リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅳ)の算定要件【通所リハビリ】

※平成30年度の介護報酬改定にて、リハビリテーションマネジメント加算が従来の(Ⅰ)と(Ⅱ)から、(Ⅰ)〜(Ⅳ)の4つに細分化されました。

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)〜(Ⅳ)の単位や算定要件等について解説していきます。

なお、要支援者に算定できるリハビリテーションマネジメント加算は単位などが異なるので、以下の記事を参考にされてください。

単位

報酬項目 単位
リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)

330

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ) 開始日から6月以内

850

開始日から6月以超

530

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅲ) 開始日から6月以内

1120

開始日から6月以超

800

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅳ) 開始日から6月以内

1220

開始日から6月以超

900

※リハマネ加算(Ⅳ)に関しては、3月に1回を限度として算定できる。

対象の事業所(介護度)

  • 通所リハビリテーション(要介護)

リハマネ加算の留意事項

①リハビリテーションマネジメントは、利用者ごとにケアマネジメントの一環 として行われること。
②各施設・事業所における管理者は、リハビリテーションマネジメントに関す る手順をあらかじめ定めること。
③リハビリテーションマネジメントは、SPDCAサイクルの構築を通じて、リハ ビリテーションの質の管理を行うものであること。各事業所における多職種協 働の体制等が異なることを鑑み、リハビリテーションマネジメントの加算の種 類を選択すること。
④指定通所リハビリテーションにおけるリハビリテーションマネジメント加算 (Ⅱ)、(Ⅲ)又は(Ⅳ)の算定において、当該計画に係る利用者の同意を得た日の属する月から起算して6月間を超えた場合であって、指定通所リハビリテーションのサービスを終了後に、病院等への入院又は他の居宅サービス等の利用を経て、同一の指定通所リハビリテーション事業所を再度利用した場合は、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)(1)、(Ⅲ)(1)又は(Ⅳ)(1)を再算定することはできず、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)(2)、(Ⅲ)(2) 又は(Ⅳ)(2)を算定すること。ただし、疾病が再発するなどにより入院が必要になった状態又は医師が集中的な医学的管理を含めた支援が必要と判断した等の状態の変化に伴う、やむを 得ない理由がある場合であって、利用者又は家族が合意した場合には、この限 りでない。

リハマネ加算(Ⅰ)の算定要件

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)は、心身機能、活動及び参加につい て、バランス良くアプローチするリハビリテーションが提供できているかを継続的に管理し、質の高いリハビリテーションを提供するための取組を評価したものである。

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)の算定に当たっては、前述のリハマネ加算の留意事項に加えて、以下の点に留意すること。

①リハビリテーション計画の進捗状況の評価と見直し
初回はサービス提供開始からおおむね2週間以内、その後はおおむね3月ご とにアセスメントとそれに基づくリハビリテーション計画の見直しを行うこと。
②介護支援専門員を通じたリハビリテーションの観点からの助言等
理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士は、介護支援専門員を通じて、指定訪問介護その他の指定居宅サービスに該当する事業に係る従事者に対し以下の情報を伝達する等、連携を図ること。

  • 利用者及びその家族の活動や参加に向けた希望
  • 利用者の日常生活能力を維持又は向上させる介護の方法及びその留意点
  • その他、リハビリテーションの観点から情報共有をすることが必要な内容
③リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)の届出
リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)の取得に当たっては、リハビリテーション計画を利用者やその家族に説明し、利用者の同意を得た日の属する月から算定が可能となる。したがって、当該月の前月の15日までに届出が必要であるため、同意の見込みをもって届け出ることは差し支えないが、万一その後に同意を得られず、 算定月の変更が見込まれる当該計画の見直しが必要となった場合には、すみやかに加算等が算定されなくなった場合の届出を行う必要がある。

リハマネ加算(Ⅱ)の算定要件

リハビリテーション会議の開催を通じた多職種の協働による継続的なリハビリテーションの質の管理に加え、退院(所)後間もない者や新たに要介護認定等を受けた者の生活の不安に対して、健康状態、生活の見通し及びリハビリテーション計画の内容等を当該計画の作成に関与した理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が、利用者又は家族に説明することを評価したものである。

