腰椎分離症のリハビリ治療

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腰椎分離症のリハビリ方法について解説していきます。

腰椎分離症の概要

腰椎分離症は、腰椎椎弓の関節突起間部の疲労骨折が原因で発生し、分離のほとんどは第5腰椎に生じます。

初期ではヒビが入ったような状態ですが、ここで適切な治療が行われなかった場合は、最終的に腰椎が完全に分離します。

分離部を放置したままにしていると偽関節(分離したまま)となってしまい、二度と元には戻りません。

痛みは腰椎の伸展動作にて椎間関節に負荷がかかることで誘発され、さらに側屈を加えることで左右のどちらに問題があるかを鑑別ができます。

訴えとしては、激痛ではなく鈍痛である場合がほとんどで、障害のある椎間関節に圧痛を認めます。

発生原因

発症年齢のほとんどは12〜17歳ですが、スポーツ選手では20代以降でも発生する場合があります。

日本人の有病率は約6%とされていますが、アスリート全体では30%以上にのぼり、激しい運動がトリガーとなっていると考えられます。

基本的にはオーバーユース障害であり、椎間関節に負担の加わる動き(伸展・側屈・回旋)を繰り返すことで受傷します。

しかし実際には、スポーツ活動をしていないにも関わらず、分離症を発症する子供も多くいます。

そのため、あくまで運動はひとつのきっかけに過ぎず、骨盤前傾位などの不良姿勢や骨の未熟が大きく影響していると考えられます。

画像検査

初期の腰椎分離症(ヒビ)はX線写真では判断できないため、疑われる場合はMRIやCTを撮影することが必要です。

CTでは、初期より淡い骨折線がみられ、進行期になると明かなギャップを認め、さらに進行すると骨硬化や分節化が生じます。

MRIでは、初期より椎弓根付近に輝度変化が認められるため、早期診断に有用とされています。

腰椎分離症は発生初期なら保存療法で治癒しますが、完全に分離してしまうと癒合することは望めなくなります。

そのため、MRIやCTで進行度合いを確認しながら、医師の指示のもとに治療方針を決定していくことが大切といえます。

患部の安静

発生初期はコルセットにて腰椎の動きを固定し、骨の修復が完了するまで患部を安静に保つことが必要となります。

前述したように、完全に分離してしまうと二度と自然修復されることはないので、そのことを患者にもよく理解していただくことが大切です。

スポーツを熱心にしている学生では、安静にすることができずに分離を進行させる可能性が高いため、保護者に説明しておくことも有用です。

分離したとしても、成長期が終わるとともに次第に痛みは消失していくため、成人後の分離症は生活に支障をきたさない場合がほとんどです。

リハビリ治療

腰椎分離症の治療として、ハムストリングスや大殿筋、脊柱起立筋、腸腰筋のストレッチングが有効といわれています。

その中で意識したいのはSBL(スーパーフィシャル・バック・ライン)という筋膜のつながりです。

分離症の患者では、内側ハムストリングスの緊張が増大していることが多く、そこから連結する仙結節靭帯も硬くなっています。

仙結節靭帯に起始する大殿筋も緊張が増大し、さらに仙骨上の筋膜もタイトになっていることがわかります。

このラインが治療で最も重要な部分であり、徒手療法にてリリースしていくことが求められます。

さらに範囲を拡げていくと、脊柱起立筋や腓腹筋内側頭も強く連結しているため、過緊張や滑走不全があるようならアプローチしていきます。

SBLと直接的な連結はありませんが、女性では腸腰筋が硬くなっているケースも多いので、チェックしておくべき筋肉のひとつです。

リハビリにて上記の筋・筋膜をリリースすることができたら、最後に在宅で可能な自主ストレッチを指導するようにしてください。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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