運動器機能向上加算の単位や算定要件等について解説していきます。
単位
報酬項目 | 単位 |
運動器機能向上加算 | 225 |
※月1回を限度に算定できる
対象の事業所(介護度)
- 通所介護(要支援)
- 通所リハビリテーション(要支援)
算定要件
①介護予防通所介護・介護予防通所リハビリテーションにおいて運動器機能向上サービスを提供する目的は、当該サービスを通じて要支援者ができる限り要介護状態にならず自立した日常生活を営むことができるよう支援することであることに留意しつつ行うこと。 |
【解説】運動器機能向上加算の目的は要支援者が要介護状態にならないことである。 |
②理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ指圧師(以下「理学療法士等」という。)を1名以上配置して行うものであること。 |
【解説】運動器機能向上加算はリハビリ職以外にも、看護師や柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師でも加算が可能である。 |
③運動器機能向上サービスについては、以下のアからキまでに掲げるとおり、実施すること。 |
ア) 利用者ごとに看護職員等の医療従事者による運動器機能向上サービスの実施に当たってのリスク評価、体力測定等を実施し、サービスの提供に際して考慮すべきリスク、利用者のニーズ及び運動器の機能の状況を、利用開始時に把握すること。 |
イ) 理学療法士等が、暫定的に、利用者ごとのニーズを実現するためのおおむね3月程度で達成可能な目標(以下「長期目標」という。)及び長期目標を達成するためのおおむね1月程度で達成可能な目標(以下「短期目標」という。)を設定すること。長期目標及び短期目標については、介護予防支援事業者において作成された当該利用者に係る介護予防サービス計画と整合が図れたものとすること。 |
ウ) 利用者に係る長期目標及び短期目標を踏まえ、理学療法士等、看護職員、介護職員、生活相談員その他の職種の者が共同して、当該利用者ごとに、実施する運動の種類、実施期間、実施頻度、1回当たりの実施時間、実施形態等を記載した運動器機能向上計画を作成すること。その際、実施期間については、運動の種類によって異なるものの、おおむね3月間程度とすること。また、作成した運動器機能向上計画については、運動器機能向上サービスの提供による効果、リスク、緊急時の対応等と併せて、当該運動器機能向上計画の対象となる利用者に分かりやすい形で説明し、その同意を得ること。なお、介護予防通所介護又は介護予防通所リハビリテーションにおいては、運動器機能向上計画に相当する内容を介護予防通所介護計画の中又は介護予防通所リハビリテーション計画の中にそれぞれ記載する場合は、その記載をもって運動器機能向上計画の作成に代えることができるものとすること。 |
エ) 運動器機能向上計画に基づき、利用者ごとに運動器機能向上サービスを提供すること。その際、提供する運動器機能向上サービスについては、国内外の文献等において介護予防の観点からの有効性が確認されている等の適切なものとすること。また、運動器機能向上計画に実施上の問題点(運動の種類の変更の必要性、実施頻度の変更の必要性等)があれば直ちに当該計画を修正すること。 |
オ) 利用者の短期目標に応じて、おおむね1月間ごとに、利用者の当該短期目標の達成度と客観的な運動器の機能の状況についてモニタリングを行うとともに、必要に応じて、運動器機能向上計画の修正を行うこと。 |
カ) 運動器機能向上計画に定める実施期間終了後に、利用者ごとに、長期目標の達成度及び運動器の機能の状況について、事後アセスメントを実施し、その結果を当該利用者に係る介護予防支援事業者に報告すること。介護予防支援事業者による当該報告も踏まえた介護予防ケアマネジメントの結果、運動器機能向上サービスの継続が必要であるとの判断がなされる場合については、前記アからカまでの流れにより、継続的に運動器機能向上サービスを提供する。 |
キ) 旧指定介護予防サービス基準第107条において準用する第19条又は指定介護予防サービス基準第123条において準用する第49条の13において規定するそれぞれのサービスの提供の記録において利用者ごとの運動器機能向上計画に従い、介護予防通所介護においては理学療法士等、経験のある介護職員その他の職種の者が、介護予防通所リハビリテーションにおいては医師又は医師の指示を受けた理学療法士等若しくは看護職員が利用者の運動器の機能を定期的に記録する場合は、当該記録とは別に運動器機能向上加算の算定のために利用者の運動器の機能を定期的に記録する必要はないものとすること。 |
選択的サービス複数実施加算の単位
選択的サービスとは、①運動器機能向上加算、②口腔機能向上加算、③栄養改善加算の3つを指しています。
報酬項目 | 単位 |
運動器機能向上加算 | 225 |
口腔機能向上加算 | 150 |
栄養改善加算 | 150 |
上記のうち、2つ以上を算定している場合には、選択的サービス複数実施加算を算定できる可能性があります。
報酬項目 | 単位 |
選択的サービス複数実施加算(Ⅰ) | 480 |
選択的サービス複数実施加算(Ⅱ) | 700 |
選択的サービス複数実施加算(Ⅰ)を算定するには、選択的サービスを2つ実施しており、いずれかのサービスを週1回以上提供し、さらにその内から選択的サービス1つ以上を1ヵ月に2回以上実施した場合に算定することができます。
選択的サービス複数実施加算(Ⅱ)を算定するには、選択的サービスを3つ全て実施しており、いずれかのサービスを週1回以上提供し、さらにその内から選択的サービス1つ以上を1ヵ月に2回以上実施した場合に算定することができます。
通所利用が週1回の場合の組み合わせ例として、以下の表を示します。
注意点として、利用者が休みなどの理由で週1回以上の実施ができなかった場合や、いずれかの選択サービスを月2回以上実施できなかった場合は算定できません。
そのため、第2週などから利用開始となった場合も、週1回以上の実施できなかったとみなされて算定不可となります。
運動機能向上加算計画書
運動機能向上加算を算定するためには、運動機能向上加算計画書(書式の指定なし)の作成が必要となります。
計画書に必要な項目としては、以下の3つがあります。
- 運動の内容:種類、実施頻度、1回あたりの実施時間
- 目標:1カ月後の短期目標、3か月後の長期目標
- 署名:計画書への同意のサイン
上記の項目を介護予防通所介護計画又は介護予防通所リハビリテーション計画の中に盛り込むことで、当該計画書としての代用が可能です。
計画書は3カ月に1度の頻度で作成する必要があるため、例えば、10月から12月までの三か月間の計画書といったように作成し、同意のサインは9月末(加算の提供前)にいただくようにします。
なお、コチラの記事から計画書のサンプルをダウンロードできるようにしていますので、ご自由に加工してお使いください。
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