足底腱膜炎(足底筋膜炎)のリハビリ治療

vc

足底腱膜炎および足底筋膜炎のリハビリ治療について、わかりやすく解説していきます。

足底腱膜の構造

足底腱膜

足底の屈筋群を覆う浅層中央部の腱膜様組織を「足底腱膜」と呼びます。

足底腱膜は足底後方の踵骨隆起と内側突起から起始し、足底前方の第1〜5趾基節骨と底側靭帯に付着します。

足底腱膜|厚さと横幅

足底腱膜は踵骨付着部で幅が1㎝、厚さが2㎜で、中足骨頭付近では厚さが1㎜となっています。

立位時に荷重の1/2は踵部へ伝達されるため、踵骨付着部の足底腱膜は前足部よりも強靭な構造をしています。

足底腱膜の役割としては、歩行時に足趾が伸展することで足底腱膜が伸張し、前足部の剛性を高めています。

これをウインドラス機構(巻き上げ機構)といい、歩行の立脚終期にしっかりと床面を蹴り出すために必要な要素となります。

歩行周期|足底腱膜の役割

足底腱膜炎の概要

走行や跳躍などで足底腱膜に強い伸張ストレスが加わり続けると、腱膜の一部が微細損傷して炎症が起こります。

その状態を足底腱膜炎といい、歩行などで損傷部に牽引ストレス(引き離される)が加わることで痛みが生じます。

足底腱膜炎は踵骨側に痛みがあり、初期段階では起床時に最も痛みが強く現れて、症状が増悪すると日中でも痛みが起こります。

起床時に痛みがある理由は、寝ているときに断裂部が少し癒合しますが、朝起きて立ち上がる際に再断裂するからと考えられています。

足底腱膜炎の発症因子としては、①足関節の背屈制限(甲高)、②早期のHR、③足関節底屈筋のタイトが挙げられます。

足関節の背屈制限がある場合は、歩行時に早期のHRが生じることで、TStでの足趾伸展が強まり、足底腱膜を伸張させることにつながります。

下腿三頭筋や後脛骨筋、長腓骨筋などの足関節底屈に作用する筋肉にタイトが存在すると、背屈制限の原因となるのでチェックが必要です。

足底筋膜炎の概要

足底腱膜の深層には短趾屈筋、内側縁には母趾外転筋、外側縁には小趾外転筋が位置しており、これらの筋肉は筋膜によって囲まれています。

それを足底筋膜と呼んでおり、足底腱膜炎と同様にストレスが加わり続けることで疼痛が発生し、その状態を足底筋膜炎と呼びます。

足底筋膜炎は土踏まずの中央部に痛みがあり、長時間の立ち仕事や歩行なおで生じやすい傾向にあります。

足底筋膜炎の発症因子としては、①扁平足(足部アーチの低下)、②足部回内、③TStの過度な足関節背屈が挙げられます。

足関節の過度な背屈がある場合は、足底筋膜を伸張させることにつながり、さらに足部回内となっている場合は足底筋膜内側部をより伸張します。

足底の痛みの鑑別

足底の痛みの原因は足底腱膜炎や足底筋膜炎の他にも、脛骨神経の損傷や踵骨下脂肪体炎などがあります。

それらと鑑別するためにも、徒手的に足底腱膜に対してストレスをかけるウインドラステストを実施します。

方法としては、長座位にて膝関節軽度屈曲位、足関節底背屈0度とし、一方の手で中足骨頭を把持し、もう一方の手で足趾を伸展させます。

中足骨頭で触れている足底腱膜の緊張が過剰なら陽性、または疼痛が生じる場合も陽性となり、足底腱膜炎を強く疑います。

ただし、この方法では足底筋膜も伸張されるため、側方より母趾外転筋や小趾外転筋を押圧して筋膜の硬さや圧痛をチェックすることが大切です。

体外衝撃波療法

足底腱膜炎の90%以上は自然治癒するとされていますが、残りの10%は難治性障害を示すことになります。

その場合は手術療法の適応となり、痛みの原因となっている足底腱膜の一部を切離する方法となります。

ただし、手術を実施しても痛みが消失しない症例が多く存在するため、外科手術にまで至る患者は全体の1%程度だといわれています。

そのような難治性症例に対して、2008年、厚生労働省は体外衝撃波疼痛治療装置「ドルニエエイポスウルトラ」を保険適用として承認しました。

体外衝撃波療法は、踵に衝撃波を与えることで組織を破壊し、修復を促す治療法になります。

これまでの患部を安静にして自然に治癒するのを待つ保存療法とは異なり、積極的に患部の治療に取り組めるのが特徴です。

ドルニエエイポスウルトラは、本来、腎臓結石の治療に用いられてきたものであり、足底筋膜炎の治療に応用されてからは間もないです。

しかし、その有効率は50〜60%と高く、これまでずっと痛みで苦しんでいた人たちでも期待ができる治療法となっています。

リハビリテーション

足底腱膜炎と足底筋膜炎は、それぞれで病態や原因が異なり、厳密に分類されて説明されていないことも多いです。

各々の原因については前述した通りであり、治療をするうえでは全く逆となるので注意が必要となります。

足底腱膜炎の場合は、足部構造が強固なので、足関節の背屈制限を改善させることが足底腱膜の伸張ストレスを改善させることにつながります。

足底筋膜炎の場合は、足部構造が柔軟なので、足関節の過度な背屈や足部回内を改善させることが足底筋膜の伸張ストレスを改善させることにつながります。

足部構造が柔軟なケースでは、インソールや靴を変更するなどして足底筋膜に負担のかかりにくいアライメントに調整していきます。

足部回内に対してはテーピングも有効で、載距突起を持ち上げて後足部を回外方向に誘導するように貼付します。

後足部回外誘導テーピング1

足底筋膜は母趾外転筋や短趾屈筋、小趾外転筋の緊張の影響を受けますが、その中でも母趾外転筋は最もチェックすべき筋肉になります。


理学療法士にFIREは可能か

vc

他の記事も読んでみる

勉強になる情報をお届けします!

The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
rehatora.net © 2016 Frontier Theme