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膝窩筋


膝窩筋に関するデータをここでは閲覧できます。目次は以下になります。

膝窩筋の概要

膝窩筋(popliteus)は大腿後面深層に位置する筋肉で、表層を腓腹筋に覆われています。大腿骨外側上顆から起始し、関節腔を貫いた後に筋腹となって内下方に走行し、脛骨の上部後面に付着します。

膝窩筋の筋腹には半膜様筋線維の一部が合流しています。筋腹の直上には膝窩動脈および静脈が走行しています。

起始の一部は外側半月板との結合を持っており、そのパターンは様々で、①内側部からの腱線維が結合、②浅層と深層に分かれて深層が結合、③後方関節包を介して結合する場合があります。

1.前方から見た膝窩筋
膝窩筋|正面
 2.側方から見た膝窩筋
膝窩筋|側面
 3.後方から見た膝窩筋
膝窩筋|後面
支配神経 脛骨神経
髄節 L4-S1
起始 大腿骨の外側上顆、外側半月板
停止 脛骨の上部後面
栄養血管 膝窩動脈
動作 膝関節の屈曲,下腿の内旋
筋体積 22㎤
筋線維長 3.6㎝
速筋:遅筋(%) 50.0:50.0
筋連結 大腿二頭筋短頭、半膜様筋、足底筋、ヒラメ筋、後脛骨筋

膝窩筋の作用

膝窩筋は膝関節屈曲と下腿内旋に作用し、弓状膝窩靱帯と筋膜を介して結合しています。そのため、膝窩筋に短縮や過緊張が起こると膝関節の終末伸展回旋を阻害する原因となります。

膝関節伸展位からの屈曲では下腿を内旋させてロッキングを外すように補助するため、歩行やランニングといった膝の屈伸を繰り返す動作では重要となり、ハムストリングスと連携として活躍します。

通常、膝関節の最終伸展運動では内側広筋の作用により大腿骨が約7度内旋(下腿外旋)し、膝関節がしっかりと噛み合ってロックされます。

運動貢献度(順位)

貢献度 膝関節屈曲
1位 半膜様筋
2位 半腱様筋
3位 大腿二頭筋
4位 腓腹筋

※膝窩筋は小さな筋肉であるため、膝関節屈曲への貢献度は僅かです。また、一部の論文によると膝窩筋は屈伸軸の遠位部を通過しているため、膝関節に対しては伸展作用を有していると報告されています。

膝窩筋の触診方法

下腿後面上部外側の腓骨頭内側に指腹を当てます。膝関節を軽く屈曲した状態から屈曲・内旋に抵抗をかけると、腓腹筋の深部で筋の収縮が感じられます。

足底筋筋腹のすぐ内側を走行しており、この部位は膝窩筋筋腹浅部を脛骨神経が走行しているので触診には注意が必要です。

膝窩筋の触診方法

膝窩筋の痛みとトリガーポイント

膝窩筋のトリガーポイントは筋腹にあり、関連痛は膝窩部に起こります。

膝窩部の痛みで膝窩筋が主因となっている場合は稀で、その他の付着している筋肉の不均衡が原因となっていることが多いです。

膝窩筋のトリガーポイントと関連痛領域

外側半月板のインピンジメント

膝窩筋は外側半月板との結合を有しているため、収縮することで外側半月板は後方へと引き付けられます。

この作用によって膝関節屈曲時に外側半月板は後方に逃げることができ、大腿骨顆部と脛骨顆部との間で挟み込まれるのを避けることができています。

そのため、膝関節屈曲時に膝窩部痛を訴えるケースでは、膝窩筋の収縮不全によって外側半月板が挟まれ、痛みや可動域制限が発生している可能性があります。

膝窩筋のマッサージ方法

患者に側臥位をとってもらい、膝関節をわずかに屈曲させて腓腹筋の緊張を緩めるように調整します。

術者は母指を膝窩後方に当て、腓腹筋内側頭を外側へ押しのけてから膝窩筋に触れます。組織を押圧しながら圧痛点を探してリリースします。その際は膝窩中央を走る膝窩動脈と脛骨神経への圧迫に注意する必要があります。

膝窩筋のリラクゼーションは下腿内旋運動を自動介助にて反復させることでも行うことができます。

膝の変形で膝窩筋は短縮する

変形性膝関節(膝OA)にて伸展制限が起きる理由として、ハムストリングスや膝関節後方にある関節包の伸張性低下のほかに、膝窩筋の短縮で起こります。

膝窩筋の伸張性が低下すると、下腿が内旋した状態で固定されてしまい、終末回旋運動(スクリューホームムーブメント)を阻害してしまうことにつながります。

通常、膝関節は最終伸展前の15度から僅かに大腿が内旋(下腿が外旋)するのですが、膝窩筋の短縮によって下腿の外旋が起きなくなります。膝窩筋が原因で起こる伸展制限は、7度以内ともいわれています。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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