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小円筋

小円筋に関する充実したデータ(ストレッチ、筋力トレーニング、マッサージ方法など)をここでは閲覧できます。目次は以下になります。

小円筋の概要

小円筋(teres minor)は肩甲骨外側縁の後面から起始しており、上腕骨大結節の下面に停止しています

棘下筋と大円筋の間に位置しており、筋肉の大部分は三角筋後部に覆われているため、直接触知できるのは起始付近の一部になります。

大円筋と名前は似ていますが支配神経も作用も異なっており(大円筋は内旋運動)、作用は棘下筋とほとんど同じになります。

小円筋は起始から停止に向かって捻れた走行をとるため、停止部における上部筋束は起始部では下方に、下部筋束は起始部では上方に位置しています。

 1.前方から見た小円筋
小円筋|正面
 2.側方から見た小円筋
小円筋|側面
 3.後方から見た小円筋
小円筋|後面
支配神経 腋窩神経
髄節 C5-6
起始 肩甲骨後面の外側縁
停止 上腕骨の大結節下部、肩関節包
栄養血管 後上腕回旋動脈、肩甲回旋動脈
動作 肩関節の外旋
筋体積 39㎤
筋線維長 5.7㎝

回旋筋腱板について

回旋筋腱板は、肩甲骨に起始して上腕骨に停止する、①棘上筋、②棘下筋、③小円筋、④肩甲下筋の総称です。

薄い腱が上腕骨頭を覆うように停止していることからそう呼ばれています。別名「ローテーターカフ」とも呼ばれており、上腕を回転させる動き(rotator)が語源となっています。

回旋筋腱板には、肩関節を内外旋させる以外にも、上腕骨頭を肩甲骨に引き付けて安定させるといった重要な役割があります。

肩関節には強力な靱帯が存在しないために、可動範囲が大きい利点と安定性が低い欠点を持っています。この欠点を補うために、いくつもの筋肉が重なり合って関節を保護しています。

回旋筋腱板は損傷しやすい部分であり、とくに棘上筋は肩周囲で最も断裂しやすい箇所です。棘上筋の断裂例ではその他の腱板筋の萎縮が認められやすいですが、小円筋はその影響が最も生じにくい部位になります。

肩関節腱板

小円筋の運動貢献度(順位)

貢献度 肩関節外旋
1位 棘下筋
2位 小円筋
3位 三角筋(後部)

※小円筋の作用は大円筋ではなく、棘下筋とほぼ同様になります。

小円筋の触診方法

写真では、肩関節が90度屈曲位(3rdポジション)での外旋運動にて小円筋の起始部で触診しています。

上肢が下垂位(1stポジション)では小円筋が活動しにくく、外転位(2nd)では棘下筋の下部線維と区別がしにくいため、屈曲位が最も触知しやすい肢位になります。

肩関節90度屈曲位から内旋させていくことで、小円筋を選択的にストレッチすることができます。

小円筋は健常人でも緊張・圧痛が認められやすい部位であるため、少し圧迫を加えて緩めることで肩関節屈曲の角度が容易に向上します。

とくに投球障害肩(野球肩)では強い攣縮が認められやすいため、触診とリラクゼーションが重要になります。

自己触診:小円筋

ストレッチ方法

①肩関節を150度屈曲・内旋位、肘関節は軽度屈曲位にして、反対の手で肘を斜め上方に引き寄せていきます。
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②両膝を曲げて立ち、両腕を交差させて反対側の膝の側面をつかみ、上体を上方に起こしていきます。
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③小円筋の走行を考慮すると、肘を頭頂部に乗せるようにして、より天井部に引き上げるようにしてストレッチすることで伸張が可能となります。
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筋力トレーニング

①脇を締めて肘を90度屈曲位とし、両手でゴムチューブを握ります。その状態から脇が開かないようにして肩関節を外旋していきます。
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②チューブがない場合は反対側の手で抵抗をかけることにより代用できます。三角筋などのメジャー筋の代償運動が入らないように注意します。
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③側臥位にて脇を締めて肘を90度屈曲位とし、重りをつけた腕を外旋して持ち上げていきます。
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小円筋の痛みとトリガーポイント

小円筋のトリガーポイントは大結節部(停止部)ちかくに出現し、関連痛は上腕外側の上部に起こります。

また、小円筋は全周性に圧痛を認める場合が多いです。緊張を緩めることで健常者でも容易に肩関節の屈曲角度が増加します。

小円筋のトリガーポイントと関連痛領域

小円筋と腋窩神経麻痺

小円筋は腋窩神経や後上腕回旋動脈の通り道である四角間隙を構成しているため、小円筋に問題が生じると腋窩神経に麻痺が起こる場合があります。

腋窩神経は肩関節外側(三角筋中部領域)に痛みなどの知覚異常を起こすことになるため、関連痛以外にも神経の影響が関与している可能性があります。

外側液過隙|四角間隙

マッサージ方法

患者には腹臥位をとってもらい、術者は母指を使って肩甲骨外側縁の中央(大円筋と棘下筋の間)で小円筋の起始部を触診します。

触知できたら重ねた母指で押圧しながら、走行に沿って上腕骨後側(停止部)までストリッピングしていきます。

小円筋の場合は硬結部をほぐすというよりも筋束が張っている部分をやわらげるといった感覚でアプローチすることになります。

小円筋|浅層筋

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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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