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股関節前方の痛みの原因とリハビリ治療


股関節前方に起こる痛みの原因とリハビリテーションによる治療方法について解説していきます。

股関節前方の痛みの原因

①股関節唇の損傷

股関節前方の痛み:股関節インピンジメント症候群

変形性股関節症の初期症状として発生しやすい股関節インピンジメント症候群ですが、関節唇を挟み込むことで損傷して痛みが起こります。

とくに傷害を受けやすいのは前上方の股関節唇で、痛みは太ももの付け根である鼠径部に出現します。

先天的に股関節の臼蓋形成不全や大腿骨頸部の肥厚などが存在しており、30〜40歳代と比較的に若い年齢で発生します。

治療方法としては、痛みの起こる動作は制限するように指導し、損傷部位が治癒するのを待ちます。

具体的には、股関節の深い屈曲運動や屈曲・内転・内旋の複合運動を避けるようにし、大腿骨と関節唇の衝突を回避します。

②前関節包の短縮

股関節周囲に炎症が存在すると関節包に瘢痕拘縮が起こり、正常な関節運動の軌道から逸脱したり、関節可動域に制限が生じます。

関節包が短縮すると関節内を満たしている滑液の循環が滞り、関節のクッション性が失われて、運動開始初期の痛みが出現します。

これをスタートペインと呼んでおり、変形性関節症の初期症状として起こりやすいことがわかっています。

治療方法としては、股関節の周囲組織に炎症がある時期は安静を指導し、炎症が落ち着いてからは関節モビリゼーションを行います。

股関節は前関節包の短縮が起こりやすいため、骨頭を前方に引き出すように力を加えながら実施すると効果的です。

③大腿骨頭壊死症

股関節前方の痛み:大腿骨頭壊死症

大腿骨頭壊死症には、原因がはっきりしている症候性大腿骨頭壊死症と、原因不明の特発性大腿骨頭壊死症のふたつがあります。

前者には骨折などの外傷やダイビングによる血管の空気塞栓、放射線治療の副作用などとして発症します。

後者は原因不明ではありますが、多量のステロイド投与によるものや、アルコール性のものが報告されています。

発症初期は単純X線写真ではわからない場合も多いため、確定診断のためにMRIや骨シンチグラフィ検査などが必要となります。

治療方法として、大腿骨頭の圧壊が少ない初期は保存的治療が選択され、荷重のかかる動作の制限や杖などの歩行補助具の使用を行います。

2〜3年で骨頭壊死部分が修復される可能性もあるため、手術を回避するために生活指導を徹底します。

④股関節内転筋炎

股関節内転筋群に損傷が起きる原因は大きく分けてふたつあり、それは変形性股関節症に付随するものとスポーツ障害によるものです。

変形性股関節症では、膝関節が外向きにある患者に発生しやすく、大腿骨外旋と骨頭前方偏位のために内転筋群が伸張位に保持されます。

伸張された状態では筋出力も発揮しにくく、その状態で負荷が加わることにより損傷しやすくなります。

スポーツ障害では、股関節をやわらかくするために無理なストレッチをしたり、過剰な負荷が加わることで起こります。

治療方法としては、疼痛の原因筋をマッサージして緊張を緩め、そこから軽く伸長位に保持してストレッチしていきます。

必要に応じて股関節のアライメントを調整していき、過剰な負荷が加わらないような動きを指導します。

⑤腸腰筋の短縮

腸腰筋

腸腰筋の攣縮にって筋内圧が上昇すると、股関節の屈曲運動により股関節前方には圧縮ストレスが加わります。

また、股関節の伸展運動では伸張ストレスが生じるため、腸腰筋に攣縮や短縮があると疼痛を誘発することになります。

治療方法としては、疼痛の原因筋をマッサージして緊張を緩め、そこから軽く伸長位に保持してストレッチしていきます。

⑥脱腸

高齢者で股関節の付け根に痛みを訴える場合は、脱腸(鼠径ヘルニアまたは大腿ヘルニア)の可能性があります

脱腸は腹壁が老化して弱り、腸が飛び出すことで起こります。鼠径部に明らかな膨らみがあるので視診でわかります。

治療方法としては、ヘルニアは自然治癒しませんので、根治のためには手術療法が必要となります。

ただし、命に関わる病気ではないため、痛みがない場合は無理に手術をする必要はありません。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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