令和2年度診療報酬改定にて、リハビリテーション(総合)実施計画書の新様式例が公表されました。
そのことは知ってはいましたが、当院では「旧式のままでいい」ということを部長に言われたので、更新せずにそのまま使い続けていました。
しかしながら、どうやら旧様式を使っていた医院で返戻となったケースがあるようで、この度に新様式に変更する運びとなりました。
新様式については、「令和2年3月5日保医発0305第1号医科点数表様式」に掲載されているので、そちらを参考にしました。
リハビリテーション実施計画書は、①別紙様式21、②別紙様式21の6、③別紙様式23の3種類が掲載されています。
リハビリテーション総合計画評価料を算定する場合は、「別紙様式23又はこれに準じた様式」が必要となります。
別紙様式21の6を活用することもできますが、そちらを使用する場合は、様々な項目を追加しないといけないのであまりお勧めしません。
リハビリテーション総合計画評価料を算定しない場合は、別紙様式21を活用することが最も簡単ですが、やはり収益を考えると算定できる項目は算定しておいたほうが経営的にはいいでしょう。
リハビリ職が計画書を作成する場合は、一般的に、①紙を印刷して手書きで作成、②エクセルで作成、③ファイルメーカーで作成の3つが考えられます。
大きい病院などでは電子カルテのオプションで計画書が用意されているかもしれませんが、私は見たことがないので割愛します。
①は初回だけの作成ならいいですが、2回目以降は同じことを記入することが増えるので、後々を考えると効率的ではありません。
②は初回の作成は面倒ですが、2回目以降はコピペが使えるので効率的ですが、ファイルの管理が面倒といった欠点があります。
③は初回の作成は面倒ですが、2回目以降はコピペが使え、さらには1つのファイルで管理できるといった利点があります。
他にも数多くの利点があり、電子署名が使える(まだ推奨されていない)、ファイルを共有できることなどが挙げられます。
ファイルを共有できるというのは、ひとつのパソコンがホストになることで、そこに別のパソコンやタブレットから同じファイルにログインできるということです。
そうすることで、どこに何(誰)のデータがあるかといった混乱が生じることなく、情報共有を容易にすることが可能となります。
当院では一台のパソコン(mac mini)をサーバー(常時起動した状態)とし、そこにアクセスすることでファイルを開けるようにしています。
そんなメリットだらけのファイルメーカーの欠点を書くなら、コストが多少かかること、管理に知識が必要なことが挙げられます。
コストはファイルメーカーの導入費で、年間ライセンス(2万程度)、永続ライセンス(6万程度)の2種類があります。
他にもプランがいろいろとあるので全ては説明できませんが、例えば、ファイルメーカーサーバーを利用すると、外部(病院外)にいてもファイルに接続することが可能となります。
セキュリティの面から当院では利用していませんが、使いこなせると可能性はかなり拡がると思います。
管理に知識が必要というのは、基本的にファイルメーカーは自分でゼロから作成するものなので、使うためには勉強することが必要です。
ここがおそらくは一番のネックになるであろうところで、担当するセラピストは仕事以外(プライベート)の時間を使い、少なくとも数ヶ月はファイルメーカーの使い方について勉強し続けることになります。
それを自分の価値を高めることにつながると理解し、積極的にやることができる人ならいいですが、それで給料が上がることはほぼないでしょう。
しかしながら、個人的には絶対に勉強したほうがいい分野と考えており、ここが使えるセラピストは必ず重宝されます。
今年はコロナの影響で辞めさせられた療法士も多いようですが、替えのきかない人材なら、そのようなリストラ対象から外れるはずです。
話が脱線してしまいましたが、今回、新様式をファイルメーカーで作成することになったのですが、項目がかなり細かいことや久々に使ったということもあり、作成するのに17時間ぐらいかかりました(笑)
上の画像をクリックしていただくとPDFファイルとして開くことができますが、別紙様式23を少しだけいじった内容になっています。
元々は完全に同じ内容で作るつもりでしたが、同じに作ると1枚の紙に印刷(両面)できなかったので、重複している部分をカットして作りました。
作ってみた感想としては、「細かすぎるわ!誰のためにこれ作ってるんだ!もう簡単に様式を替えないでくれ…」といった感じです。
余談になりますが、先日に日本臨床整形外科学会から厚労省からの許可を得た「運動器リハビリテーション総合実施計画書の新様式」なるものが院長あてに送られてきました。
様式をみてみると、別紙様式23の項目はそのままに運動器の評価が加わっているもので、ゾッとするほどの細かさでした。
もちろんその案は却下することにし、別紙様式23を採用することにしました。
これからどうなるかはわかりませんが、今後もきっとリハビリ計画書に現場が振り回されることは間違いないでしょう。