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)の算定に当たっては、前述のリハマネ加算の留意事項に加えて、以下の点に留意すること。

①リハビリテーション会議の開催
イ リハビリテーション会議の構成員
利用者及びその家族を基本とし、医師、理学療法士、作業療法士、言語聴 覚士その他の職種の者であること。
ロ リハビリテーション会議の構成員である医師の参加
リハビリテーション会議の構成員である医師の参加については、テレビ電話等情報通信機器を活用しても差し支えない。なお、テレビ電話等情報通信機器を使用する場合には、当該会議の議事に支障のないように留意すること。
ハ リハビリテーション会議での協議内容
リハビリテーション会議では、アセスメント結果などの情報の共有、多職 種協働に向けた支援方針、リハビリテーションの内容、構成員間の連携等に ついて協議するよう努めること。 利用者の必要に応じて、短期集中個別リハビリテーション、認知症短期集 中リハビリテーション、生活行為向上リハビリテーションを実施することに ついても検討すること。
ニ リハビリテーション会議の記録
リハビリテーション会議で検討した内容については、別紙様式3「リハビリテーション会議録」を活用し記録に残すこと。作成した会議録は介護支援専門員をはじめ、居宅サービス計画に位置付けられた居宅サービスの担当者と共有を図ること。 当該記録は利用者毎に2年間保存するものであること。
ホ その他
リハビリテーション会議に、家庭内暴力等により利用者やその家族の参加が望ましくない場合又は家族が遠方に住んでいる等によりやむを得ず参加ができない場合は、その理由を会議録に記載すること。また、リハビリテーション会議の開催の日程調整を行ったが、構成員の事由等により、構成員が参加できなかった場合にはその理由を会議録に記録するとともに、欠席者にはリハビリテーション計画書及び会議録の写しを提供する等、情報の共有を図ること。
② リハビリテーション計画の利用者又はその家族への説明
イ 計画作成に関与した医師の指示の下、計画作成に関与した理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士は、リハビリテーション計画について、リハビリテーション会議等で利用者又はその家族に説明し、同意を得ること。 具体的には、アセスメントに基づいた利用者の状態、解決すべき課題とその要因、リハビリテーションの目標、実施期間、リハビリテーションの具体的な内容、リハビリテーションの提供頻度、提供時間、リハビリテーション提供中の具体的な対応等を説明すること。
ロ 利用者又はその家族の同意が得られた場合、リハビリテーション計画書にサインを記入してもらうこと。また、説明者のサインを記入すること。
ハ 説明した内容や説明時に生じた疑義等について、説明した理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士は速やかに事業所の医師へ報告し、必要に応じて適切に対応すること。
③ リハビリテーション会議の開催頻度
リハビリテーション計画は、指定訪問リハビリテーションにおいてはおおむね3月に1回、指定通所リハビリテーションにおいては、利用者の同意を得てから6月以内はおおむね1月に1回、6月超後はおおむね3月に1回、リハビリテーション会議の開催を通して、進捗状況を確認し、見直しを行うこと。ただし、指定通所リハビリテーションを実施する指定通所リハビリテーション事業所若しくは指定介護予防通所リハビリテーションを実施する指定介護予防通所リハビリテーション事業所並びに当該事業所の指定を受けている保険医療機関において、 算定開始の月の前月から起算して前 24 月以内に介護保険または医療保険のリハビリテーションに係る報酬の請求が併せて6月以上ある利用者については、算定当初から3月に1回の頻度でよいこととする。
④ 介護支援専門員に対するリハビリテーションの観点からの情報提供
リハビリテーションに関する専門的な見地から、利用者の有する能力、自立のために必要な支援方法及び日常生活上の留意点に関する情報提供を行う場合には、以下の内容を盛り込むことが望ましい。

