スポンサードリンク

棘上筋


棘上筋に関する充実したデータ(ストレッチ、筋力トレーニング、マッサージ方法など)をここでは閲覧できます。目次は以下になります。

棘上筋の概要

棘上筋(supraspinatus)は肩甲骨の上方(棘上窩)から起始し、上腕骨大結節の上部に停止している肩関節の外転筋で、表層は僧帽筋に覆われています。

棘上筋は肩周囲で最も損傷しやすい筋肉であり、高齢者では約4割に大小なりの断裂像が確認できます。

肩関節外転時に肩峰と上腕骨頭の間で挟み込まれやすく、インピンジメント障害を起こしやすい代表部位でもあります。

 1.前方から見た棘上筋
棘上筋|正面
 2.側方から見た棘上筋
棘上筋|側面
 3.後方から見た棘上筋
棘上筋|後面
支配神経 肩甲上神経
髄節 C5-6
起始 肩甲骨の棘上窩
停止 上腕骨の大結節上部、肩関節包
栄養血管 肩甲上動脈
動作 肩関節の外転,外旋
筋体積 89㎤
筋線維長 4.3㎝
速筋:遅筋(%) 40.7:59.3

回旋筋腱板を構成する4つの筋肉

回旋筋腱板(単に腱板とも呼ぶ)を構成する筋肉は、①棘上筋、②棘下筋、③小円筋、④肩甲下筋の四つになります。

下図を見ていただくとわかりやすいですが、これらの筋肉は上腕骨頭を囲むように付着しており、肩関節を安定させるために貢献しています。

その中でも棘上筋は肩関節挙上時に上腕骨頭を関節窩に固定させる作用があるため、ここが障害されると骨頭を正しい位置に保持できなくなります。

そうなると三角筋のみで挙上しようとして肩が浮きあがってしまい、正しい運動方向に骨頭が回転せず、90度以上の挙上が困難となってしまいます。

肩関節腱板筋

棘上筋の機能を代償しうる筋肉

棘上筋の機能を唯一代償できる筋肉が棘下筋になります。棘上筋と棘下筋は停止部付近で腱連結しており、ひとつのユニットとして存在します。

とくに棘下筋の上部は棘上筋と近いベクトルを有しているため、肩関節を固定させながら挙上する力を持ち合わせています。

肩関節挙上が困難となる症例の多くは棘下筋まで損傷しており、広範囲断裂例ほど機能予後は不良となります。

そのため、棘上筋のみの断裂例では積極的に鍛えることで代償が可能です。

具体的な方法として、側臥位にて肩関節をゼロポジションに誘導し、その位置を保持してもらうように等尺性収縮を行っていきます。

棘上筋の運動貢献度(順位)

貢献度 肩関節外転 肩関節外旋
1位 三角筋(中部) 棘下筋
2位 棘上筋 小円筋
3位 前鋸筋 三角筋(後部)
4位 僧帽筋 棘上筋

※棘上筋は回旋筋腱板のひとつですが、回旋(外旋)にはあまり貢献しません。

棘上筋の触診方法

棘上筋の触診で大切なことは、表層を覆っている僧帽筋の活動が極力無い状態で行うことです。上肢を机などに乗せることでリラックスさせることができます。

写真では、棘上窩で棘上筋の筋腹を触診し、肩関節を外転方向に力を入れることで収縮を感じとるようにして触診しています。

自己触診:棘上筋

ストレッチ方法

①肩関節を軽度伸展・内旋、肘関節を軽度屈曲位とし、もう片方の手で上肢を把持して肩関節を内転方向に引き寄せていきます。
棘上筋,ストレッチ,方法,結帯動作
②健側でストレッチしたい上肢を把持して、他動的に脊椎に沿って上方に引き上げていきます。筋収縮が入らないようにリラックスした状態で実施します。
棘上筋,ストレッチ,方法,伸長

筋力トレーニング

①健側の上肢で肩関節外転に抵抗をかけることにより棘上筋を鍛えることができます。
棘上筋,筋力,方法,徒手抵抗
②棘上筋エクササイズは、肩甲棘と上腕骨軸が適合する「scapular plane」上(前額面より約30-45°前方に位置した面)で外転運動を実施すると効果的です。
棘上筋,筋力トレーニング,ゴムチューブ,セラバンド,方法
③立位にてダンベルを握り、肩関節を45度の範囲で外転していきます。肩部が挙上するようならダンベルが重すぎるということなので、軽いものに変えて実施します。
棘上筋,ダンベル,肩関節外転

棘上筋の痛みとトリガーポイント

棘上筋のトリガーポイントは起始付近にあり、関連痛は肩外側(三角筋中部領域上)から前腕外側にかけて波及します。

しばしば五十肩と間違われるため、トリガーポイントに圧迫を加えて痛みの再現性があるかを確認することが必要となります。

棘上筋のトリガーポイントと関連痛領域

マッサージ方法

患者には腹臥位で腕を背中にまわしていただき、肩甲骨を浮き出させます。術者は肩甲骨棘を両母指で圧迫しながら、交互にスライドさせていきます。

筋硬結部を見つけたら、その都度に持続圧迫を加えてリリースしていきます。

棘上筋の浅層には僧帽筋が覆っていますので、まずは僧帽筋が十分にリラックスできるように整えてから実施してください。

また、インピンジメント障害により微細断裂などを起こして痛みが発生している場合は、はマッサージが逆効果となる場合もあります。

そのため、実施前に必ずエピソードや痛みの発生時期を確認することが大切です。

棘上筋|浅層筋

お勧めの一冊

筋肉の走行を見ながら触診やマッサージ方法を学ぶことができるベストセラー書です。付属のDVDで実際の流れを見て覚えることができるのでお勧めです。


お勧めの記事はコチラ

スキルアップするための情報はコチラ

スポンサードリンク

The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
rehatora.net © 2016 Frontier Theme