膝蓋腱炎の分類と特徴について

vc

個人的に考えている膝蓋腱炎の分類と特徴について書いてみます。

膝蓋腱に疼痛が発生する場所は主に3箇所で、①膝蓋骨上部付着部、②膝蓋骨下部付着部、③脛骨粗面付着部です。

全体の割合は、①20%、②70%、③10%となっています。

最も多いのは②の膝蓋骨下方付着部で、一般的にはここに疼痛が起きる場合が膝蓋腱炎となります。

スポーツをしている若年者に好発し、ジャンプ動作やランニングの多い競技で生じやすいです。

次いで①の膝蓋骨上方付着部ですが、こちらは大腿四頭筋(とくに中間広筋)の緊張が増大しているケースに発生します。

慢性的に膝蓋骨上方の腱に伸張ストレスが加わることが原因となり、筋・筋膜性疼痛を起こしています。

最後に③の脛骨粗面付着部ですが、こちらはまだ骨端線が閉じていない12〜13歳の男子に好発しやすい脛骨の骨端軟骨板障害です。

オスグッド・シュラッター病と呼ばれ、場合によっては脛骨粗面の裂離骨折を起こしている場合もあります。

余談ですが、若年者で外側広筋の緊張が増大し、スポーツを積極的にされているケースでは膝蓋骨外上方に痛みを訴えることがあります。

有痛性分裂膝蓋骨と呼ばれることもありますが、外側広筋からの牽引ストレスで膝蓋骨外上方の裂離骨折を起こしていることが多いです。

この場合も膝蓋腱炎と原因は似ているので、同じような対処法をとることが推奨されます。

膝蓋腱炎のほとんどは筋・筋膜の滑走不全が存在し、そこに過度なストレスが加わることで生じます。

そのため、治療では徒手療法で筋・筋膜の滑走性を促し、安静指導を行うことで過分へのストレスを軽減させることが必須です。

筋膜の硬さを調べる簡単な方法として、膝蓋骨を下方、内下方、外下方などに動かしていき、動かしにくさ(硬さ)があるかをチェックします。

もしも硬さがある方向を見つけたら、そこで膝蓋骨を保持して、大腿部を触診しながら滑走不全がある部分を見つけてリリースしていきます。

器質的なアライメント不良を改善させることはできませんが、スポーツ動作における負担となる姿勢は意識させることで修正することができます。

例えば、膝を曲げて腰を落とすような姿勢(ディフェンス姿勢)では、骨盤を前傾させることが大切です。

骨盤が後傾して重心が後方にあると、大腿四頭筋のストレスが高まるため、膝蓋腱炎を助長することになりかねません。

このように痛みのある姿勢や動作は必ず確認しておき、痛みが落ち着いたあとも再発予防のために意識して行うことが大切です。

簡単ではありますが、ぜひ明日からの臨床の参考にしてみてください!


他の記事も読んでみる

勉強になる情報をお届けします!

The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
rehatora.net © 2016 Frontier Theme