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長腓骨筋,短腓骨筋,第三腓骨筋


長腓骨筋、短腓骨筋、第三腓骨筋に関する充実したデータ(ストレッチ、筋力トレーニング、マッサージ方法など)をここでは閲覧できます。目次は以下になります。

腓骨筋とは

腓骨筋(fibularis)は①長腓骨筋、②短腓骨筋、③第3腓骨筋の三つから構成されています。

足関節外反に作用する主力筋で、足部アーチ(足弓)を維持する働きがあります。

外反運動は距腿関節の背屈と距骨下関節の外転の複合運動になりますが、長・短腓骨筋は足関節の底屈に作用します。

腓骨筋

①長腓骨筋の概要

長腓骨筋(peroneus longus)は下腿外側の浅層を走行しており、腱は外果の後方を通過して足底を回り込むようにして内側楔状骨と第1中足骨底に停止します。

そのため、長腓骨筋は外側縦アーチと近位横アーチを形成します。

1.前方から見た長腓骨筋
長腓骨筋|正面
 2.下方から見た長腓骨筋
長腓骨筋|下面
 3.後方から見た長腓骨筋
長腓骨筋|後面
支配神経 浅腓骨神経
髄節 L4-S1
起始 腓骨頭、腓骨の外側面の近位2/3、筋間中隔
停止 内側楔状骨、第1中足骨底
栄養血管 腓骨動脈
動作 足関節の外反,底屈
筋体積 105㎤
筋線維長 4.3㎝
速筋:遅筋(%) 37.5:62.5
筋連結 短腓骨筋、母趾内転筋、第三腓骨筋、長趾伸筋、大腿二頭筋長頭、長母趾屈筋、ヒラメ筋、足底筋
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足底のアーチについて

長腓骨筋と短腓骨筋は足底の外側縦アーチを支持する筋肉であるため、これらの筋肉に弱化や麻痺が起こることでアーチが崩れる場合があります。

1.足底のアーチ(横側)
足関節のアーチ
2.足底のアーチ(足底)
足関節のアーチ|横アーチ|内側アーチ|外側アーチ
部位 支持する筋肉
内側縦アーチ 前脛骨筋
後脛骨筋
長母趾屈筋
長趾屈筋
母趾外転筋
外側縦アーチ 長腓骨筋
短腓骨筋

長腓骨筋の触診方法

下記の写真では、外果の後方にて長腓骨筋の腱部を触診しています。足関節を外反させることで腱の隆起が視覚的にも鮮明にみてとることができます。

筋腹は下腿最外側部、腓骨頭から下腿近位3/4までに触知でき、前縁は長趾伸筋と、後縁はヒラメ筋と筋間を形成します。

触診は短腓骨筋とともに筋腹を腓骨に押し当てるように行います。

自己触診:長腓骨筋

長腓骨筋の痛みとトリガーポイント

長腓骨筋のトリガーポイント(TP)は起始部ちかくに出現する場合が多く、その関連通領域もTP周囲から下方に現れやすいです。

長腓骨筋のトリガーポイントと関連通領域

長腓骨筋はSPL(スパイラル・ライン)の筋膜経線上に位置しています。

アナトミートレイン|SPL|スパイラル・ライン

②短腓骨筋の概要

短腓骨筋(peroneus brevis)は長腓骨筋に覆われるようにして素行しており、起始は長腓骨筋よりも下方に存在しています。

腱部は長腓骨筋と同様に外果の後方を通過しており、短腓骨筋は足底まで回り込まずに第5中足骨粗面に呈します。そのため、足関節の外側縦アーチのみを構成します。

1.前方から見た短腓骨筋
短腓骨筋|正面
 2.下方から見た短腓骨筋
短腓骨筋|下面
 3.後方から見た短腓骨筋
短腓骨筋|後面
支配神経 浅腓骨神経
髄節 L4-S1
起始 腓骨の外側面の遠位1/2
停止 第5中足骨粗面
栄養血管 腓骨動脈、後脛骨動脈
動作 足関節の外反,底屈
筋体積 70㎤
筋線維長 3.6㎝
速筋:遅筋(%) 37.5:62.5
筋連結 長腓骨筋、第三腓骨筋、長母趾屈筋、長趾屈筋

