アナトミートレインを体前屈検査で理解する

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立位または長座位にて膝関節伸展位のまま体幹を前屈していき、指先から床までの距離を測る検査を体前屈検査といいます。

これは一般的にハムストリングスの硬さを確認していますが、必ずしもハムストリングスの短縮のみで制限されるわけではありません。

その理由をトム・マイヤーズ(またはトーマス・マイヤース)が提唱するアナトミートレインを元に、わかりやすく解説していきます。

体前屈検査を即時に改善する方法

体前屈検査がハムストリングスのみの制限でない証拠として、足関節が中間位(背屈0度)である場合と、足関節が底屈位である場合の長座体前屈検査を比較した画像を掲載します。

足関節は中間位 足関節は底屈位
体幹前屈検査|ハムストリングの短縮|スーパーフィシャルバックライン FFD|ハムストリングの短縮|スーパーフィシャルバックライン

私は昔から身体がとても硬く、体前屈検査をすると全くといっていいほど床に手が届かず、ハムストリングスが突っ張って制限をきたします。

しかし、長座体前屈なら足関節を底屈位にすることで、即時に手の届く範囲を伸ばすことができます。

もしもこれをハムストリングスの短縮のみで考えてしまうと、足関節の位置が影響するというのは矛盾が生じます。

他の例を挙げると、立位体前屈で足指を曲げた状態で行うことにより、即時に指床間距離(FFD)を伸ばすことができます。

こちらもハムストリングスは直接的に関与しない場所ですし、筋肉を単一な組織と考えてしまうと理解に苦しむはずです。

これらを理解するためには、筋肉と筋肉の繋がり(深筋膜による連結)を知る必要があり、それに最適なのがアナトミートレインになります。

アナトミートレインの概要

アナトミートレインとは、強固な深筋膜のつながりをひとつのレールに見立てて、トム・マイヤーズが提唱した理論になります。

レールは人体に12本ありますが、そこに存在する組織に硬結が形成されると、その他の全てに影響を与えることになります。

先ほどの体前屈検査の話に戻すと、この検査はSBL(スーパーフィシャル・バック・ライン)というレールを伸ばしています。

ハムストリングスはSBL上で腓腹筋や短趾屈筋と繋がるため、足関節や足趾を底屈させることでSBLが緩み、前屈距離が伸びるわけです。

もちろんこれは体前屈検査の制限因子が「SBL」であった場合であり、それ以外の要素が強いようなら改善しません。

しかしながら多くのヒトで即時的に改善を体感できるので、興味がある方は試してみてください。

筋膜へのアプローチ方法

SBLの伸張性を高める簡単な方法として、足裏にボールを置いて、足底腱膜に沿いながらゆっくりと2〜3分ほど転がします。

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あまり強くやりすぎると短趾屈筋が緊張して逆効果となりますので、リラックスした状態でやわらかく動かしていくのがポイントです。

ボールの動きとしては、足底腱膜の形状に沿いながら、踵から第1〜5趾のすべてに行き渡るように実施してください。

たったこれだけで体前屈検査が改善するヒトも多いですが、これはあくまで筋膜上の一部分に着目しただけの方法に過ぎません。

徒手的に硬結部位(筋膜の滑走性が失われた場所)を見つけて、そこにアプローチすることでより良い結果を期待することができます。

神経系の影響について

完全な余談になりますが、体前屈検査を即時に改善するための別の方法として、神経系を利用する方法があります。

方法としては、奥歯を噛み締めた状態で体前屈検査を行うだけです。

これは咬合によって神経系の意識を顎関節に集め、反対にハムストリングの緊張を調整する神経系を低下させています。

どこが制限因子になっているかは人それぞれなので、ここで紹介した方法を試しながらチェックしてみてください。

アナトミートレイン(12本)

SBL(スーパーフィシャル・バック・ライン)

SFL(スーパーフィシャル・フロント・ライン)

LL(ラテラル・ライン)

SPL(スパイラル・ライン)

SFAL(スーパーフィシャル・フロントアーム・ライン)

DFAL(ディープ・フロントアーム・ライン)

SBAL(スーパーフィシャル・バックアーム・ライン)

DBAL(ディープ・バックアーム・ライン)

FFL(フロント・ファンクショナル・ライン)

BFL(バック・ファンクショナル・ライン)

同側FL(同側ファンクショナル・ライン)

DFL(ディープ・フロント・ライン)

参考書籍

 


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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