まず最初に言っておきたいのは、リハビリの統計学は難しく考えないことが大切です。(私もそれほど詳しくないですし)
下記に掲載している資料は、私が以前に携わらせていただいた転倒予防教室の効果判定表になります。
実際のデータや関数をみながら、是非ともチェックしてみてください。
転倒予防教室の効果判定表
1.転倒予防教室の効果判定 (ダウンロードはココをクリック)
有意水準の判定について
対象人数が少ないために信頼度は高くないですが、「5m通常歩行」において、前測定日(7/7)と後測定日(12/15)で有意な改善を認めています。
味方としては、表の赤色セルで「有意に改善」と書かれているセルの上に「0.045」という値があるので選択してください。
そこには「TTEST」という関数が使われており、これはいわゆる「T検定」をするための関数になります。
この値が「0.05未満」の場合は、同じである確率が「5%未満」となり、95%超過の確率で異なる(差がある)となるわけです。
要約すると、前測定日と後測定日は同じではない、有意に改善しているということになります。
有意水準の値を自由に考える
一般的に有意水準は「5%」で考えることが多いですが、ここは必ずしも全てそれで考える必要はありません。
医薬品などの副作用が伴うものに関しては、効果判定も厳密にされるため、有意水準が「0.01」や「0.001」にて判定されています。
この有意水準の値が低くなるほど判定の信頼度は増していくわけです。
反対にもう少し条件を緩くして有意水準を「10%」で見てみると、TUGの前測定日と後測定日で差がみられます。
先ほどの「5m通常歩行」に比べると「有意な違い」とまでは言い切れないですが、「改善傾向にある」ともいえます。
もっとデータを増やしていくと差が出てくる可能性が高いので、ここからさらに調べていくのも有用と考えられるわけです。
おわりに
有意水準には基準値のようなものは存在しますが、こちらのさじ加減で値は変えられますし、それによって色々な見方ができるようになります。
これぐらいの統計だったら誰でも簡単にできますので、患者データをこまめにとり、表に当てはめながら分析してみるとより理解が深まるはずです。
簡単ではありますが、いろいろと役立つことが多いことなので、是非ともトライしてみてください。