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腰痛の原因部位を図でわかりやすく解説


腰痛を起こす疾患について、わかりやすく図を用いて解説していきます。同じ図を使い回してるので、より理解しやすくなっています。

脊椎の構造

1.椎骨の構造(水平面)

こちらが椎骨を上から見た場合の構造になります。頸椎・胸椎・腰椎で形状などが微妙に異なりますが、下図は腰椎をイメージして書いています。

名称は最低限に覚えておくべきものだけを記載しています。

脊椎|水平面

2.椎骨の構造(側面)

下図は椎骨を横から見た場合の構造になります。緑の部分は靱帯で、水色の部分は脊柱管となっています。

椎間関節は上の椎骨の下関節突起、下の椎骨の上関節突起から構成されます。

脊椎|側面

腰痛の好発年齢(原因別)

年代別に発生しやすい腰痛の原因を理解することで、より正確に原因部位の特定ができるようにしていきます。

若年者 中年者 高年者
椎間関節障害 椎間板ヘルニア 脊椎圧迫骨折
腰椎分離症 椎間板症 脊柱管狭窄症
強直性脊椎炎 ぎっくり腰 腰椎終板炎
筋筋膜性腰痛 心因性腰痛症 筋筋膜性腰痛
仙腸関節障害 脊椎・脊髄腫瘍
筋筋膜性腰痛 内臓由来性連痛
血管由来性腰痛

腰椎椎間板ヘルニア

人口の約1%が罹患し、手術患者は人口10万人あたり年間46.3人となっています。20-40歳代で好発し、男女比は2:1で男性に多いです。

また、50代以上になると椎間板が潰れてしまって髄核も扁平化されてしまい、飛び出して神経を圧迫してしまうことがなくなるため、高齢になるほど発生リスクが下がるのも特徴です。

20-30歳 30-40歳 40-50歳 50歳以上
椎間板の経年劣化の段階 椎間板の変性,軽度 椎間板の変性,中等度 椎間板の変性,重度

上の図のように髄核が薄く乾燥した状態となり、飛び出しても神経を圧迫することがほとんどないのです。

 腰椎椎間板ヘルニアのリハビリテーション方法はコチラ

1.正中型

正中型ヘルニアは、飛び出した髄核が脊髄を圧迫することで起こります。脊髄が圧迫されるので、障害は圧迫された部位以下の全ての神経で起こります。

脊椎|椎間板ヘルニア|正中型

2.外側型

外側型ヘルニアは、、飛び出した髄核が神経根を圧迫することで起こります。神経根が圧迫されるため、局所的に神経障害が起こります。

正中型と外側型は混じり合っている場合も多いため、注意して観察することが必要です。

脊椎|椎間板ヘルニア|外側型

3.脱出型

脱出型ヘルニアは、飛び出した髄核が後縦靭帯を破って飛び出してしまった状態をいいます。脊柱管を詰まらせてしまい、馬尾障害などを起こしてしまう場合もあります。

脱出することでこれまでの圧迫から解き放たれるため、痛みが楽になるケースも多いです。

脊椎|椎間板ヘルニア|脱出型

腰部脊柱管狭窄症

加齢的変化による骨性狭窄(腰椎すべり症、脊柱側彎症)、椎間板変性、椎間関節の骨性肥厚、黄色靭帯の肥厚などの原因により、脊柱管に狭小化をきたした状態を指す。

そのため、発生のほとんどは50歳以上となる。

 腰部脊柱管狭窄症のリハビリテーション方法はコチラ

1.靱帯肥厚

腰部の靱帯が肥厚することにより、脊柱管を圧迫することで起こります。腰部を反らした際は、黄色靱帯がたわむことで狭窄してしまいます。

脊椎|脊柱管狭窄症|黄色人靱帯

2.骨性肥厚

椎孔周辺が肥厚している場合も脊柱管を狭窄する原因となります。靱帯の肥厚と混じり合って出現している場合が多いです。

脊椎|脊柱管狭窄症2

脊椎圧迫骨折

圧迫骨折という名前ではありますが、正確には椎体にヒビが入ったような状態だと考えてください。非常に脆くなっている状態ですので、治る前に動き回ると椎体が潰れてしまいます。