  • 利用者や家族の活動や参加に関する希望及び将来利用を希望する社会参加に資する取組
  • 利用者の基本的動作能力、応用的動作能力及び社会適応能力等の日常生活 能力並びにその能力の改善の可能性
  • 利用者の日常生活能力を維持又は向上させる介護の方法及び留意点
  • 家屋等の環境調整の可能性及び家具や調理器具等の生活用具の工夫
  • その他リハビリテーションの観点から情報共有をすることが必要な内容
⑤ 指定訪問介護等の居宅サービスの従事者又は家族に対する助言
事業所の理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士は、リハビリテーション会議により協議した内容等を考慮し、助言する対象者を適切に判断し、助言すること。
イ 指定訪問介護等の居宅サービスの従事者助言
居宅サービス計画に位置付けられた指定訪問介護等の居宅サービスの従事者と利用者の居宅を訪問し、当該従事者に対し、利用者の基本的動作能力、 応用的動作能力及び社会適応能力、それらの能力の改善の可能性、生活環境に応じた日常生活上の留意点並びに介護の工夫等の情報について助言指導を行うこと。
ロ 家族への助言
利用者の居宅を訪問し、その家族に対して、利用者の基本的動作能力、応用的動作能力及び社会適応能力、その能力の改善の可能性、生活環境に応じた日常生活上の留意点並びに介護の工夫等の情報について助言指導を行うこと。
⑥ リハビリテーションマネジメントにおけるプロセス管理
リハビリテーションマネジメントの徹底を図るため、別紙様式4「リハビリテーションマネジメントにおけるプロセス管理票」を活用して、SPDCA サイクルの工程管理を行うこと。
⑦ その他
指定通所リハビリテーションにおけるリハビリテーションマネジメント加算 (Ⅱ)においては、利用者の状態の悪化等の理由から指定通所リハビリテーションのサービスの利用がない月においても、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が利用者の居宅を訪問し、利用者やその家族、介護支援専門員にリハビリテーション及び廃用症候群を予防する専門的な見地から、介護の工夫に関する指導及び日常生活上の留意点等について助言を行った場合は算定できるものであること。その場合、助言を行った内容の要点を診療記録に記載すること。

リハマネ加算(Ⅲ)の算定要件

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅲ)におけるリハビリテーションは、リ ハビリテーション会議の開催を通じて、多職種の協働による継続的なリハビリテーションの質の管理に加え、退院(所)後間もない者や新たに要介護認定等を受けた者の生活の不安に対して、健康状態、生活の見通し及びリハビリテーション計画の内容等を事業所の医師が、利用者又は家族に説明することを評価したものである。

リハマネ加算(Ⅲ)の算定要件はリハマネ加算(Ⅱ)とほぼ同様であり、唯一の違いは「②」で、リハビリテーション計画書の説明を医師が行うことです。

② リハビリテーション計画の利用者又はその家族への説明
リハビリテーション計画の作成に関与した医師が、利用者又はその家族に対して、リハビリテーション計画の内容について、リハビリテーション会議等で説明し、同意を得ること。 なお、医師がやむを得ない理由等によりリハビリテーション会議を欠席した場合は、リハビリテーション会議以外の機会を通して、利用者又はその家族に対して、当該計画を説明し、同意を得ること。

リハマネ加算(Ⅳ)の算定要件

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅳ)は、リハビリテーションの質の更な る向上のために、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅲ)と同様の要件により 質の管理されたリハビリテーションの提供状況について、「通所・訪問リハビリテーションの質の評価データ収集等事業(Monitoring and evaluation of the rehabilitation services in long-term care ) 」 ( 以下 、「 VISIT 」とい う。)を利用してリハビリテーションに関するデータを提出し、フィードバックを受けていることを評価したものである。

