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肩関節上面の痛みの原因とリハビリ治療

肩関節上面に起こる痛みの原因とリハビリテーションによる治療方法について解説していきます。

肩関節上方の痛みの原因

①肩鎖関節炎

肩鎖関節炎

肩関節は、①胸鎖関節、②肩鎖関節、③肩甲上腕関節、④肩峰下関節、⑤肩甲胸郭関節の5つから構成される複合関節になります。

肩鎖関節とは肩甲骨の肩峰と鎖骨の肩峰端から構成される平面関節で、肩関節の中で最も可動域が小さい関節です。

そのため、頻度としてはあまり多くありませんが、稀にオーバーユース障害として肩鎖関節に限局した炎症が起こることがあります。

治療方法としては、炎症が落ち着くまでは関節への負担をなくし、安静を保つことが大切です。

痛みが強い場合は同部位にステロイドホルモン注射を行うことで、即時に痛みの沈静化を図ることができます。

②肩峰下滑液包炎

肩峰下滑液包は、烏口肩峰靭帯・烏口突起・肩峰で構成される烏口肩峰アーチと腱板の間に存在する滑液包です。

その役割は肩関節の外転時などに棘上筋腱や棘下筋腱と肩峰が擦れるのを防ぐことであり、衝撃を吸収して滑りを良くしています。

しかし、何らかの原因で上腕骨頭の下方への滑り運動が障害されると、肩峰下にインピンジメントが起こり、滑液包や腱板が損傷します。

肩峰下滑液包炎と腱板炎の鑑別は徒手検査のみでは困難ですので、原因の特定には画像検査が不可欠です。

治療方法としては、肩峰下インピンジメントを起こした原因を取り除くことが必要となります。

主な原因は上方軟部組織の拘縮であり、上腕骨頭の下方への滑りを制限している因子にアプローチしていきます。

具体的には上腕骨頭を上方に押し上げて上方関節包を広げたり、骨頭を引き離しながら内転させることで組織を伸張させます。

もうひとつの原因として肩甲骨上方回旋の制限があり、運動に作用する前鋸筋下部線維や僧帽筋上部線維の出力低下が推察されます。

または、下方回旋に作用する大・小菱形筋や僧帽筋下部線維、小胸筋などの拮抗筋が拘縮している場合もあります。

③棘上筋の損傷

肩峰下インピンジメントにて肩峰下滑液包炎が起こることは説明しましたが、それよりも頻繁に起こりうるのが棘上筋腱の損傷です。

いわゆる腱板断裂とも呼ばれますが、高齢者では約40%に腱板の損傷が存在しているため、一般的な所見であるともいえます。

症状としては、棘上筋に圧痛を認めたり、肩関節外転時に痛みや三角筋による過度な代償運動が生じることになります。

棘上筋の筋腹表層には僧帽筋上部線維が覆っているため、僧帽筋の炎症と鑑別することが必要となります。

治療方法としては、炎症が落ち着くまでは棘上筋腱への負担をなくし、安静を保つことが大切です。

痛みが強い場合は同部位にステロイドホルモン注射を行うことで、即時に痛みの沈静化を図ることができます。

炎症が落ち着いてからは腱板構成筋のトレーニングと、肩峰下インピンジメントの原因を取り除くようにアプローチしていきます。

④肩甲上神経麻痺

肩甲上神経は棘上筋と棘下筋を支配している神経で、肩甲切痕や棘下筋移行部などで圧迫を受け、しばしば麻痺を起こすことがあります。

また、肩甲切痕を通過したあとに肩甲上腕関節上部の知覚を支配する枝を分岐するため、肩上方の痛みの原因となります。

肩甲上神経由来の関連痛は頻度としてはあまり多くはないため、その他の原因が除外される場合に考慮します。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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