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大腿骨転子下骨折のリハビリ治療


大腿骨転子下骨折のリハビリ治療に関する目次は以下になります。

大腿骨転子下骨折の概要

大腿骨転子下とは、転子部と骨幹部の移行部分であり、大腿骨頚部や転子部と比較して比較的に折れにくい構造を呈しています。

そのため、転子下骨折が起こる場合は強い外力が加わったときであり、しばしば粉砕骨折として発生します。

大腿骨転子下

大腿骨転子下骨折の分類

転子下骨折の特徴として、殿筋群や内転筋群などの強力な筋群により骨折部の転位が大きく、整復が困難であることが挙げられます。

また、骨皮質部の骨折であるため、良好な整復と強固な固定を行わないと骨癒合遅延、変形治癒、偽関節となりやすいです。

骨折の重症度分類については、以下のZickelの分類が用いられます。

1.短い斜骨折 2.粉砕した短い斜骨折 3.長い斜骨折

大腿骨転子下骨折|Zickelの分類|粉砕のない短い斜骨折

大腿骨転子下骨折|Zickelの分類|粉砕のある短い斜骨折 大腿骨転子下骨折|Zickelの分類|粉砕のない長い斜骨折
4.粉砕した長い斜骨折 5.近位の横骨折 6.遠位の横骨折
大腿骨転子下骨折|Zickelの分類|粉砕のある長い斜骨折 大腿骨転子下骨折|Zickelの分類|近位の横骨折 大腿骨転子下骨折|Zickelの分類|遠位の横骨折

手術療法

転子下骨折では種々の筋肉の作用によって、骨折部に大きな転位が生じ、非常に不安定な状態となっています。

転子部骨折では髄内釘やCHS固定法が適応される場合が多いですが、転子下骨折ではよりプレート部分が長くて固定力の高いものが選択されます。

しかし、固定力が高まる反面、術創部が広範囲になるといったデメリットもあります。転子下骨折に対する手術は基本的に髄内釘固定となります。

しかし、ラグスクリューの挿入部が不安定な場合や、挿入部にまで骨折が達している場合はCHS法が選択されます。

髄内釘固定法|大腿骨転子下骨折
long-plate-CHS法|大腿骨転子下骨折|手術

リハビリテーション

具体的な方法については文献によってバラつきがみられますが、特別なリハビリが有効であるというエビデンスはありません。

そのため、以下のオーソドックスな治療プログラムにてリハビリは進めていきます。

方法 内容
運動療法 筋力トレーニング、関節可動域運動、ADL動作練習
歩行訓練 段階的歩行練習

筋力トレーニング

大腿骨転子下には、大殿筋や股関節内転筋群、大腿四頭筋などの強力な筋肉の付着部が存在するため、その張力や筋収縮はよく理解しておく必要があります。

以下に大腿骨転子下に起始停止を持つ筋肉について列挙していきます。

大腿骨に起始がある筋肉

筋肉 起始部
中間広筋 大腿骨の前面および外側面
内側広筋 大腿骨転子間線から伸びる大腿骨粗線の内側唇
外側広筋 大転子の外側面、転子間線、殿筋粗面および粗線の外側唇
大腿二頭筋短頭 外側唇の中部1/3と外側筋間中隔

大腿骨に停止がある筋肉

筋肉 停止部
大殿筋(上側) 殿筋粗面
恥骨筋 大腿骨粗線の近位部と恥骨筋線
大内転筋 [筋性部]大腿骨粗線の内側唇、[ハムストリング部]内転筋結節、
長内転筋 内側唇の中部1/3の範囲
短内転筋 内側唇の上部1/3の範囲

大腿骨の部位名称

1.前方から見た大腿骨
大腿骨転子部の各名称
2.後方から見た大腿骨
大腿骨転子部後面の各名称

骨折部位と付着している筋肉を確認したら、次は筋収縮によって骨がどのように動くのかを確認していきます。

離開させる方向に働く場合は筋活動は抑制させ、圧縮方向に働く場合は仮骨形成後の骨癒合を促進させて関節の安定化に寄与するので積極的に収縮させます。

関節可動域運動

大腿骨転子下骨折では、手術において外側広筋や大腿筋膜張筋が広範囲に侵襲を受けている場合が多いため、術後早期では浮腫の改善に努めることが重要です。

また、外側広筋筋膜は腸脛靭帯との結合を有しているので、腸脛靭帯の滑走性を維持するために、低負荷での自動介助運動を実施していきます。

術後早期は疼痛による筋肉の過緊張によって関節可動域が制限されるので、筋緊張の緩和や痛みの除去に努めることが重要です。

段階的歩行練習

立位レベルでの練習を開始していく場合に、中殿筋の筋出力低下に伴い、片脚立位時の骨盤の平行支持が困難となってしまうことが多々あります。

その状態では、股関節内転筋群が代償的に強く収縮し、下肢の支持性を高めるように働こうとしてしまいます。

内転筋群が働きすぎると骨折部に横軸の力が働いてしまい、骨癒合不全の原因となってしまう可能性もあります。

なので、術後より中殿筋のケアを十分に行い、筋収縮力が発揮できるようにし、内転筋群には過活動とならないようにリラックスさせることが重要です。

そのようにして代償なく支持が可能となっていきましたら、段階的に荷重量を上げていって歩行自立を目指していきます。

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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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