リハビリテーションマネジメント加算(Ⅳ)を算定する際には、リハビリテーシ ョンマネジメント加算(Ⅲ)の要件に加えて、以下の点に留意すること。

イ VISIT への参加登録
登録専用電子アドレス「reha-visit@mhlw.go.jp」に必要事項(事業所番号、事業所名、事業所の住所、事業所の電話番号、代表者氏名)を記載の上、 メールを送信すること。
ロ VISIT へのデータ登録に用いる様式
下記に示す様式(別紙様式①〜⑤)でデータを提出すること。ただし、時期によっては平成 30 年度介護報酬改定前の様式となっている可能性があるので、適宜読み替えられたい。
① 別紙様式1(興味・関心チェックシート)
利用者が日常生活上実際にしていること、実際にしてはいないがしてみたいと思っていること、してみたいまでは思わないものの興味があると思っていることに関して、利用者の記入又は聞き取った内容について、該当項目を入力すること。
② 別紙様式2-1、別紙様式2-2(リハビリテーション計画書)
リハビリテーション計画の内容について、原則、該当項目をすべて入力すること。 ただし、訪問リハビリテーション計画において、当該様式にある「サービ ス提供中の具体的対応」については必須ではない。また、「社会参加支援評 価」については、社会参加支援加算を算定している利用者について必要に応じて入力すること。
③ 別紙様式3(リハビリテーション会議録)
原則、該当項目をすべて入力すること。
④ 別紙様式4(リハビリテーションマネジメントにおけるプロセス管理票)
進捗状況に応じて、該当項目をすべて入力すること。
⑤ 別紙様式5(生活行為向上リハビリテーション実施計画)
生活行為向上リハビリテーションを実施している場合には、原則、該当項目をすべて入力すること。
ハ 介護給付費請求書の記載上の留意点
給付費明細欄の「摘要欄」に、VISIT に利用者の情報を登録した際に利用者個人に付与される「利用者 ID」を記載すること。

リハマネ加算(Ⅰ)の算定に必要な書類

リハマネ加算(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅳ)の算定に必要な書類

Q&A(厚生労働省通達)

