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姿勢矯正ストレッチをする前に知っておきたい姿勢のこと


姿勢矯正を実施する前に、まずは正しい姿勢について理解しておくことが大切です。そもそも、「正しい姿勢」の定義をご存じでしょうか。

正しい姿勢の定義

姿勢観察は、①正面、②側面、③後面の三つに分けて評価していくのですが、前後左右でポイントとなる部位が重心線を通過しているかをまずは観ていきます。

立位姿勢|重心線の位置|側面 立位姿勢|重心線の位置|正面

前後に関しては、ヒトの脊椎は緩やかなS字カーブをしており、それによって背骨にかかる負荷を緩和しているので、カーブの度合いについても確認します。

緩やかなカーブが確認でき、上図のポイントが重心線上にきている場合は、いわゆる正しい姿勢がとれていると表現できます。

さらに詳しく姿勢を定義する

上述した姿勢が良しとされる理由は、①筋肉(軟部組織)への負担が少ない、②骨(関節)へ負担が少ないといったことが挙げられます。

重心線が少しでもずれていたら、姿勢を保持するために抗重力筋が働いてしまうことになり、疲労感の強い姿勢といえます。

立位姿勢|重心線の位置|抗重力筋

実際には、身体はいくつもの骨で分節的に構成されているため、どんなに素晴らしい姿勢でも、多少の筋収縮は起こっています。

筋収縮を完全になくすためには分節(関節)を無くせばいいのですが、それだと動くことができないので生きていけませんしね。

立位姿勢|筋収縮の必要がない立位姿勢 立位姿勢|分節的な筋収縮で立位姿勢は保持されている

そのため、厳密に表現するなら「姿勢保持筋の活動が少ない姿勢」が正しい姿勢のひとつの条件であるといえます。

次に骨への負担ですが、もしも骨がずれていると荷重面積が減少してしまい、一箇所に負担が集中するような状態となります。

そうなると関節の摩耗を早めてしまい、結果的にあらゆる障害を引き起こす原因になります。

骨がずれてる場合|荷重面積が少ない

これらのことより、正しい姿勢というのは筋肉へも骨へも負担の少ない姿勢のことを指すのだと理解していただけるといいかと思います。

正しい姿勢に戻すことが最善の治療とは限らない

個人的には正しい姿勢とか良い姿勢という表現は嫌いで、なぜならそれが必ずしも患者にとっての最善の姿勢とは限らないからです。

先ほどの図を使って説明すると、赤部分に損傷があった場合、正しい姿勢に戻したら圧は分散されて確かに痛みは楽になります。

しかし、下図の右端のように圧がかかる部位を調整すると、損傷部分への機械的刺激をさらに減らすことができます。

骨がずれてる場合|姿勢矯正の理由

そうすることで別の部分の負担は増えることになりますが、損傷部分の治癒は早まることになります。

なので個人的には、まずは痛みへのアプローチが最も重要なため、正しい姿勢に戻すことよりも損傷部分の免荷を優先したいところです。

姿勢矯正は可否について解説

姿勢矯正は簡単に可能です。それを感じてもらうために、皆さんにも今すぐに実施できる矯正方法を実践していただきたいと思います。

まず両手を合わせた状態(いただきますのポーズ)をとり、左の指を伸びろと念じながら右手で矢印の方向に滑らせていき、この動作を20回ほど繰り返します。

姿勢矯正のテクニック1

終わりましたら、もう一度いただきますのポーズをしてもらい、左右の指の長さを見比べてみてください。どうでしょうか。左の指のほうが長くなっていませんか?

 実施前 実施後
姿勢矯正のテクニック2 姿勢矯正のテクニック3

なにも知らない患者さんはこれだけでビックリするのですが、実はこのカラクリはとても簡単です。

そもそも、人間の関節というのは普段からやや曲がった姿勢をとっており、伸びきるという状態はほとんどありません。

なぜなら、伸びきってしまうと身体のパフォーマンスが低下してしまうからです。

ストレッチを入念にやり過ぎると筋出力が低下することが報告されていますが、これも伸ばしすぎたことによるパフォーマンス低下のひとつです。

関節を矯正しやすい場所の特徴

上述した方法は、指の3つの関節をストレッチしたことにより、関節が伸びきった状態になっていると考えてもらうとわかりやすいはずです。

また、左手を伸ばしてもらったのにも理由があり、多くの人で利き手よりも非利き手のほうが指が若干長い傾向があるのです。

姿勢矯正は、いくつかの関節が密集している部位ほど効果が出やすいので、その代表格である脊椎ほどターゲットにされやすい部位です。

そのため、「背骨の歪みを矯正します」といった整体院が非常に多いのです。

姿勢矯正をする前に考えるべきポイント

矯正していく前に考えるべきポイントは、なぜその姿勢が起こっているかについてです。

もしもそれが痛みを回避するために起きている現象であるなら、姿勢を矯正することは逆効果となります。

矯正すべき姿勢というのは、痛みの原因が取り除かれた後も継続する歪んだ姿勢や、慢性的な姿勢不良で形成された状態です。

姿勢矯正で痛みが増加する理由

矯正しにくい姿勢と矯正しやすい姿勢

矯正しやすい姿勢というのは、不良姿勢となってからの時間が短く、ずれの大きさが少なく、原因が明確なものです。

猫背のような長い期間をかけて形成された姿勢は、簡単に修正することなんてまず出来ません。

それをたった数回の治療で「これだけ良くなりました」と広告に出す整体院やセミナー団体などはまず信用しないほうがいいでしょう。

しかし、絶対に不可能というわけではありませんので、矯正することでどのようなメリットがあるかを考え、患者に説明しながら根気よく続けることが大切です。

慢性的な姿勢不良を起こしている原因

慢性的な変化は原因が明確でない場合がほとんどですが、姿勢不良を引き起こしている原因は主に筋肉や筋膜といったインバランスの問題です。

そのため、姿勢を改善する方向に働く筋肉を強化し、姿勢を崩す方向に働く筋肉をストレッチすることが原則になります。

姿勢矯正|筋力強化とストレッチ

また、筋肉に問題があると感覚受容器が鈍くなってしまい、従来のイメージ通りに姿勢を保持できなくなります。

そのため、筋肉へのアプローチに加えて、姿勢鏡などを用いて感覚に対するフィードバックを高める練習も併行して実施していくことが有用です。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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