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片麻痺の座位姿勢で足底を接地する意味|安定した座位の獲得


よくツイッターとかで片麻痺患者の作業療法中に、「座位姿勢で足底が接地できてない!そんなOTは論外だ!」みたいな発言がみられます。

足底を接地してないと「感覚が~」とか、「安定性が~」とか、「筋緊張が~」とかみたいなことを言ってるようですが、どこまでわかってるかは謎です。

前回の記事(姿勢分析は「運動連鎖」を理解したら簡単にできる)がわりと好評だったので、その続きとして座位姿勢について書いていきます。

座位姿勢で足底を接地する意味

まずは座位姿勢にて足底を接地することでなにが起きるかというと、支持基底面が前方に広がるということです。

では、支持基底面が広がったらどうなるか。おそらくほとんどの人は「安定性が増す」と答えるかと思いますが、それは正しくありません。

座位で足底を接地していたとしても、足底に体重が乗っていないことには重心が支持基底面の真ん中には来ませんので、安定性は増しません。

座位姿勢と足底接地

大切なのは足底に体重をかけることで重心を中央に持っていくことであり、そうすることで安定した座位姿勢を獲得することができます。

座位姿勢と足底接地2

不安定な姿勢は筋緊張が増す?

不安定だから精神的に筋緊張が増している場合もあるかもしれませんが、実際は重心を整えるために筋収縮を行っていることがほとんどです。

例えば、重心が後方に位置して不安定となっている場合、重心を前方に移動させるために筋肉が収縮することになります。

前方に移動させる筋肉とは主に屈筋群であり、頸部屈筋、体幹屈筋、上肢屈筋、股関節屈筋、膝関節屈筋、足関節底屈筋などになります。

片麻痺の座位姿勢

この反応は共同収縮とか屈曲運動パターンとかに似ていますが、その目的は重心を中央に持っていけるように努力性に収縮している状態といえます。

筋肉の収縮で身体を固めている状態は静的には安定しますが、動的にはまったく安定しませんし、外力が加わるとすぐに崩れてしまいます。

そのため、筋肉はできる限りにリラックスした状態で姿勢を保持できることが重要となります。

足底からの感覚入力について

座位における足底からの感覚入力がどれだけ重要かは判断しかねますが、私はそれほど重要視してはいません。

足底が付いていないから筋緊張が高くなるといったことはなく、重心が中央で身体が安定しているなら筋肉の収縮は必要ありません。

なので、あくまで殿部だけで調節することが難しい場合に、足底を使用して支持基底面を広げ、しっかりと荷重することで安定させるといったことのほうが重要です。

ここをしっかりと理解していないことには、ただ足底を接地しているだけであり、なんの効力もありませんので注意が必要です。

座位姿勢は重心が後方になりやすい

そもそも座位姿勢というのは、いわゆる正しい姿勢(背筋がピンと伸びた姿勢)をとることが非常に難しいのです。

なぜなら、股関節を屈曲させると連動して骨盤が後傾し、それに伴って腰椎(脊椎)が後弯してしまうからです。

私もかなり猫背がひどいので、骨盤を立てた座位(坐骨座り)がとれず、骨盤が後傾して仙骨で支える座位(仙骨座り)が中心となっています。

座位姿勢は後方重心となりやすい

しかしながら、仙骨座りだから必ずしもいけないというわけではなく、私自身もそれほど姿勢を矯正する必要性を感じていません。

もちろん、腰椎が屈曲して椎間板内圧が増し、椎間板の摩耗を早めるとか、頸椎が過伸展して首コリの原因になるとかのデメリットはあります。

デメリットがあるならメリットも当然にあるわけで、仙骨座りなら支持面が増したり、背筋群の収縮を必要としなかったりします。

座位での作業姿勢でなにを求めるか

まず最初に言いたいのは、正しい姿勢なんていうものは存在しないということです。仙骨座りでもそれで安定するのなら問題はありません。

それよりも大切なのは、どのようにして重心を中央に安定させ、疲労感や筋活動の少ない座位姿勢を獲得するかです。

その姿勢こそが作業をしやすい姿勢であり、実用的な姿勢といえます。

後方重心で姿勢保持に筋活動を必要とし、不安定な状態となっているなら、足底に荷重をかけて重心を前方に保持したらいいのです。

背筋群の筋出力が不足しており、骨盤後傾を修正できずに足底に荷重がかけられないなら、椅子に深く腰掛けて骨盤が倒れないように調整します。

椅子に深く腰掛けて座位を安定させる

骨盤が倒れないように保持するための座椅子も数多く出ていますので、そういった補助具を利用することも効果的です。

そのように関節や骨の位置を調整しながら、重心を中央に調整することがポジショニングの極意と呼べるかもしれません。

健常者でも片麻痺患者でも基本は同じで、姿勢さえ安定したら無駄な筋活動は減りますので、分離した運動が行いやすくなります。

そのことを理解しながら、安定性のある姿勢をまずは確保するところから始めるようにしてみてください。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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