Q.リハマネ(Ⅰ)と(Ⅱ)は同時算定できるか。
A.同時算定はできない。
Q.以前より通われてきている方を4月よりリハマネ加算(Ⅱ)で算定する場合は、リハマネ加算(Ⅱ)(1)で算定するのか、それともリハマネ加算(Ⅱ)(2)で算定するのか。
A.リハマネ加算(Ⅱ)(1)で算定となる(老健局の見解)
Q.通所リハビリテーション計画書等は4月に全て作り直す必要があるか。
A.これまでの計画書の有効期限(3カ月)が切れた方から随時様式を変更することで差し支えない。
Q.介護支援専門員が開催する「サービス担当者会議」をリハビリテーション会議としていいか。
A.構わない。
Q.リハマネ加算(Ⅱ)の医師から説明で、家族への説明は電話等でもよいか。
A.構わない。ただし、利用者に対する同意については、書面等で直接行うこと。
Q.一事業所が利用者によってリハマネ加算(Ⅰ)又は(Ⅱ)を取得できるか。
A.利用者ごとに(Ⅰ)か(Ⅱ)を決めることができる。
Q.リハマネ加算(Ⅱ)の利用者宅への訪問指導の頻度はどの程度か。
A.適時適切に行う。
Q.地域ケア会議とリハビリテーション会議が同時期に開催される場合であって、地域 ケア会議の検討内容の1つが、通所リハビリテーションの利用者に関する今後のリハビ リテーションの提供内容についての事項で、当該会議の出席者が当該利用者のリハビリ テーション会議の構成員と同様であり、リハビリテーションに関する専門的な見地から 利用者の状況等に関する情報を構成員と共有した場合、リハビリテーション会議を開催 したものと考えてよいのか。
A.貴見のとおりである。
Q.サービス提供を実施する事業者が異なる訪問リハビリテーションと通所リハビリテ ーションの利用者がおり、それぞれの事業所がリハビリテーションマネジメント加算 (Ⅱ)を取得している場合、リハビリテーション会議を通じてリハビリテーション計画 を作成する必要があるが、当該リハビリテーション会議を合同で開催することは可能か。
A.居宅サービス計画に事業者の異なる訪問リハビリテーションと通所リハビリテーショ ンの利用が位置づけられている場合であって、それぞれの事業者が主体となって、リハビ リテーションに関する専門的な見地から利用者の状況等に関する情報を構成員と共有し、 リハビリテーション計画を作成等するのであれば、リハビリテーション会議を合同で会議 を実施しても差し支えない。
Q.「リハビリテーションマネジメント加算等に関する基本的な考え方並びにリハビリ テーション計画書等の事務処理手順及び様式例の提示について」に示されたリハビリテ ーション計画書の様式について、所定の様式を活用しないとリハビリテーションマネジ メント加算や社会参加支援加算等を算定することができないのか。
A.様式は標準例をお示ししたものであり、同様の項目が記載されたものであれば、各事業 所で活用されているもので差し支えない。
Q.リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)の算定要件に、「理学療法士、作業療法 士又は言語聴覚士が、介護支援専門員を通じて、指定訪問介護の事業その他の指定居宅 サービスに該当する事業に係る従業者に対し、リハビリテーションの観点から、日常生 活上の留意点、介護の工夫等の情報を伝達していること」があるが、その他の指定居宅 サービスを利用していない場合や福祉用具貸与のみを利用している場合はどのような取扱いとなるのか。
A.リハビリテーション以外にその他の指定居宅サービスを利用していない場合は、該当す る他のサービスが存在しないため情報伝達の必要性は生じない。また、福祉用具貸与のみ を利用している場合であっても、本算定要件を満たす必要がある。
Q.リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)の算定要件にあるリハビリテーショ ン会議の開催頻度を満たすことができなかった場合、当該加算は取得できないのか。
A.リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)の取得に当たっては、算定要件となってい るリハビリテーション会議の開催回数を満たす必要がある。 なお、リハビリテーション会議は開催したものの、構成員のうち欠席者がいた場合には、 当該会議終了後、速やかに欠席者と情報共有すること。
Q.リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)の算定要件にある「医師が利用者ま たはその家族に対して説明し、利用者の同意を得ること」について、当該医師はリハビ リテーション計画を作成した医師か、計画的な医学的管理を行っている医師のどちらな のか。
A.リハビリテーション計画を作成した医師である。
Q.リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)の算定要件にある「医師が利用者ま たはその家族に対して説明し、利用者の同意を得ること」について、当該医師はリハビ リテーション計画を作成した医師か、計画的な医学的管理を行っている医師のどちらな のか。
A.リハビリテーション計画を作成した医師である。
Q.リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)とリハビリテーションマネジメント 加算(Ⅱ)については、同時に取得することはできないが、月によって加算の算定要件 の可否で加算を選択することは可能か。
A.リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)とリハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ) については、同時に取得することはできないものの、いずれかの加算を選択し算定するこ とは可能である。ただし、リハビリテーションマネジメント加算については、リハビリテ ーションの質の向上を図るため、SPDCA サイクルの構築を通じて、継続的にリハビリテ ーションの質の管理を行うものであることから、リハビリテーションマネジメント加算 問9 リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)の算定要件に、「理学療法士、作業療法 士又は言語聴覚士が、介護支援専門員を通じて、指定訪問介護の事業その他の指定居宅 サービスに該当する事業に係る従業者に対し、リハビリテーションの観点から、日常生 活上の留意点、介護の工夫等の情報を伝達していること」があるが、その他の指定居宅 サービスを利用していない場合や福祉用具貸与のみを利用している場合はどのような取 扱いとなるのか。 問10 リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)の算定要件にあるリハビリテーショ ン会議の開催頻度を満たすことができなかった場合、当該加算は取得できないのか。 5 (Ⅱ)が算定できる通所リハビリテーション計画を作成した場合は、継続的にリハビリテ ーションマネジメント加算(Ⅱ)を、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)が算定 できる通所リハビリテーション計画を作成した場合は、継続的にリハビリテーションマネ ジメント加算(Ⅰ)を、それぞれ取得することが望ましい。
Q.リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)又はリハビリテーションマネジメン ト加算(Ⅱ)は、多職種協働にて行うリハビリテーションのプロセスを評価する加算と されているが、PT、OT 等のリハビリテーション関係職種以外の者(介護職員等)が直接リ ハビリテーションを行っても良いか。
A.通所リハビリテーション計画の作成や利用者の心身の伏況の把握等については、多職種 協働で行われる必要があるものの、診療の補助行為としての(医行為に該当する)リハビ リテーションの実施は、PT、OT等のリハビリテーション関係職種が行わなければなら ない。
Q.新規利用者について通所リハビリテーションの利用開始日前に利用者の居宅を訪 問した場合は、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)の算定要件を満たすのか。