短腓骨筋の触診方法

下記の写真では、足関節を底屈・外反させて短腓骨筋を収縮させ、起始付近(腓骨の外側面下2/3あたり)で、長腓骨筋後方にて収縮を触知しています。

短腓骨筋のほうが筋腹は下方に存在しているため、下方にて長腓骨筋の腱の動きと短腓骨筋の筋収縮の動きの違いを触知することも可能です。

自己触診:短腓骨筋

短腓骨筋の痛みとトリガーポイント

短腓骨筋のトリガーポイント(TP)は筋腹に出現する場合が多く、その関連通は停止部(外果から第5中足骨)あたりに現れやすいです。

短腓骨筋のトリガーポイントと関連通領域

腓骨筋はLL(ラテラル・ライン)の筋膜経線に属しております。

アナトミートレイン|LL|ラテラル・ライン

③第三腓骨筋

第三腓骨筋(peroneus tertius)は長趾伸筋の一部が枝分かれしたもので、長趾伸筋の外側を走行します。

長・短腓骨筋が外果の後方を通過するのに対して、第三腓骨筋は外果の前方を通過し、第5中足骨の背面に付着します。

そのため、長・短腓骨筋が足関節の底屈に作用するのに対し、第三腓骨筋は背屈と外反に作用します。

第三腓骨筋は、生まれながらに欠損している場合も多い筋肉であり、日本人では約5%には存在しないとされています。

第三腓骨筋|側面
支配神経 深腓骨神経
髄節 L4-S1
起始 腓骨の下部前面
停止 第5中足骨底の背面
栄養血管 前脛骨動脈
動作 足関節の外反(補助),背屈
筋体積 33㎤
筋線維長 8.0㎝
速筋:遅筋(%) 65.0:35.0

第三腓骨筋の触診方法

足関節の外反に加えて第5趾の伸展を実施すると、腱の膨隆が第5趾の伸筋腱の外側で確認することができます。

触診する際は、第三腓骨筋が外果の前方を通過することを意識して触れます。本筋は個体差が大きく、しっかりとした腱として触知できない場合もあります。

第5趾の伸筋腱と強く癒合しているため、境界は不明瞭で明確な鑑別は困難です。

短腓骨筋の痛みとトリガーポイント

短腓骨筋のトリガーポイント(TP)は筋腹に出現する場合が多く、その関連通は停止部(外果から第5中足骨)あたりに現れやすいです。

第三腓骨筋のトリガーポイントと関連通領域

腓骨筋の運動貢献度(順位)

貢献度 足関節外反 足関節底屈
1位 長腓骨筋 ヒラメ筋
2位 短腓骨筋 腓腹筋
3位 第三腓骨筋 長腓骨筋

下腿の断面図

下腿中央を断面でみた場合、長腓骨筋は腓骨の外側に貼り付くように位置していることがよくわかります。

触診する場合は、まず外側でヒラメ筋に触れて、その前側にある長腓骨筋との境目を探りながら診ていくとわかりやすいです。

短腓骨筋や第三腓骨筋は下腿中央より下部に位置しているため、断面図には描かれていません。

下腿中央の断面図|長腓骨筋

ストレッチ方法

①座位にて足関節を内反させながら、外果を床面につけるようにしながら伸張させていきます。
腓骨筋,ストレッチ,方法

筋力トレーニング

①立位の姿勢をとり、前方に重心をかけるようにして踵を上げていきます。この時に、親指により体重をのせることで外反作用が働き、より腓骨筋に負荷を与えられます
腓骨筋,筋力トレーニング,方法,カーフレイズ
②上記の方法を片脚にて行うことで、より強い負荷をかけることができます。写真では壁に手をついていますが、なにも把持しないことで負荷を上げることも可能です。
長腓骨筋,筋力トレーニング,方法,片脚立位

腓骨筋の歩行時の筋活動

腓骨筋は立脚中期(MSt)から立脚終期(TSt)まで活動し、この期間は下腿三頭筋といった底屈筋と同様の働きをみせます。

また、脚を振り上げる際までに足関節をコントロールするといった役割を担います。

ヒトでは立位でのバランスをとる際に足関節構を利用しますが、そのために足部周囲の脛骨筋や腓骨筋が働いて身体を微調整しています。

そのため、常に微妙な収縮が入ることから、これらの筋肉は赤筋線維の割合が非常に豊富となっています。

腓骨筋の歩行時の筋活動

マッサージ方法

長腓骨筋をマッサージする場合は、術者は腓骨頭外側に母指を当て、しっかりと組織を圧迫しながら筋の走行に沿って外果後方を目指して滑らせていきます。

実施中に硬結部を発見したら、その都度に持続圧迫を加えてリリースしていきます。

短腓骨筋は長腓骨筋の深層に位置しているため、腓骨の中間部にてやや深めに押圧し、同様に外果後方を目指して滑らせます。

実施中に硬結部を発見したら、その都度に持続圧迫を加えてリリースしていきます。

お勧めの一冊

筋肉の走行を見ながら触診やマッサージ方法を学ぶことができるベストセラー書です。付属のDVDで実際の流れを見て覚えることができるのでお勧めです。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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