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重度の変形性膝関節症はこう治す!旅に出た膝蓋下脂肪体を呼び戻す

変形してしまった骨をリハビリで治すことはできませんが、重度の変形性膝関節症の痛みを徒手療法で緩和させることは可能です。

なぜなら、骨がいくら変形しようが、軟骨がどれだけ磨り減ろうが、骨にも軟骨にも痛みを感じる神経は存在しないからです。

じゃあ具体的にどこにアプローチするかですが、痛みを最も拾っている膝蓋下脂肪体へのストレスを取り除くことが大切になります。

膝蓋下脂肪体は膝蓋骨や膝蓋腱の深層に位置しており、膝関節伸展時には膝蓋骨の下方に溜まっているのですぐにわかります。

下の写真を確認していただくとわかりやすいですが、膝のお皿の下が膨らんでいるのがわかるはずです。これが膝蓋下脂肪体です。

膝蓋下脂肪体の膨らみ

正常な膝関節では写真のように位置しており、触れると柔らかく、スムーズに動かすことができます。

しかしながら、これが重度の変形性膝関節症のヒトでは膝蓋下脂肪体が内側に偏位しており、触れると非常に硬くなっています。

膝蓋下脂肪体の内側偏位

なぜ内側に偏移するのかについてですが、これには膝関節の内反変形や伸展制限、膝蓋骨の外側偏移、下腿の過外旋が深く関与しています。

これらは変形性膝関節症の患者で頻繁にみられる状態ですが、そのどれもが膝関節外側のスペースを狭めることになります。

そして結果的に、居場所を失った脂肪体は内側に偏移していくのですが、そこで身動きがとれずにガチガチに固まってしまうわけです。

膝蓋下脂肪体がスムーズに動かなくなると摩擦ストレスや圧縮ストレスが強まり、さらに痛みが増すといった悪循環に陥ります。

そのような状態を断ち切るためにも、旅に出た膝蓋下脂肪体を呼び戻すことが膝関節痛の治療には必要です。

まずはできる限りにアライメントを整えることが重要で、そのためには前述した問題点を解決するように努めます。

内反変形や下腿の過外旋などは改善が難しいため、伸展制限や膝蓋骨の外側偏移を中心にアプローチしていきます。

具体的な方法としては、「膝蓋骨が硬くて動かないときの原因と治し方」という記事にまとめているのでご参照ください。

ある程度に膝蓋骨の柔軟性が確保できたら、最後に内側に偏移してガチガチになっている脂肪体をマッサージしてほぐすようにします。

柔らかくなったら中央(膝蓋骨や膝蓋腱の深層)に誘導するように力を加えていき、本来の場所に戻していきます。

もちろん完全に戻るわけではないのですが、この作業をすることで膝関節伸展時の内側部痛が消失する場合は多いです。

その後はさらに伸展制限が改善できるようにストレッチを指導し、自主的に脂肪体のマッサージまで行えると文句なしです。

臨床において、遠くまで旅に出ている脂肪体があるのは膝痛歴が長い患者であることが多く、半ば諦めかけているヒトも少なくありません。

しかしながら、重度の変形性膝関節症でも痛みが改善できる可能性は十分にあるので、手術の前にまずはリハビリをしっかりと行うことが大切です。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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