A.通所リハビリテーションの利用初日の 1 月前から利用前日に利用者の居宅を訪問した 場合であって、訪問日から利用開始日までの間に利用者の状態と居宅の状況に変化がなけ れば、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)の算定要件である利用者の居宅への訪問 を行ったこととしてよい。
Q.全ての新規利用者について利用者の居宅を訪問していないとリハビリテーション マネジメント加算(Ⅰ)は算定できないのか。
A.リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)は利用者ごとに算定する加算であるため、 通所開始日から起算して 1 月以内に居宅を訪問した利用者について算定可能である。
Q.通所リハビリテーションの利用開始後、1 月以内に居宅を訪問しなかった利用者に ついては、以後、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)は算定できないのか。
A.算定できない。ただし、通所開始日から起算して 1 月以内に利用者の居宅への訪問を予 定していたが、利用者の体調不良などのやむを得ない事情により居宅を訪問できなかった 場合については、通所開始日から起算して 1 月以降であっても、体調不良等の改善後に速 やかに利用者の居宅を訪問すれば、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)を算定でき る。
Q.リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)については、当該加算を取得するに当 たって、初めて通所リハビリテーション計画を作成して同意を得た日の属する月から取 得することとされているが、通所リハビリテーションの提供がない場合でも、当該月に 当該計画の説明と同意のみを得れば取得できるのか。
A.取得できる。 リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)は、「通所リハビリテーション計画を利用 者又はその家族に説明し、利用者の同意を得た日の属する月」から取得することとして いるため、通所リハビリテーションの提供がなくても、通所リハビリテーションの提供 開始月の前月に同意を得た場合は、当該月より取得が可能である。なお、リハビリテー ションマネジメント加算(Ⅰ)については、通所リハビリテーションの利用開始月以降 に、当該加算におけるリハビリテーションマネジメントが実施されるものであるため、 通所リハビリテーションの提供と合わせて取得されるものである。
Q. リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)⑴を取得中、取得開始から6月間を経 過する前に、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)に変更して取得してもよいか。
A.リハビリテーションマネジメント加算(Ⅰ)に変更して取得しても差し支え無い。
Q.リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)⑴を取得中にリハビリテーションマネ ジメント加算(Ⅰ)に変更して取得した場合であっても、その後、利用者の状態に応じ てリハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)を再度取得する必要が生じた際には、リ ハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)⑴から取得することができるのか。
A.リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)⑴からリハビリテーションマネジメント 加算(Ⅰ)に変更して取得後、利用者の同意を得た日の属する月から6月間を超えてリ ハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)を再度取得する場合は、原則としてリハビリ テーションマネジメント加算(Ⅱ)⑵を取得することとなる。 ただし、リハビリテーション会議を開催し、利用者の急性増悪等により、当該会議を 月に1回以上開催し、利用者の状態の変化に応じ、当該計画を見直していく必要性が高 いことを利用者若しくは家族並びに構成員が合意した場合、リハビリテーションマネジ メント加算(Ⅱ)⑴を再度6月間取得することができる。その際には、改めて居宅を訪問し、 利用者の状態や生活環境についての情報収集(Survey)すること。
Q. リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)⑴を取得中で、取得開始から6月間を 超えていない場合であっても、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)⑵に変更し て取得することは可能か。 例えば、月1回のリハビリテーション会議の開催によりリハビリテーションマネジメ ント加算(Ⅱ)⑴を取得し2月間が経過した時点で、月1回のリハビリテーション会議 の開催が不要と通所リハビリテーション計画を作成した医師が判断した場合、3月目か ら3月に1回のリハビリテーション会議の開催によるリハビリテーションマネジメント 加算(Ⅱ)⑵に変更して取得することはできないのか。
A.リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)は、医師、理学療法士、作業療法士、言 語聴覚士などの多職種が協働し通所リハビリテーション計画の作成を通じたリハビリテ ーションの支援方針やその方法の共有、利用者又はその家族に対する生活の予後や通所 リハビリテーション計画等についての医師による説明、理学療法士、作業療法士、言語 聴覚士による居宅での生活の指導を行うことで、心身機能、活動、参加にバランスよく 問3 リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)⑴を取得中にリハビリテーションマネ ジメント加算(Ⅰ)に変更して取得した場合であっても、その後、利用者の状態に応じ てリハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)を再度取得する必要が生じた際には、リ ハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)⑴から取得することができるのか。 アプローチするリハビリテーションを管理することを評価するものである。 リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)⑴については、利用者の状態が不安定と なりやすい時期において、集中的に一定期間(6月間)に渡ってリハビリテーションの 管理を行うことを評価するものである。 したがって、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)⑴を6月間取得した後に、 リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)⑵を取得すること。
Q.同一利用者に対して、複数の事業所が別々に通所リハビリテーションを提供してい る場合、各々の事業者がリハビリテーションマネジメント加算の算定要件を満たしてい れば、リハビリテーションマネジメント加算を各々算定できるか。
A.事業所ごとに提供可能なサービスの種類が異なり、単一の事業所で利用者が必要とする 理学療法、作業療法、言語聴覚療法のすべてを提供できない場合、複数の事業所で提供す ることが考えられる。例えば、脳血管疾患発症後であって、失語症を認める利用者に対し、 1つの事業所がリハビリテーションを提供することとなったが、この事業所には言語聴覚 士が配置されていないため、失語に対するリハビリテーションは別の事業所で提供される というケースが考えられる。 この場合、例えば、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅱ)であれば、リハビリテ ーション会議を通じて、提供可能なサービスが異なる複数の事業所を利用することを話し 合った上で、通所リハビリテーション計画を作成し、その内容について利用者の同意を得 る等、必要な算定要件を各々の事業者が満たしていれば、リハビリテーションマネジメン ト加算(Ⅱ)の算定は可能である。

