歩行時に足が接地してから離れるまでの間というのは、足関節は柔らかい足から硬い足へと移り変わりながら転がるように動く必要があります。
しかし、扁平足のように距骨下関節が回内(後足部外反)しているケースでは、歩行時に足が転がるように動くことができません。
上の図は、歩行における足圧中心の変化を示したものですが、正常の場合は踵を接地してから外側を通過し、母趾から抜けていくことがわかります。
それに対して、距骨下関節が過剰回内しているケースでは、踵を接地してから内側を通過し、第1中足骨あたりで外側に押し戻されます。
おそらくはこの押し戻す力(受け止める場所)が母趾を外反させる原因となるので、外反母趾のインソール作製では母趾の部分だけではなく、足部全体の動きを作るように調整することが重要となるわけです。
上の図は、歩行における距骨下関節の動きを示したものですが、踵接地時は回外(後足部内反)して足部の剛性を高めています。
それが立脚中期〜後期にかけて回内していき、足部の剛性を低下させて、母趾の蹴り出し(フォアフットロッカー)を実現しています。
もしも転がることができずに硬い足(後足部内反位)のままでは、フォアフットロッカーを使用できず、さらに小趾の負担が増加することで内反小趾を起こす原因にもなります。
インソールの作製時に足圧を計測することは多いですが、歩行時の足圧中心点までチェックすることはほとんどないと思います。
そのため、中敷きを入れても思うような動きが実現できずに、痛みが変わらないことも多いように感じます。
インソールで大切なのは動きを作ることなので、扁平足などの場合は、足が上手く転がれるように調整していくことが大切といえそうです。