この記事では、大腿方形筋を治療するために必要な情報を掲載していきます。
大腿方形筋の概要
大腿方形筋は股関節下部深層に位置する筋肉で、内閉鎖筋と共に強力な外旋筋になります。
四角い扁平な筋肉で、下双子筋の下に位置しており、外閉鎖筋と共に大転子下部内側の痛みの原因となりやすい筋肉です。
基本データ
項目 |
内容 |
支配神経 | 仙骨神経叢の分枝 |
髄節 | L4-S1 |
起始 | 坐骨結節 |
停止 | 大腿骨の転子間稜 |
栄養血管 | 下殿動脈 |
動作 | 股関節の外旋、内転(わずか) |
筋体積 | 113㎤ |
筋線維長 | 5.4㎝ |
速筋:遅筋(%) | 50.0:50.0 |
運動貢献度(順位)
貢献度 |
股関節外旋 |
1位 | 大殿筋 |
2位 | 大腿方形筋 |
3位 | 内閉鎖筋 |
4位 | 中殿筋(後部) |
※深層外旋六筋の中では大腿方形筋と内閉鎖筋の貢献度が高いです。
股関節の深層外旋六筋
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股関節深層に位置する外旋筋を総称して深層外旋六筋と呼びます。
具体的には、①梨状筋、②内閉鎖筋、③外閉鎖筋、④上双子筋、⑤下双子筋、⑥大腿方形筋の6つの筋肉で構成されています。
大腿方形筋は深層外旋六筋の中で最も下方に位置しており、股関節の内転にも僅かながら作用することが特徴です。
深層外旋六筋の筋出力(順位)
順位 |
股関節外旋筋群 |
1位 | 大腿方形筋 |
2位 | 内閉鎖筋 |
3位 | 梨状筋 |
4位 | 外閉鎖筋 |
5位 | 下双子筋 |
6位 | 上双子筋 |
大腿方形筋の触診方法
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患者に腹臥位をとってもらい、膝関節を90度屈曲した状態で表層にある大殿筋の緊張を取り除きます。
施術者は指腹で坐骨結節外側縁上部(起始)を押圧し、もう一方の手で股関節外旋運動に抵抗をかけることで大腿方形筋の収縮が触知できます。
ストレッチ方法
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腹臥位で膝を屈曲し、手で前足部を内側から把持し、 足部を外側に倒しながら股関節を内旋していきます。
注意点としては、骨盤が反対方向に回旋しないようにしてください。
筋力トレーニング
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足部前方にセラバンドを巻き付けて、下肢を外旋させます。