障害と外傷は違うという話

マイナビコメディカル

中学生で怪我を繰り返している患者を担当したときの話ですが、カルテに脛骨粗面骨折と踵骨骨折の既往歴が書かれていました。

この時点で足関節の背屈制限があるのだろうなと予測していましたが、実際に評価してみるとやはり立位で足部は内反位でした。

なぜこのような予測が立てられるかですが、障害というのは身体(組織)への負担が積み重なって起こるからです。

今回のケースでも、部活で毎日行われているランニングで徐々に痛みが起きており、特別な受傷機転はありませんでした。

以前にコンディショニング・ラボ所長の園部先生が、「外傷と障害は区別して考えたほうがいい」と言われていました。

簡単に違いを書くなら、受傷機転が明確な損傷を外傷といい、受傷機転が不明確な積み重ねのストレスによる損傷を障害といいます。

医者が行う治療(手術を含めて)は外傷には大きな効力を発揮しますが、障害に対しては効果が乏しいことがほとんどです。

なぜなら、障害を起こした原因(不良姿勢や身体の使い方)にアプローチしていないため、治療しても根本的な解決にはつながらないからです。

だからこそ障害の治療にはリハビリ職が必要であり、損傷した組織に負担のかかる動き(姿勢)を変えていかなければなりません。

話を戻しますが、脛骨粗面や踵骨に負担のかかる姿勢を考えてみると、骨盤の後方変位があることが推察されます。

上の図で考えてみた場合に、骨盤が後方にあると荷重は踵に乗ることになり、後方に倒れないように大腿前面の筋肉が収縮します。

大腿前面に位置する筋肉は大腿四頭筋であり、大腿四頭筋は脛骨粗面に付着することから、脛骨粗面への負担が増加することが予測されます。

ここまでのことを理解すると、大腿四頭筋のマッサージやストレッチングをいくらしたところで、問題の根本的な解決にはならないことがわかるはずです。

障害を治すためには、患部だけにとらわれることなく、再発させないカラダ作りを目指していくようにしてください。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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