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胸腰椎に存在する椎間関節の構造と関節可動域の測定方法


胸腰椎の椎間関節の構造と関節可動域について解説していきます。

椎間関節の概要

第2頸椎以下はすべて上下の椎骨同士で椎間関節を構成しています。(第2頸椎は下部のみ、第5腰椎は上部のみ)

椎間関節は平面関節であるため可動域はわずかですが、いくつもの椎間関節が可動することによって大きな可動性を得ています。

椎間関節側面

関節は自由度と強度のバランスがある

関節には自由度の高い球関節や、ほとんど動きのない平面関節など、目的に合わせて多様な形が存在します。

例えば、肩関節はすべての関節の中で最も関節可動域が広く自由度の高い関節ですが、その反面に最も脱臼しやすい関節でもあります。

反対に、仙腸関節は関節でありながらも動きはわずかに0.5-2㎜であり、周辺はとても強力な靭帯でガチガチに固定されています。

そのため、よほどの外力が加わらない限りは脱臼することはありません。

このように、すべての関節は可動域と安定性をバランスよく必要な分だけ持ち合わせて構成されています。

脊柱は強度を重視した関節?

脊柱は上下の椎骨同士で形成される椎間関節にて可動域を実現していますが、椎間関節は平面関節のため可動域は非常に乏しいです。

しかし、いくつもの椎間関節の動きが複合して、脊柱全体では大きな動きを実現しています。そのため、可動域と安定性の両方を持ち合わせているのが脊柱になります。

頸椎はすべての可動域に対して大きく動かすことができ、腰椎は最も大きく発達しているのが特徴です。

腰椎が大きい理由は、上半身の荷重を支える役割があるので、それを受け止めるために頑丈に作られているからです。

しかし、腰椎は頸椎に次いで可動域が大きく、頑強さを犠牲にしてでも屈曲及び伸展の可動域を確保しようとしています。(回旋は乏しい)

身体の中心を大きく曲げられるメリットは非常に大きいのですが、その分だけ痛みに弱くなっていると考えていただくと理解しやすいと思います。

自由度をとるか、強度をとるかは悩ましいところではありますが、頑丈さを売ってでも動きを確保する利点が高いと身体が判断したのだと推察されます。

胸腰椎の関節可動域と測定方法

運動方向 参考角度 基本軸 移動軸 参考図
屈曲(前屈) 45 仙骨後面 T1-L5棘突起を結ぶ線 体幹屈曲・伸展
伸展(後屈) 30
回旋 40 両側の後上腸骨棘を結ぶ線 両側の肩峰を結ぶ線 体幹回旋
40
側屈 50 ヤコビー線のt中心垂直線 T1-L5棘突起を結ぶ線 体幹側屈
50

腰椎の屈曲はメジャーを用いて測定する方法が二つあります。

1つは第7頸椎棘突起から第1仙椎棘突起間の距離を測定する方法で、もう一つは指尖と床面の距離(指尖床間距離:FFD)を測定する方法です。

胸腰椎の動きに作用する筋肉(貢献度順)

方向 筋肉
屈曲 腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋
伸展 脊柱起立筋、腰方形筋、半棘筋、多裂筋
側屈 外腹斜筋、内腹斜筋、腰方形筋、脊柱起立筋
回旋 内腹斜筋(反対側回旋)、外腹斜筋(同側回線)、脊柱起立筋、回旋筋

脊椎間の関節可動域(単位:度)

部位 屈伸 側屈 回旋
0c.-C1 13 8 0
C1-C2 10 0 47
C2-C3 7 10 9
C3-C4 13 11 11
C4-C5 12 11 12
C5-C6 17 8 10
C6-C7 16 7 9
C7-T1 9 4 8
T1-T2 4 6 9
T2-T3 4 6 8
T3-T4 4 6 8
T4-T5 4 6 8
T5-T6 4 6 8
T6-T7 5 6 8
T7-T8 6 6 8
T8-T9 6 6 7
T9-T10 6 6 4
T10-T11 9 7 2
T11-T12 12 9 2
T12-L1 12 8 2
L1-L2 12 6 2
L2-L3 14 6 2
L3-L4 15 8 2
L4-L5 17 6 2
L5-S1 20 3 3

※数値は代表的な値を記入しています。(White et al. 1978)

脊椎の動きを制限する因子

関節の動きを制限する際に、靭帯や関節包は極めて重要な役割を持っています。脊椎の動きとそれを制限する靭帯は以下になります。

動き 制限する靭帯
屈曲 棘間靱帯、棘上靱帯(項靭帯)、椎間関節包、黄色靭帯、後縦靭帯
伸展 前縦靭帯
側屈 横突間靱帯、黄色靭帯、椎間関節包
回旋 椎間関節包

わかりやすく一枚絵にまとめてみると以下のようになります。すべてを詰め込んだので、細かい位置関係の指摘などは勘弁してくださいね。

脊椎|靭帯|関節包

前縦靭帯

椎体の前面に位置しており、上端は後頭骨底部から仙骨前面まで、全ての椎体と椎間板に付着しながら縦走しています。

上部では狭く厚い構造で、下方に進むにつれて広く薄い構造となります。とくに腰部に位置する前縦靭帯は強靱で、過度な腰椎伸展を制限します。

前縦靭帯

後縦靭帯

椎体の後面(脊柱管の前面)に位置しており、上端は大後頭孔前縁のやや上方から仙骨管の前壁にまで、全ての椎体と椎間板に付着しながら縦走しています。

前縦靱帯とともに脊柱を前後から支えており、過度な脊椎屈曲を制限します。

後縦靭帯

黄色靭帯

脊柱管の後方で隣接する椎弓を結び付けて、第2頚椎から第1仙椎まで縦走しています。弾性線維を多く含み、黄色に見えることから黄色靱帯と呼ばれます。

脊柱の屈曲時に緊張して、直立姿勢を保つように働きます。体幹伸展時にたわみが発生することで、脊柱管を狭窄する原因となります。

黄色靭帯

棘間靭帯

上下の棘突起を結び付ける薄い膜性の靭帯です。左右の固有背筋を隔てる中隔を形成し、とくに腰部で強い構造となっています。

線維は棘突間を斜めに走行しており、脊椎の過度な屈曲を制限します。

棘間靭帯

棘上靭帯

棘突起上を第7頸椎から仙骨まで縦走しています。頸椎では、基本構造は同じですが項靱帯と呼ばれます。脊椎の過度な伸展を制限します。

棘上靭帯

横突間靭帯

隣接する上下の横突起を結び付け、脊髄神経後枝の内側枝と外側枝を隔てます。頸椎では消失して横突間筋に代わり、可動範囲を拡大しています。

左右に位置しており、胸椎では細長く、腰椎では非常に厚く強靱な構造をしています。対側への側屈動作を制限します。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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