これより以下は、平成30年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)(介護保険最新情報vol.629)より内容を抜粋しています。

Q. 報酬告示又は予防報酬告示の留意事項通知において、医療保険から介護保険の リハビリテーションに移行する者の情報提供に当たっては「リハビリテーションマネジメント加算等に関する基本的な考え方並びにリハビリテーション計画書等の事務処理手順及び様式例の提示について」(平成30年3月22日老老発0322第2号)の別紙様式2-1を用いることとされている。別紙様式2-1は Barthel Index が用いられているが、情報提供をする医師と情報提供を受ける医師との間で合意している場合には、FIM(Functional Independence Measure)を用いて評価してもよいか。
A.医療保険から介護保険のリハビリテーションに移行する者の情報提供に当たっては別紙様式2-1を用いる必要があるが、Barthel Index の代替として FIM を用いる場合に限り変更を認める。なお、様式の変更に当たっては、本件のように情報提供をする医師と情報提供を受ける医師との間で事前の合意があることが必要である。
Q. 医療保険から介護保険のリハビリテーションに移行する者の情報提供について、「リハビリテーションマネジメント加算等に関する基本的な考え方並びにリハビリテーション計画書等の事務処理手順及び様式例の提示について」(平成30年3月22 日老老発0322第2号)の別紙様式2-1をもって、保険医療機関から介護保険のリハビリテーション事業所が情報提供を受け、当該事業所の医師が利用者を診療するとともに、別紙様式2-1に記載された内容について確認し、リハビリテーションの提供を開始しても差し支えないと判断した場合には、例外として、別紙様式2-1をリハビリテーション計画書と見なしてリハビリテーションの算定を開始してもよいとされている。

(1) 医療保険から介護保険のリハビリテーションへ移行する者が、当該保険医療機関を介護保険のリハビリテーション事業所として利用し続ける場合であっても同様の取扱いをしてよいか。また、その場合、保険医療機関側で当該の者を診療し、様式2-1を記載して情報提供を行った医師と、介護保険のリハビリテーション事業所側で情報提供を受ける医師が同一であれば、情報提供を受けたリハビリテーショ ン事業所の医師の診療を省略して差し支えないか。

(2) 医療保険から介護保険のリハビリテーションへ移行する者が、保険医療機関から情報提供を受ける介護保険のリハビリテーション事業所において、指定訪問リハビリテーションと指定通所リハビリテーションの両方を受ける場合、リハビリテーション会議の開催等を通じて、利用者の病状、心身の状況、希望及びその置かれている環境に関する情報を構成員と共有し、訪問リハビリテーション及び通所リハビリテーションの目標及び当該目標を踏まえたリハビリテーション提供内容について整合が取れたものとなっていることが確認できれば、別紙様式2-1による情報提供の内容を訪問リハビリテーション及び通所リハビリテーションの共通のリハビリテーション計画とみなして、双方で使用して差し支えないか。

