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膝蓋骨脱臼のリハビリ治療

膝蓋骨脱臼のリハビリ治療に関する目次は以下になります。

膝蓋骨脱臼の概要

膝蓋骨脱臼のほとんどは外側に脱臼し、発生初期には痛みや腫れが生じます。

20-50%の方が脱臼を繰り返す反復性脱臼になり、主訴は膝の不安定感に移行していきます。主に10歳代の身体が柔らかい女性に多く発生します。

膝蓋骨脱臼 膝蓋骨の外側脱臼

原因と病態

膝蓋骨脱臼は、バスケットやバレーボールなどのスポーツで発生しやすく、ジャンプの着地動作で膝蓋骨に付着する大腿四頭筋が強く収縮することで起こります。

自然に整復されることもありますが、内側膝蓋大腿靭帯(MPFL)が断裂している可能性が極めて高いので、放置せずに医師の診断を仰ぐことが大切です。

膝蓋骨脱臼③

膝蓋骨脱臼の先天的要因

生まれつき身体が柔らかい女性や、膝蓋骨および大腿骨の形状異常、Q角の増大などが認められる場合は、膝蓋骨脱臼のリスクが大幅に上がります。

Q角とは、膝蓋靭帯と大腿四頭筋のなす角度です。実際には計測が困難なため、レントゲンにて膝蓋骨を中心とした大腿骨と脛骨粗面の角度で測定します。

Q角の正常値は、男性で11.8度、女性で15.8度になります。

Q角|膝蓋骨脱臼

Q角の大きさと膝蓋骨の偏位

Q角が大きい場合(X脚)は、大腿四頭筋と膝蓋靭帯の方向が異なるため、外側への力が発生することになります。

そうなると、膝の外側偏位を制限するためにMPFLに過剰なストレスがかかってしまい、損傷してしまう可能性が高くなります。

Q角と膝蓋骨の外側偏位

膝蓋骨脱臼防止用の装具

初回膝蓋骨脱臼で骨折がない場合は、一般的に保存療法にて対応します。その際に、サポーターなどで膝蓋骨が正しい位置に戻るように外固定を実施します。

再脱臼などに不安がある方や、予防的な観点から着用する場合もあります。

サポーターの購入に関しては、リハビリテーション医学に基づいて作られているMARUMITSUが性能が高いのでオススメです。症状に合ったサポーターを選ぶことができます。

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膝蓋骨動揺の膝サポーター
膝蓋骨脱臼のサポーター

手術の適応について

再脱臼を繰り返し、スポーツや日常生活に強い不安定感を感じる場合は、手術による治療を検討します。

方法として、自家膝屈筋腱などを用いて内側膝蓋大腿靭帯を再建することにより、外側に偏移した膝蓋骨を元の位置に戻していきます。下図は、手術の一例です。

内側膝蓋大腿靭帯の再建術

リハビリテーション

膝蓋骨脱臼に対するリハビリでは、保存療法と再建術後で流れは異なります。下記では、MPFL再建術後の流れについて記載していきます。

膝蓋骨脱臼の運動プログラム

筋力トレーニング

膝蓋骨の再脱臼を予防するためには、内側広筋を鍛えることが最も有用とされています。

理由として、収縮によって膝蓋骨を内側に引き付ける効果があり、ジャンプの着地動作などで内側膝蓋大腿靱帯にかかる負担を分散することが可能となります。

また、外側広筋との筋力のアンバランスも外側へのストレスを高めることにつながります。

筋肉のアンバランスと膝蓋骨脱臼

内側広筋の筋力強化

内側広筋は膝関節伸展の最終域付近(伸展-15度から0度の間)で最も活躍するため、その付近での筋力トレーニングを実施することが推奨されます。

簡単な方法として、仰向けで横になってもらい、伸ばした脚の膝下に巻いたタオルを入れます。その姿勢から、タオルを押し潰すように力を入れていきます。

四頭筋セッティング,パテラセッティング,大腿四頭筋

外側広筋のストレッチ

外側広筋に過度な緊張や短縮が起きている場合は、膝蓋骨の外側偏位を高めてしまう危険性があります。

なので、しっかりとリラクゼーションやストレッチを実施することで、緊張を和らげていき、外側広筋が優位に働いている状態を修正していく必要があります。

方法として、長坐位にて膝関節を屈曲し、足部を体幹の外側に移動させます。そのまま体幹を後方に倒していきます。伸張時、膝が浮かないように注意してください。

大腿外側筋,ストレッチ,方法

スポーツ復帰の時期

スポーツ復帰は損傷の程度にもよりますが、保存療法で2ヶ月以上、手術で3-6ヶ月ほどかかるとされています。

目安としては、炎症症状や可動域制限が消失し、筋力が健側の80%以上となった時期です。具体的には、主治医と相談しながら決定することになります。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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