整形外科で働く理学療法士の臨床推論

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整形外科の外来リハは臨床推論の繰り返しであり、患者の訴える「痛み」の原因がどこにあるかを見つけることが重要です。

そのためには、以下の4つを軸に考えていくようにします。

①力学的推論

痛みを起こしている組織を見つけるためには、まずはどのような動き(ストレス)で痛みが起きるのかを見つける必要があります。

患者によっては疼痛を誘発する動作を認識していないケースもあるので、こちらが誘導しながら確認していく場合も多いです。

組織が収縮時(短縮時)に痛みが起こる場合は、筋攣縮や筋膜の滑走不全が疑われるため、さらに自動から他動で動かすなどして評価していきます。

ストレスをかけていないのに痛い(どんな姿勢でも痛い)場合は、組織に炎症を起こしている可能性が高いので、痛みを誘発する動作はなるべく控えるようにしていくことが求められます。

②組織学的推論

次いで、疼痛誘発動作を参考にしてから疼痛誘発組織がなにかを予測します。

具体的な方法としては、疼痛部位または関連痛を起こす可能性がある組織を中心に圧迫などのストレスをかけていきます。

それで普段の痛みを誘発することができるなら、そこが疼痛誘発組織である可能性が非常に高いと考えることができます。

触診は表層から評価していくことが大切で、理由としては、深層から触れても表層にもストレスがあるため正確な評価ができないからです。

③時間的推論

次いで、時間的推論は組織の損傷がどの段階にあるかですが、ここは画像診断と合わせて評価していくことが必要となります。

stageが「Ⅳ」または「Ⅴ」であっても、炎症がないために痛みがほとんどないケースも非常に多いことに留意します。

過去に強い痛みがなかったとしても、器質的変化が起きている場合もあり、早い段階でステージを進行させないアプローチが重要です。

④原因推論

治療で疼痛誘発組織の問題を取り除いても、その問題を起こした根本的な原因を解決しないことには再発の可能性があります。

例えば、痛みの原因が「炎症」であるなら患部の安静だけでも治癒しますが、発生機序が明確でない炎症は再発のリスクが非常に高いです。

このことを考慮すると、痛みが落ち着いたからという理由だけで治療を終了してしまうと、再発してより悪化してしまうことにもつながります。

軽度の膝関節炎の患者では、初回のステロイド注射だけで痛みが激減してしまうことも多いですが、そこで治療をやめないように理解してもらうことも大切です。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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