A.(1) よい。また、医師が同一の場合であっては、医師の診療について省略して差し支えない。ただし、その場合には省略した旨を理由とともに記録すること。

(2) 差し支えない。

Q. リハビリテーションの実施に当たり、医師の指示が求められているが、医師がリハビリテーション実施の当日に指示を行わなければならないか。
A.毎回のリハビリテーションは、医師の指示の下、行われるものであり、当該の指示は利用者の状態等を踏まえて適時適切に行われることが必要であるが、必ずしも、リハビリテーションの提供の日の度に、逐一、医師が理学療法士等に指示する形のみを求めるものではない。例えば、医師が状態の変動の範囲が予想できると判断した利用者について、適当な期間にわたり、リハビリテーションの指示を事前に出しておき、リハビリテーションを提供した理学療法士等の記録等に基づいて、必要に応じて適宜指示を修正する等の運用でも差し支えない。
Q. リハビリテーションマネジメント加算(Ⅲ)及び(Ⅳ)の算定要件では、医師がリハビリテーション計画の内容について利用者又はその家族へ説明することとされている。 平成30年度介護報酬改定において、リハビリテーション会議の構成員である医師 参加については、テレビ電話等情報通信機器を使用しても差し支えないとされているが、リハビリテーション計画の内容について利用者又はその家族へテレビ電話等情 報通信機器を介して説明した場合、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅲ)及び (Ⅳ)の算定要件を満たすか。
A.リハビリテーション会議の中でリハビリテーション計画の内容について利用者又はその家族へ説明する場合に限り満たす。
Q. リハビリテーションマネジメント加算(Ⅲ)及び(Ⅳ)の算定要件では、医師がリハビリテーション計画の内容について利用者又はその家族へ説明することとされている。 平成30年度介護報酬改定において、リハビリテーション会議の構成員である医師 参加については、テレビ電話等情報通信機器を使用しても差し支えないとされているが、リハビリテーション計画の内容について利用者又はその家族へテレビ電話等情 報通信機器を介して説明した場合、リハビリテーションマネジメント加算(Ⅲ)及び (Ⅳ)の算定要件を満たすか。
A.リハビリテーション会議の中でリハビリテーション計画の内容について利用者又はその家族へ説明する場合に限り満たす。
Q.リハビリテーションマネジメント加算におけるリハビリテーション会議の構成 員である医師の参加については、テレビ電話等情報通信機器を使用しても差し支えないとされているが、テレビ電話等情報通信機器の使用について、基本的には音声通話のみであるが、議事のなかで必要になった時に、リハビリテーション会議を実施している場の動画や画像を送る方法は含まれるか。
A.含まれない。テレビ電話等情報通信機器の使用については、リハビリテーション会議の議事を円滑にする観点から、常時、医師とその他の構成員が動画を共有している必要がある。
Q.リハビリテーションマネジメント加算(Ⅳ)について、通所・訪問リハビリテ ーションの質の評価データ収集等事業に参加するにはどうしたらよいか。
A.「リハビリテーションマネジメント加算等に関する基本的な考え方並びにリハビ リテーション計画書等の事務処理手順及び様式例の提示について」(平成30年3月22日老老発0322第2号)の「第2(5)リハビリテーションマネジメント加算(Ⅳ)の 算定に関して」を参照されたい。
Q.自治体が制定する条例において、法令の定めがあるときを除いて、個人情報を 処理する電子計算機について、自治体が保有する以外の電子計算機との回線の結合が禁じられている事業者であるが、通所・訪問リハビリテーションの質の評価データ収集等事業に参加できるか。
A.自治体が制定する条例の解釈については、当該条例を制定した主体が判断するもの である。なお、通所・訪問リハビリテーションの質の評価データ収集等事業のシステムを活用したデータ提出を要件としたリハビリテーションマネジメント加算(Ⅳ)は「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(平成12年厚生省告示第19号) という法令に基づいたものである。

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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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