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圧迫骨折で腰が曲がった老人の背骨を伸ばす方法はあるか


歩くときに腰が曲がっている高齢者は非常に多いですが、このような方々が背骨を伸ばして歩けるようになることは可能なのか。そんな疑問について、理学療法士の立場から詳しく解説していきます。

腰が曲がっている原因

まずはどうして腰が曲がっているのかについてですが、ほとんどの高齢者は「脊椎の圧迫骨折」をきたしており、背骨が潰れてしまっています。

背骨というのは、主に前のほうが潰れてしまうのですが、いくつもの背骨の前方が潰れていってしまい、結果的に腰は曲がっていってしまいます。

もしも腰が曲がっている老人がいたら、90%以上の確率で圧迫骨折の既往があると思って間違いないです。

 正常な背骨 潰れてしまった背骨 
曲がってない健康な背骨の写真 脊椎圧迫骨折で背骨が潰れてしまったケース
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潰れてしまったものは治らない

残念ながら、一度潰れてしまった背骨はもう二度と元に戻ることはありません。だからこそ、圧迫骨折は受傷してからの対応が大切だといわれています。

場合によっては、手術を実施して背骨に人工骨を挿入したり、ボルトによって固定したりして背骨が曲がらないようにする方法もありませんが、一般的にはほとんど実施されることはありません。

その理由として、圧迫骨折は時間が経ったら自然と痛みがひくため、病院などを受診せずに我慢して治している高齢者も結構な人数がいるからです。また、痛みや受傷機転もないままに発症しているケースもあるほどです。

背骨を伸ばして歩けるようになるための方法はある

背骨が潰れて腰が曲がってしまっているにも関わらず、ベッドでうつ伏せをとってもらったら意外と綺麗に腹臥位をとれる人って結構いるんですよね。そういう人たちは、背骨が固まっていないので腰を伸ばして歩ける可能性があるんです。

しかしながら、反対に固まってない分だけ筋力が必要となり、そこまでの筋力を発揮できていない方がほとんどです。具体的には、以下の写真のようにして歩いていたりします。

腰を伸ばして歩く方法①

背骨が潰れている人が腰を伸ばして歩く大変さ

それなら脊柱起立筋さえ鍛えてしまったら、腰を伸ばしながら歩けるようになるのではないかと思ったはずです。おそらく、私もそれで歩けるようになると考えています。

ただし、それがどれほど難しいことかを知っておいてほしいです。具体的には、背骨が潰れている人が左下の写真だとしたら、背骨を伸ばして歩くというのは右下の写真のような状態になります。

圧迫骨折で腰が曲がった老人が背中を伸ばして歩く方法② 圧迫骨折で腰が曲がった老人が背中を伸ばして歩く方法③

この体勢を維持するだけでもつらいのに、その姿勢で歩くなんて至難の業です。腰が曲がってしまった高齢者が、腰を伸ばして歩くというのはそれほどまでに大変であることを理解してください。確かに可能性はゼロではありませんが、限りなくゼロに近いといえます。

腰が曲がったデメリットは多すぎる

すこし経験論の話になってしまいすが、腰が曲がっている高齢者のリハビリって本当に効果が出にくいです。肩関節の痛みもとれにくいですし、膝関節の痛みもとれにくいです。

身体の中心というのは、すべての関節に影響を与えてしまうので、何度も書きますけどマジで予防が大切なんですよ。

まだまだ対応が不十分な病院などもあるようなので、是非とも「脊椎圧迫骨折のリハビリ治療」という記事を読んで参考にしてみてください。

腰が伸びなくても脊柱起立筋を鍛えることは大切

背骨が曲がっている人の腰を伸ばすことはほぼ不可能と書きましたが、もう鍛える必要がないということではありません。むしろ、積極的に柔軟体操や筋力強化は行っていくべきです。

なぜかというと、圧迫骨折は非常に再発をきたしやすい障害であり、その予防には効果が期待できるからです。

また、姿勢こそ改善はしませんが、起居動作時の痛みが軽減する場合は非常に多いからです。以下にお勧めの方法を記載します。

お勧めはマッケンジー体操

私が実際に行っているリハビリ内容として、脊柱起立筋群のマッサージとマッケンジー体操があります。

つねに脊柱起立筋は引き伸ばされて緊張状態を強いられているため、かなりガチガチになっている患者さんが多いです。なので、はじめはマッサージをして筋出力が発揮できるようにコンディショニングしていきます。

その後、腹臥位にて体幹伸展運動(マッケンジー体操)を実施していきます。その時に、腕だけの力に頼るのではなく、脊柱起立筋にも力を入れるように促しながら収縮を確認していきます。

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おわりに

本気で脊柱起立筋群を鍛えたら、たとえ背骨が潰れていても筋力で代償できるのではないかと私は考えていますが、圧迫骨折をきたしている方々のほとんどは高齢者であるため、強力な負荷のかかるトレーニングはまず不可能です。

背中を伸ばして歩けるようになることは限りなくゼロに近いと書きましたが、それでもどうにかして治してあげたいのが理学療法士としての心情だと思います。

諦めさえしなかったら、いつか画期的な方法を思いつく可能性だってあります。なので、端から無理だと諦めずに、可能性を追い続けることも大切ですよ。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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