この記事では、腰腸肋筋を治療するために必要な情報を掲載していきます。
腰腸肋筋の概要
脊柱起立筋は8つの筋肉から構成されていますが、その中で腸肋筋は最も外側に位置する筋肉になります。
深層の多裂筋は脊椎の分節的伸展運動に作用するのに対して、脊柱起立筋は脊椎をひとつのユニットとして伸展させます。
理想的な座位は、腸腰筋と胸最長筋が働いている状態であり、腰腸肋筋はあまり働いていないことだとされています。
腰椎の伸展は腸腰筋が収縮することが理想であり、座り方だけでなく、座っているときに使用している筋肉までみていくようにします。
基本データ
項目 |
内容 |
支配神経 | 脊髄神経の後枝 |
髄節 | C4-L3 |
起始 | 腸骨稜の外唇、仙骨、胸腰筋膜 |
停止 | 第6-12肋骨の後面 |
栄養血管 | 肋間動脈、腰動脈 |
動作 | 胸腰椎の伸展,側屈(同側) |
運動貢献度(順位)
貢献度 |
体幹伸展 |
1位 | 脊柱起立筋 |
2位 | 腰方形筋 |
3位 | 半棘筋 |
4位 | 多裂筋 |
腰腸肋筋の触診方法
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浅層は広背筋と下後鋸筋に覆われて走行していますが、それらの筋肉は脊椎の伸展には働かないために腰腸肋筋の収縮は容易に触知が可能です。
写真では、脊柱起立筋の最外側部(上位腰椎あたり)で腰腸肋筋の筋収縮を触知しています。
トリガーポイントと関連痛領域
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腰腸肋筋のトリガーポイントは腰部下方に出現し、痛み(関連痛)は尾側に放散して殿部痛も引き起こします。
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腰部の多裂筋と脊柱起立筋(腰腸肋筋)の間は硬くなりやすく、筋・筋膜性腰痛の原因となるので重要なリリースポイントになります。
ストレッチ方法
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仰向けで両膝の裏に手を回して抱えるようにし、腰椎を屈曲させながら筋肉が伸びるのを感じていきます。
筋力トレーニング
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うつ伏せに寝た状態から、上体を反らすようにしながら腰部の脊柱起立筋群を収縮させていきます。