頸椎の椎間板症と椎間関節障害のリスク

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当ブログで「可動性関節」と「安定性関節」についてはよく触れていますが、ここの理解は臨床的にも非常に大切です。

例えば、椎間板症は下部頸椎や腰椎に起こりやすいですが、それらは安定性関節に属しています。

安定性関節が過剰に動きすぎると変性を招くことに繋がるため、脊椎の動きをみるときは下部頸椎や腰椎に着目することが重要となります。

先日に担当した20代の患者では、仕事中は立位で下を向いてする作業が多いとのことで、MRIではC5/6間とC6/7間に椎間板変性が認められました。

座位では腰椎屈曲が強く、いわゆる円背姿勢となり、そのために上部胸椎屈曲が出にくい状態にありました。

それが結果的に下部頸椎屈曲が出やすくなる原因となり、仕事中の姿勢も影響して、下部頸椎に椎間板症が生じたと推察されます。

椎間板が潰れると後方の椎間関節への負担が増加するため、椎間関節障害を引き起こしやすくなります。

若年者ではスポーツなどで急激に首を動かすことも多く、椎間関節に強いストレスが加わることで炎症が生じます。

臨床をしているとそのような病態の患者に遭遇しやすく、その多くは痛み止め(消炎鎮痛剤)が著効し、時間とともに軽快しやすいです。

ただし、痛みが改善しても従来のように負担が加わり続けてしまうと変性は進行していき、再発しやすい状態にあるといえます。

そのようなケースには、障害レベルの頸椎が屈曲しすぎないように意識させ、隣接関節をより動かすように調整していきます。

スポーツをする場合は、急激に首を動かすことは避けてもらい、再発しないように心がけてもらうことが大切です。

前述した患者では、数年前にも同じところが痛くなったことがあり、当時は二週間ほどしたら自然と良くなったとのことでした。

おそらくはそれが最初の危険を知らせるサインだったと考えられますが、そのサインに耳を傾けることなく、見逃してしまったことが再発に繋がったと考えられます。

痛みがなくなるとリハビリに来なくなったり、セルフエクササイズもやめてしまうことが多いですが、そこの重要性を上手く伝えることは必要です。

そのためにも、MRI画像やアプリなどを用いて病態をわかりやすく説明し、患者教育に取り組むようにしてみてください。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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