骨粗鬆症で骨が脆くなったり、椎間板が変性してクッション作用が乏しくなることで発生しやすくなります。そのため、発生のほとんどは70歳以上になります。

 脊椎圧迫骨折のリハビリテーション方法はコチラ

脊椎|圧迫骨折

強直性脊椎炎

脊椎に炎症が起こり、上下の椎骨が結合していくように進行していきます。そのため、レントゲンでは竹節のように見えます。

遺伝性の関与なども疑われており、発生のほとんどは40歳以下となります。

脊椎|脊椎強直炎

がんの脊椎転移

脊椎腫瘍は、癌の既往や体重減少、1ヶ月以上改善のない腰痛、55歳以上の年齢などを指標として、疑っていく必要があります。

とくに癌の既往があれば可能性が0.7%から9%へと劇的に上がることが報告されています。

脊椎|がんの脊椎転移

脊髄腫瘍

脊柱管内に発生する腫瘍のこと、脊髄腫瘍と呼びます。脊髄や馬尾を圧迫するため、感覚障害や運動障害が出現します。

脊椎|脊髄腫瘍

感染性脊椎炎

感染症に関しては、発熱や静脈投与の薬物使用の既往、最近の感染性の既往などが指標となります。脊椎炎では、安静時にも痛みを誘発します。

脊椎|感染性脊椎炎

脊椎分離症

若年期の過剰な運動で起こりやすい障害です。初期はヒビが入るのみですが、そのまま運動を続けると完全に分離して自然治癒することはなくなります。

 脊椎分離症のリハビリテーション方法はコチラ

脊椎|脊椎分離症

腰椎すべり症

腰椎が前後に滑ることで発生し、効果的な予防法などはないとされています。症状は主に脊柱管の狭窄による神経症状になります。

脊椎|腰椎すべり症

椎間板症

椎間板が変性した状態のことを指します。加齢的変化のため、高齢者ではほとんどの方が椎間板が潰れて、髄核の扁平化が認められます。

しかし、実際に痛みが出現するのは変性が進行している30-40歳代であり、完全に扁平化してしまったあとは腰痛の問題とはなりません。

 椎間板症のリハビリテーション方法はコチラ

脊椎|椎間板症

腰椎終板炎

腰椎終板炎とは、腰椎の軟骨終板に炎症を起こしている状態を指します。軟骨終板とは、椎体と椎間板が接している部分で、椎間板の一部になります。

椎間板が扁平化してクッション作用を失ったときに負担が大きくなり、炎症を起こしやすくなります。そのため、発生のほとんどは50代以降です。

脊椎|軟骨終板

椎間関節障害

椎間関節周囲に何らかの障害をきたした状態を指します。椎間関節は痛みを感じる神経が多いため、疼痛に対しては非常に敏感となっています。

体を後ろに反らせることで椎間関節を圧迫することができるため、それで痛みが出現する場合は障害を疑うことができます。

 椎間関節障害のリハビリテーション方法はコチラ

脊椎|椎間関節障害

ぎっくり腰

ぎっくり腰は、正式には急性腰痛症と呼ばれており、日常的に高い頻度で発症する腰痛症のひとつです。

主な原因として、靱帯や線維輪が衝撃を受けて破綻をきたした場合と、筋肉に痙攣(こむら返りのようなもの)が起きて、身体を動かせなくなるといった場合があります。

 急性腰痛症のリハビリテーション方法はコチラ

1.筋痙攣

ぎっくり腰の原因はまだ明確にはわかっていませんが、説のひとつとして、脊柱の筋肉に痙攣(こむら返り)が起こることで動けなくなるといわれています。

激痛のために椎間関節がロックされてしまい、しばらくの間は動くことが難しくなります。

脊椎|ぎっくり腰|筋痙攣

2.靱帯捻挫

他の説として、荷物を持ち上げた際などに椎間関節や靱帯が捻挫することにより痛みが起こるとされています。二次的に筋肉が防御収縮を起こすため、動きが制限されます。

脊椎|ぎっくり腰|後縦靭帯の損傷

特異的腰痛症と非特異的腰痛症

上記で図解してきた疾患以外にも、腰痛を引き起こす原因はいくつも存在します。また、それらは特異的腰痛症と非特異的腰痛症に大別できます。

特異的腰痛症はレッドフラグサインと呼ばれ、医師が中心となって原因部位を特定します。しかし、それ以外は理学療法士などのセラピストが詳しく診ていくことになります。

腰痛の原因をしっかりと突き止めて、最善の治療が提供できるようにしていきましょう。

非特異的腰痛症 特異的腰痛症
椎間板症 腰椎椎間板ヘルニア
椎間関節障害 腰部脊柱管狭窄症
仙腸関節炎 脊椎圧迫骨折
筋筋膜性腰痛症 神経由来(脊髄腫瘍,馬尾腫瘍)
ぎっくり腰 内臓由来(腎尿路系疾患,婦人科疾患)
心因性腰痛症 血管由来(腹部大動脈瘤,解離性大動脈瘤

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私が執筆している腰痛症の治療に関する書籍も出版されていますので、腰痛について深く理解したい場合は、是非ともご購入を検討してみてください。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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