ミネラルとは、体内で合成できない栄養素で、骨や歯などの構成、体液の調整、筋肉の活動などに使用されています。
筋肉の収縮には、特に『カルシウム』と『マグネシウム』が重要で、Caは筋肉の収縮、Mgは筋肉の弛緩に関与します。
運動による発汗ではMgが失われやすく、その結果、筋肉の収縮過剰が起こり、痙攣やこむら返りなどの原因となります。
脱水状態は筋肉の緊張(コリ)を高める原因となるので、筋・筋膜性疼痛の患者には、治療後の水分補給を促すことが大切です。
こむら返りに絶大な効果を発揮する薬に『芍薬甘草湯』があり、漢方薬ではありますが、多くの病院で処方されている薬になります。
その効果として、芍薬に含まれるペオニフロリンが、筋肉が収縮するために必要なカルシウムイオンの細胞内流入を抑制します。
また、甘草に含まれるグリチルリチン酸には、細胞からのカリウムイオンの排出を促進する効果があります。
作用としては、筋弛緩薬にちかいもので(厳密には収縮を抑える薬)、ドラッグストアやAmazonでも購入することができます。
理学療法士が薬について説明することはほぼありませんが、芍薬甘草湯が顕著な効果を発揮するようなら、ミネラルバランスの崩れを疑うことができます。
筋肉のコリ(過剰収縮)にストレスや睡眠不足が影響していることも多いですが、その原因に活性酸素の増加が考えられています。
理由として、体内の活性酸素が増えてしまうと、ミネラルを過剰に消費させる可能性があるためです。
以上のことから、筋肉が原因の痛みに関しては、ミネラルバランスを整えるといった視点を持つことも有用ではないかと思います。