スウェイバックはアキレス腱を伸ばしてはいけない

日本人の男性にみられやすい不良姿勢のスウェイバックですが、かく言う私も生粋のスウェイバック・ボーイです。

長時間の立位をとっていると徐々に下部体幹が前方に変位していき、腰痛(下位腰椎の椎間関節障害)が出てきてしまいます。

下部体幹が前方にいくと足関節は背屈位となるため、下腿三頭筋は延長し、重心を後方に戻そうとしてハムストリングスは緊張します。

つま先に体重が乗りやすくなってしまうため、扁平足や外反母趾を起こしやすくなっている状態ともいえます。

先日にヒマラヤで足型測定をしたときには、同年代の男性と比較して軽度の外反母趾(右が強い)と足高の低下があるという結果でした。

椅子に腰掛けた姿勢で足を組んだ場合に、組みやすい方(よく上側に持ってくる方)が軸足であるということを以前に聞いたことがあります。

そのことを考えると、右足に体重を乗せやすくなっており、かつ足関節背屈位をとりやすいことが外反母趾の原因だと理解できました。

このようなスウェイバックの人がアキレス腱のストレッチングを積極的に行ってしまうと、おそらくは不良姿勢を助長させることに繋がります。

身体を支えているハムストリングスに関しては、疲労しすぎると痛みを誘発するため、適度に伸ばして硬さを残さないようにします。

臨床的には、内側ハムストリングスや腓腹筋内側頭に硬結が起きやすいので、徒手的にリリースしていくことも有用です。

大腿直筋や外腹斜筋は延長・弱化しているので、背臥位での下肢伸展挙上やサイドプランクなどで強化していくことが推奨されます。

下部体幹が前方に変位していることで大殿筋は弱化しているため、腹臥位での股関節伸展のトレーニングも行っていきます。

仕事で長く立つ必要があるようなら、踵に荷重するように意識したり、定期的に腰を曲げるようにしてスウェイバックを防いでください。

ちなみにここまで書いた方法は、実際に私自身がやっている運動メニューであり、腰痛を起こさないように今後も継続して頑張ります!


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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