に位置するため、単独損傷では関節液が多量に貯留することはありません。

膝MCLが断裂している場合は、膝関節伸展位で外反力を加える操作(外反ストレステスト)で動揺性が認められるようになり、損傷部に限局した強い圧痛を訴えます。

膝関節30度屈曲位では後内側関節包を緩めることができるので、より膝内側側副靭帯に特異的な検査が可能となります。

%e5%86%85%e5%81%b4%e5%81%b4%e5%89%af%e9%9d%ad%e5%b8%af%e3%81%ae%e6%90%8d%e5%82%b7%e9%83%a8%e4%bd%8d

膝MCL損傷の重症度分類

Grade 靱帯の損傷 臨床所見
1 延長なし 靱帯の圧痛(+),30度屈曲位での動揺性(-)
2 部分断裂 伸展位の動揺性(-),30度屈曲位での動揺性(+)
3 完全断裂 伸展位の動揺性(+),30度屈曲位での動揺性(+)

Grade3の場合は膝MCL単独損傷は少なく、膝関節の内側関節包や前・後十字靭帯の損傷を合併している可能性が高いです。単独損傷の場合は、どの重症度においても基本的に保存療法が適応されます。

%e8%86%9d%e9%96%a2%e7%af%80%e5%a4%96%e5%8f%8d%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%ac%e3%82%b9%e3%83%86%e3%82%b9%e3%83%88

画像検査

X線写真は膝関節正面と側面の2方向から撮影します。外側の大腿骨と脛骨の関節面をみて、骨折がないかを確認します。

靱帯は映りませんので、損傷の有無や程度を確認するためにはMRI検査が必要です。MRIでは、靱帯実質部や付着部に輝度変化や腫脹が確認できます。

保存療法と手術療法の適応

膝MCL単独損傷の場合は保存療法が原則で、その中核を担うのが装具やギプス着用による患部の固定です。

Grade1で1,2週間の固定、Grade2/3で4,5週間の固定が必要となります。合併損傷を伴う場合や完全断裂の場合は手術が適応となります。手術では断裂部の縫合修復、またはアンカーを使用した修復術が選択されます。

保存療法にて装具除去後も動揺性が残る場合や、不安定性を感じる場合は、膝関節の動揺を抑えるためのサポーターを使用することが推奨されます。

サポーターの購入に関しては、リハビリテーション医学に基づいて作られているMARUMITSUが性能が高いのでオススメです。

・ 先進のリハビリテーション医学が生んだサポーター【Marumitsuオンラインショップ】

内側側副靭帯損傷のサポーター
膝の緩みを制限するサポーター

リハビリテーション

下記に軽度断裂(Grade2)レベルにおける保存量法の流れについて解説していきます。

内容 項目
受傷-1週間
安静 RICE,ギプス着用
歩行 松葉杖
1-4週間
安静 装具療法
関節 痛みが少ない範囲で関節可動域を実施
歩行 疼痛がないようなら松葉杖は除去
4週目以降
装具 必要に応じて使用
筋力 スクワット,エアロバイク,健側との筋力比で85%以上を目指す
競技 ランニング,スポーツ復帰に向けた特異動作

Knee-in-Toe-outの影響

knee-in-toe-out

ジャンプの着地動作などで損傷することが多いことは前述しましたが、その際に問題となりやすい姿勢が膝が内向き(knee-in)で足先が(toe-out)となる状態です。

その場合は膝関節が外反することでMCLに伸張ストレスがかかり、さらに下腿が外旋することでもストレスが加わります。

さらに膝関節がやや屈曲した状態は、後内側関節包や骨によるロッキングが緩まり、より内側側副靭帯に負荷が集中してしまい、結果的に損傷につながります。

ハムストリングの強化

着地動作では前十字靭帯(ACL)損傷がとくに起きやすいのですが、こちらも膝関節が緩んだときにACLによる制動が高くなることが理由として挙げられます。

とくに膝関節屈曲30度と90度のポジションはACLによる制動が大きくなるため、そこで負荷をうまく分散できないと損傷する可能性が高くなります。

基本的にACL損傷は脛骨の前方偏位を制動しているため、同じく脛骨の前方偏位を制動するハムストリングの強化が予防には効果的とされています。

脛骨が前方に移動すると結果的に内側側副靭帯も伸張されることになるので、ハムストリングを強化しておくことMCL損傷を予防することにもつながるといえます。

%e3%83%8f%e3%83%a0%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%82%b0

ハムストリングの中でも特に重要なのが半腱様筋で、半腱様筋の腱は内側側副靱帯の後方を平行して走行しており、膝関節外反の制動にも貢献しています。

さらに膝関節屈曲時は下腿内旋に働くため、toe-out(下腿外旋)を制動することにも貢献します。

スポーツ障害にて膝MCL損傷が発生した場合は、再発を防ぐためにも膝の外反コントロールは重要になりますが、それを達成するためには膝関節だけでなく、足部や体幹といった全身の運動連鎖が正しく働く必要があります。

復帰を目指す場合はスポーツの特異動作を通して、損傷部位に負担のかかりにくい動きを獲得することも再発予防に役立ちます。


お勧めの記事はコチラ

スキルアップするための情報はコチラ

スポンサードリンク

勉強になる情報をお届けします!

The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
rehatora.net © 2016 Frontier Theme