以前から気になっていた本「ファッシャル・リリース・テクニック」を購入したので、少しだけレビューしていきます。
近年は治療において筋膜が重要であることは周知の事実ですが、筋膜についてどれだけ理解できているかというと難しいところです。
そんなわかってるようでわかってない筋膜を知るうえで、本書には非常にわかりやすい表現で以下のように説明されています。
”解剖学では、人間には約600個の異なる筋があるとしている。しかし、より正確に言うならば、1つの筋が筋膜網にある600個のポケットの1つに押し込まれた状態だと言える。”
この文章を読んだときに自分は非常にしっくり来る部分があって、筋肉が発揮する張力(攣縮)が筋膜網を歪ませているんだと理解できました。
例えば、ヒトは屈筋(身体前方)が優位なタイプと伸筋(身体後方)が優位なタイプがいて、日本人は前者が多いとされています。
上半身における屈筋優位タイプは、大胸筋や小胸筋などが緊張することで猫背となりやすい傾向にあります。
肩関節は内旋方向に引っ張られるため、上腕骨の外旋が乏しくなり、肩峰下インピンジメントが生じて腱板損傷を起こしやすくなります。
このような患者を治療していく際は、拘縮している筋肉を伸ばしていくのと同時に、筋膜網を外旋方向にリリースしていくことが必要です。
筋膜に対しては、深いタッチで特定方向にベクトルを持って行うことが重要であるとされています。
筋膜は筋と違い、一度うまく伸ばされると元の場所に跳ね返ることがなく、永続性のある矯正が可能となります。
筋拘縮の除去や筋膜リリース以外のアプローチ方法として、対側(屈筋優位の場合は伸筋)の筋肉を鍛えることも有用です。
そのように全体像を考慮しながら筋膜調整していくことが大切であり、それを理解するうえで筋膜ポケットという考え方は理解しやすいと思います。