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手部のしびれの原因とリハビリ治療

手部のしびれの原因とリハビリテーションによる治療方法について解説していきます。

手部のしびれと支配神経

①正中神経麻痺

正中神経の支配神経

正中神経の主な絞扼部位は近位から、①円回内筋部、②浅指屈筋部、③手根管(手根管症候群)の3つになります。

①や②で圧迫を受けている場合は、前骨間神経が障害されるために深指屈筋や長母指屈筋、方形回内筋が障害されます。

前駆症状としては、円回内筋や浅指屈筋の過度な緊張により、肘から前腕の疼痛を訴えるケースが多いです。

治療方法としては、原因となっている筋肉をマッサージなどで緩めることにより、症状の緩和が期待できます。

③は正中神経が最も圧迫を受けやすい場所で、手部のしびれの原因で最も多い発生要因となります。

障害部位は手根部以下の支配神経で、母指球筋の運動麻痺および母指側3.5本の皮膚知覚が障害されます。

手掌部での圧迫のため、上位の正中神経支配筋(前骨間神経を含む)に麻痺はなく、手掌の母指側2/3の皮膚知覚も正常です。

治療方法としては、手根管での圧迫はリハビリによる改善がほとんど期待できないため、手術療法が適応となります。

ただし、原因が浮腫や炎症に由来している場合は自然治癒が望めるため、発生初期には原因部位の安静が必要です。

発症例の約35%は未治療で自然寛解するとされており、年齢が比較的に若く、片側性であることが治癒を期待できる条件となっています。

②橈骨神経麻痺

橈骨神経の支配神経

橈骨神経の主な絞扼部位は近位から、①橈骨神経溝(上腕骨骨幹)、②回外筋部、③前腕橈側遠位部の3つになります。

①は上腕骨骨幹部を物理的に押さえつけるような圧迫が持続することで、橈骨神経が麻痺することで起こります。

一般的にハネムーン症候群とも呼ばれており、上腕で彼女の頭などを腕枕することにより発生しやすいです。

治療方法としては、基本的に圧迫が取り除かれるとすぐにしびれはとれますが、重度の場合は神経を損傷して麻痺が残ります。

末梢神経は回復が望めるため、治癒するまでの間は患部への負担をなるべく減らすように対応します。

②は橈骨神経が回外筋の深層を通過する際に圧迫を受けることで起こり、そのトンネル部分をフロセのアーケードと呼んでいます。

橈骨神経は回外筋の近位で浅枝と深枝に分かれ、深枝はトンネルを通過して総指伸筋、母指や小指の伸筋に神経を送ります。

フロセのアーケード以外にも、回外筋の出口や短橈側手根伸筋、上腕骨小頭などで絞扼されていることもあります。

治療方法としては、回外筋のリラクゼーションを図り、過度の緊張を取り除くようにアプローチしていきます。

手指の伸展が困難となる下垂指が起こるため、徒手的に反復運動やタッピングを加えて筋肉を促通させていきます。

③は前腕橈側遠位部で腕撓骨筋の筋膜を貫く橈骨神経の浅枝を圧迫している状態で、筋膜が肥厚しているな場合に絞扼されます。

浅枝は皮枝のみなので、絞扼されるとる手掌の最外側部と手背の母指側2.5本の指の皮膚知覚が障害されます。

治療方法としては、腕撓骨筋のリラクゼーションと筋膜リリースを図り、絞扼を取り除いていきます。

③尺骨神経麻痺

尺骨神経の支配領域

尺骨神経の主な絞扼部は、①ギオン管(尺骨神経管)、②尺側手根屈筋起始部の2つになります。

①は手根骨の有鉤骨鉤と豆状骨から成る間隙(ギオン管)で尺骨神経が圧迫されている状態を指します。

手掌部にて圧迫されるため、上腕部の筋枝や背側枝、掌枝に影響を与えることはなく、障害部位は深枝と浅枝に限定されます。

手掌部で分岐した浅枝は、掌側の小指側1.5本分と背側の小指側2.5本分(一部)の指の皮膚を支配します。

知覚異常は指先のみですが、知覚の訴えよりも指先の動かしづらさ(深枝の支配筋麻痺)の訴えのほうが臨床上は多いです。

②は肘の内側(尺側手根屈筋腱部)で尺骨神経が慢性的に圧迫を受けることで麻痺を起こした状態をいいます。

ギオン管での圧迫よりも頻度としては多く、手根管症候群に次いで手部のしびれの原因となりやすいです。

原因は様々ですが、ガングリオンなどの腫瘤による圧迫や変形性肘関節症、オーバーユースによる周囲筋の過度な緊張などで起こります。

この部分で障害を受けている場合は、前腕部で分岐した背側枝と掌枝も影響を受けるため、尺側の手首付近まで感覚障害が起こります。

治療方法としては、尺骨神経上の筋肉に過度な緊張がみられないかを触診していき、必要に応じてリラクゼーションを図ります。

④頚椎症性神経根症

手部のしびれと神経根支配領域

頚椎症性神経根症とは、頸椎の神経根がヘルニアや骨棘により圧迫され、その神経根の支配領域に知覚障害や筋力低下を起こした状態です。

正中神経麻痺や尺骨神経麻痺などとは異なり、単独の神経根が障害されるため、その支配領域に限局した末梢性麻痺が現れます。

例えば、圧迫部位がC6なら前腕外側から母指と示指、C7なら示指と中指、C8なら小指の皮膚知覚が障害されます。

運動麻痺に関しては、C6なら上腕二頭筋が、C7なら上腕三頭筋が、C8なら浅指屈筋などが障害されます。

治療方法としては、頸部伸展で神経根の圧迫が強まるため、伸展域の制限と頸部屈曲のストレッチを指導します。

発症例の約70%は保存的治療で自然寛解するとされているため、症状が重度でない場合はリハビリにて対応していきます。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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