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坐骨神経痛に対して神経系モビライゼーションが有効な場合


神経系モビライゼーションの方法については、「神経系モビライゼーションの方法と効果」という記事で書きましたが、どういった症例に有効かをもう少しここでは噛み砕いて解説していきます。

まずはどうして神経の滑走性や伸張性が低下するかですが、そこに至るまでには必ずといっていいほど前駆症状が出現しています。

前駆症状がなにかというと、それは「痛み」です。痛みが起こる原因は神経の炎症や周囲組織の炎症であり、疼痛閾値の低下で起こります。

疼痛閾値が低下した組織に圧迫などのメカニカルストレスが加わると、その部位は容易に痛みを感じることになります。

炎症はいわゆる怪我に対する治癒反応なので、通常は怪我が治りさえしたら自然と炎症は消え、痛みもなくなっていきます。

ところが、炎症が消失したにも関わらず、痛みやしびれが残存することがあり、二次的な障害をきたすことがよくあります。

どうしてそのようなことが起きるかというと、炎症で腫れた組織が治癒した後に、元の状態よりも短く硬くなってしまう性質があるからです。

それを「瘢痕拘縮」と呼ぶのですが、その状態が神経の周囲組織に生じると、拘縮した組織が伸張された際に神経を圧迫することになります。

この瘢痕拘縮した状態や神経そのものの短縮が神経系モビライゼーションの適応であると考えられています。

治療方法としては、一般的に他動的なSLR運動が用いられますが、神経を効率よく伸張できるならどのような方法で行っても構いません。

最も症状が強く出る姿勢が伸張されているポジションであると推察できるため、その位置から反復伸張や持続伸張を加えるとよいでしょう。

ただし、あまりに強い力を加えたり、頻回に実施すると神経を損傷し、炎症を誘発することにつながるので注意してください。

神経系モビライゼーションの適応についてもう少し書くと、炎症症状が強い時期はあまり実施しないほうがよいです。

炎症の有無をどう判断するかというと、施術をした際に「強い痛み」を訴える場合は炎症の存在が疑われます。

通常、正常な神経は圧迫を受けても痛みを感じることはなく、しびれなどの感覚障害や運動麻痺が主症状として現れます。

それが圧迫された際に痛みが生じるというのは、神経や神経の周囲組織に炎症が生じているという合図になります。

人によってはしびれを痛みと表現することも多いため、発症からの期間や慢性痛などの可能性も考慮し、適応の有無は患者毎で判断します。

神経系モビライゼーションには反復伸張と持続伸張の二種類があり、前者は滑走性障害に、後者は神経短縮に有効とされています。

ただし、実際は普通に生活をしている人で神経短縮が起きていることは稀で、骨折後などで長期間の固定などをしていない限りは問題が生じません。

そのため、神経短縮よりも周囲組織の瘢痕拘縮による滑走障害が問題となりやすく、治療では反復伸張が適応されやすいです。

組織を伸張させるためには十分な量を確保する必要があるため、在宅エクササイズとしても実施していただくことが大切です。

簡単な方法として、壁に向かって立ち、痛いほうの足を前に出して足関節を背屈させ、足裏を壁につけます。

腸骨に手をあてた状態から骨盤を前傾させて坐骨神経をゆっくりと伸ばしていき、痛みが出現した位置で3秒ほどキープします。

この動作を10回ほど繰り返して、1日に6セット(3時間おきに)実施すると効果的です。

次の日に痛みやしびれが強くならない範囲にとどめながら、少量頻回でアプローチしていくようにお願いします。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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