外側半月板損傷(Lateral meniscus damage)のリハビリ治療について解説していきます。
外側半月板損傷の概要
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大腿骨と脛骨の間隙に位置する板状の線維性軟骨のことを半月板と呼んでおり、内側半月板と外側半月板のふたつが存在しています。
半月板損傷は1回の大きな外力によって生じる急性の半月板損傷と、頻繁に膝関節に加わる外力によって生じる慢性の半月板損傷があります。
前者は若年のスポーツ習慣者に多く、後者は中高年以降に多くなります。
円板状半月(半月板奇形)
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半月板の奇形に「円板状半月」というものがあり、これは文字通りに半月板が円状となっている状態です。
発生率は5%前後とされており、ほとんどは外側半月板に発生し、その中の90%以上は両側性であることが報告されています。
円板状半月はその構造上から引っかかりを起こしやすく、正常よりも損傷頻度が高いことが特徴です。
外側半月板損傷の受傷機転
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外側半月板にストレスのかかる姿勢は外反膝(X脚)です。
外反膝になりやすいヒトの特徴として、①膝関節外反位荷重、②骨盤内方位、③COM(内方位)、④COP(足圧中心)内方位があります。
リハビリテーション
外側半月板は軟骨なので神経(痛覚受容器)は存在しませんが、辺縁部のみは滑膜由来の血管や神経を含んでいます。
そのため、半月板の辺縁部は痛みの原因となり、変性や腫脹などが生じていると膝屈伸時に挟み込みやロッキングが起こります。
膝の痛みが半月板性の痛みである場合は、疼痛誘発動作を繰り返すことで変性が加速するので、運動を制限することが必要です。
外側半月板損傷は外反膝で起こりやすいため、リハビリではその原因を修正していくことが必要です。
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歩行時に膝関節が内方動揺(ラテラルスラスト)するケースでは、X脚変形していきやすいので修正が必要となります。
具体的には、膝関節伸展制限を改善させて膝をロックできるようにし、緊張しやすい内側広筋や股関節内転筋群をリリースしていきます。
サポーターを使用するなどして動揺を抑えることも有用であり、状態に応じて購入を検討してもらいます。