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車の運転中(座位)に腰が痛くなる原因と治療方法について解説

腰痛を理由に病院を受診してくる患者で、車の運転中に腰が痛くてつらいと訴えられる方々は非常に多くおられます。

その原因と治療方法を、図を用いながら解説していきます。

車の運転中の姿勢と痛みの原因

車の運転中の姿勢と腰痛の関係性

まずは車のシートの特徴についてですが、座面の前方がやや上がっているため、骨盤が後傾しやすく、それに伴って腰椎が後彎します。

さらに背もたれは後方に倒れている状態となっていますので、骨盤の後傾や脊椎の屈曲が助長させる姿勢となってしまいます。

この姿勢で問題となるのは、①腰椎椎間板内圧の上昇、②仙腸関節の離開ストレス増加、②腰椎伸筋の伸張ストレス増加の3つが挙げられます。

腰椎椎間板の障害

座位前屈の椎間板内圧

座位の前屈姿勢というのは最も椎間板内圧を上昇させやすい姿勢であり、立位時の1.85倍のストレスとなります。

椎間板障害の特徴としては、左右の脊髄洞神経が支配しているため、片方に炎症が起きていても幅広く腰の真ん中に痛みを訴えます。

MRI検査にて椎間板の炎症や扁平化の有無は確認できるため、画像所見と合わせながらの診断が有効です。

治療方法としては、椎間板へのストレスを軽減するために姿勢や生活動作の指導を行い、炎症が落ち着くのを待ちます。

純粋な椎間板障害のみの痛みなら周囲組織に圧痛はありませんが、原因が筋肉や筋膜などにある場合は腹臥位で腰部に圧痛を認めます。

椎間板障害の痛みに伴って周囲筋が攣縮を起こしている可能性もあるので、その際は必要に応じてリラクゼーションを図ります。

仙腸関節の障害

仙腸関節と腰痛の関係性

仙腸関節とは骨盤を構成する仙骨と腸骨の隙間であり、靭帯で強固に結合されているために関節の動きは非常にわずかです。

仙腸関節は股関節伸展位(骨盤前傾位)で締り、股関節屈曲位(骨盤後傾位)で離開するといった特徴を持ちます。

関節包には多裂筋の浅層線維が付着しているため、炎症などを起こして多裂筋に攣縮が起きると、腰椎屈曲時に伸張ストレスが加わります。

さらに骨盤の後傾で仙腸関節は離開するので、痛みを助長しやすい状態となってしまいます。

治療方法としては、多裂筋のリラクゼーションを図るために、側臥位にて軽い筋収縮を反復させるように誘導していきます。

後外方筋膜の障害

 

腰方形筋

最後に腰椎伸筋の伸張ストレス増加ですが、車での座位で最もストレスを受けやすいのが腰部の後外側に位置する腰方形筋になります。

腰方形筋が原因の場合は、体幹側屈時に可動域の制限や違和感を訴えやすく、基本的に片側性で疼痛が発生します。

また、外方に存在する筋膜に障害が起こるために、大殿筋や中殿筋の機能不全を伴いやすく、股関節外転の筋出力に低下が起こります。

治療方法としては、硬くなっている筋膜をほぐすことが必要です。

腰部外方に痛みを起こす圧痛点

筋膜が硬くなりやすい場所というのは決まっており、上の写真にその位置と治療方法について記載しています。

圧痛点を探すときは周囲をいくつか押していきながら、最も痛みを強く訴える場所を狙ってから施術していくことが大切です。

十分に緩んだことを確認したら、最後にスタティックストレッチングをしていきます。

腰方形筋のストレッチング

ストレッチは少なくとも90秒以上(長くて5分間)は持続するようにし、しっかりとリリースしていくことが大切です。

おわりに

腰痛の8割は原因不明といわれますが、人体の構造を理解して姿勢をしっかりと評価できたら、問題を特定することは可能です。

とくに筋肉や筋膜に由来した痛みは治療効果が出やすい部分なので、是非ともしっかりと勉強してアプローチしてみてください。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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