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肉ばなれのリハビリ治療

肉離れのリハビリ治療に関する目次は以下になります。

肉ばなれの概要

筋肉に強い収縮を起こさせるスポーツ動作により、急激な張力が筋肉に作用して、筋肉を包む筋膜が傷が付いた状態を肉ばなれと呼びます。

基本的には陸上などの非接触にて起こるものであり、アメフトやラグビーなどのように接触にて発生する打撲(筋挫傷)とは発生機序が異なります。

肉ばなれは再発を起こしやすい障害であるため、繰り返さないためにもウォーミングアップやストレッチの重要性が指摘されています。

肉離れの仕組み

引用画像(1)

筋膜について詳しく解説

複数の筋原線維と核が集合し、筋内膜に包まれて筋線維は構成されています。いくつかの筋線維は束になり、筋周膜に包まれて筋線維束となります。

さらにいくつかの筋線維束が集合していき、筋外膜に包まれて「筋肉」となります。

筋外膜や筋周膜、筋内膜には血管や神経がたくさん走っていますので、これらの筋膜に傷がつくと出血や痛みが起こります。その状態を肉ばなれといいます。

筋線維が断裂した状態を含める場合もありますが、厳密には筋断裂と肉離れは別物であり、筋断裂より症状は軽度となります。

筋膜はさらに二つほど存在しており、いくつかの筋肉を覆うようにして走行しながら包んでいるのが深筋膜になります。

さらに皮下組織の中に存在し、全身をボディースーツのように覆っているのが浅筋膜になります。浅筋膜が人体で最も浅層に位置する筋膜です。

深筋膜と浅筋膜はやや特殊で、血管が存在しない透明で弾力性のある疎性結合組織によって構成されています。

そのため、これらの筋膜が損傷を受けても出血が起こるといったことはありません。

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引用画像(2)

肉ばなれの好発部位(順位)

好発部位は、①ハムストリング、②大腿直筋、③下腿三頭筋、④股関節内転筋の順に発生しやすいです。

ハムストリングは肉ばなれの中で最も生じやすい筋肉であり、全体の約67%を占めています。とくに大腿二頭筋(長頭)に発生しやすく、再発も起こしやすい部位です。

その理由として、大腿二頭筋は腓骨神経と脛骨神経の二重支配を受けていることが一つの原因として考えられています。

大腿二頭筋|後面

肉ばなれの要因

肉離れの原因として、①柔軟性の低下、②筋力の低下、③筋肉のアンバランス、④水分摂取の不足、⑤過剰な早期復帰などが挙げられています。

実際はまだ明確なメカニズムは解明されてはいませんが、同一の筋肉内でとても使用されている部分とまったく使用されていない部分があると筋膜が切れやすい傾向にあるようです。

また、疲労が溜まっているときに肉離れは起こりやすいのですが、疲労している筋線維は無意識に休もうとし、比較的に疲労が蓄積されていない筋線維が頑張ろうとします。

それが筋肉のアンバランスをさらに助長させている可能性が推察されます。

高齢者においては、階段を上ったり、坂道を降りている際にも発症する場合があり、必ずしも急激な動きだけで発生するわけではありません。

一度起こしてしまうと再発しやすい障害ですので、しっかりと原因に対してアプローチしていくことが求められます。

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画像検査

単純X線(レントゲン)での異常は認められませんが、MRIでは下図のように損傷部位が一目で確認することができます。重症度を判断するためにも、撮影は有用です。

肉離れのMRI

引用画像(1)

肉離れ及び筋断裂のタイプ分類

損傷部位 治療法 復帰期間
タイプⅠ 筋実質(筋膜) 保存療法 1-2週
タイプⅡ 筋腱移行部 保存療法 4-12週
タイプⅢ 腱断裂または付着部剥離損傷 観血療法 4-6ヶ月

タイプ別の保存療法

タイプⅠの場合、筋は損傷後すぐに再生が始まり、一週間後には損傷前の筋線維の1/2まで回復し、1ヶ月以内で完全に再生することになります。

しかし、タイプⅡのように腱が損傷している場合、血行が乏しいために回復が遅く、損傷の程度にもよりますが4-12週は安静期間が必要となります。

完全に健常時の機能的強度まで改善するためには数年間を要す場合もあるため、MRI画像で損傷の程度を確認しながら復帰の時期は決定する必要があります。

リハビリテーションの流れ(タイプⅠ)

受傷直後

  • RICE処置を24時間行う
  • 患部の出血や腫脹を最小限に抑える

受傷後2日~

  • 疼痛が発生しない範囲でセルフストレッチングの実施
  • ホットパックや渦流浴で筋肉を温める

受傷後1週~

  • 軽い負荷をかけたトレーニングを開始する
  • 自転車エルゴ、レッグプレス、レッグカールなど

受傷後2週~

  • ジョギングを開始し、徐々に距離やスピードを上げる
  • 疼痛の状態を見ながら競技復帰に移行する

サポーターの使用について

サポーターには、①関節の固定、②保温、③圧迫による固有感覚の強化などといった効果が期待できます。

とくにハムストリングの肉ばなれにおいては、二重神経支配の影響が考えられるため、サポーターの着用によって固有感覚を強化することで、予防効果が期待できます。

肉離れで水分補給が必要な理由

ふくらはぎの筋痙攣(こむら返り)などもそうですが、脱水状態に陥っている場合は、非常に筋肉が損傷しやすい状態となっています。

理由としは、カルシウムやカリウムなどの電解質のバランスが崩れることにより、神経や筋肉が過剰に興奮してしまうことが原因と考えられています。

そのため、水分補給などはこまめに摂取するようにし、張りなどを感じたら疲労が蓄積している合図なので安静をとるようにしてください。

大腿二頭筋のストレッチング

長坐位にて、片方の下肢は屈曲し、もう片方の脚を度外転・外旋位とします。その状態で体幹を前方に倒していきます。膝関節をやや屈曲することで近位部の伸張を可能とします。

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筋力トレーニング

お勧めの運動は片脚でのブリッジ運動です。この動作は大殿筋や腰背筋などの代償が入りやすい運動ですが、ある意味では同時に鍛えることができるお得な方法です。

なぜなら、ハムストリングの負担を減らすためには大殿筋の活躍が必要不可欠だからです。

大殿筋を鍛えることで走行時に股関節伸展をしっかりと出せるようにすることで、ハムストリングにかかる負担を軽減することが可能です。

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おわりに

肉離れは応急処置が不十分であったり、リハビリテーションが不適切であったりすると、競技復帰後に運動痛や違和感を感じるなどの後遺症を残すことがあります。

また、再発の危険性が高い重篤なスポーツ障害のひとつなので、痛みが強い場合はすぐに医療機関を受診するようにお願いします。

引用画像/参考資料

  1. http://allabout.co.jp
  2. http://rolfing-touch.info/cn6/column40.html

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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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