私が働いているクリニックに高電圧(ハイボルテージ)の電気治療器が導入されたので、その使用感についてレビューします。
この記事の目次はコチラ
ハイボルテージ電流療法とは
通常、身体に電気を流そうとしたら身体の電気抵抗(主に皮膚抵抗)によって痛みが生じ、強い電流を深部にまで流すことはできません。
そのため、一般的な電気刺激療法は周波数を上げることで皮膚抵抗を抑え、深部にまで到達できるように調整されています。
周波数を上げても直接的に電流量が増えるわけではないので、鎮痛効果を発揮するまでには一定の時間を要することになります。
それに対して、ハイボルテージ電流療法は電圧を高くするので、直接的に時間あたりの電流量を増やすことにつながるわけです。
ただし、前述したように単純に電圧だけを高くすると痛みが強くなり、普通では耐えることができません。
そこで考えられた方法が電気を流す時間を短くすることであり、人が感じられないほどの一瞬に高電圧の電流を流すように調整されました。
そうすることで普通では耐えられないような電流を身体に流すことができ、深部にも到達させることができるようになっています。
使用してみた感想
実際に使ってみた感想としては、痛みの場所がピンポイントならほとんどの人で治療後に痛みが大幅に減少することがわかりました。
効果の持続時間はおそらく数時間ほどですが、一時的にでも痛みを軽くできるというのは臨床で非常に重宝します。
また、従来の低周波治療器(干渉電流刺激) は痛みのポイントを狙うことが難しいのに対して、ハイボルテージは非常に狙いやすかったです。
使用するときは「耐えられる限界の強さ」まで上げることが原則であり、多くの電流量を流すことがポイントになります。
ハイボルテージ治療器の値段
軽く調べてみた結果としては、50〜100万円ほどが相場だと思います。
上の写真は酒井医療から発売されている持ち運びタイプのものですが、こちらで約50万円となっています。
電極板やアースなどは消耗品なのでランニングコストが少しかかりますが、個人的には1台あると便利だなと感じました。
体外衝撃波などと比較して使い勝手がいいので、これからも臨床で少しずつ試していってみようかと思います。