リハビリテーション総合計画評価料1・2(新設)について

疾患別リハビリテーション料を算定している患者に対して、リハビリテーション総合計画評価料(300点)を算定している病院等は多いかと思います。

算定のためにはリハビリテーション総合実施計画書の作成が必要であり、月1回の算定が可能となっています。

この加算が中央社会保険医療協議会総会の第386回の資料(p252)にて、平成30年度診療報酬改定から「1」と「2」に分かれる改正案が検討されているようです。

それぞれの違いについては以下になります。

リハビリテーション総合計画評価料1
心大血管疾患リハビリテーション料(Ⅰ)、呼吸器リハビリテーション料(Ⅰ)、がん患者リハビリテーション料又は認知症患者リハビリテーション料の算定患者並びに脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)(Ⅱ)、廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ)(Ⅱ)又は運動器リハビリテーション料(Ⅰ)(Ⅱ)の算定患者のうち、介護保険のリハビリテーション事業所への移行が見込まれる患者以外の患者
リハビリテーション総合計画評価料2
脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅰ)(Ⅱ)、廃用症候群リハビリテーション料(Ⅰ)(Ⅱ)又は運動器リハビリテーション料(Ⅰ)(Ⅱ)算定患者のうち、介護保険のリハビリテーション事業所への移行が見込まれる患者

簡潔に書くと、1は介護認定を受けていない患者で、2は介護認定を受けている患者(または申請する患者)と言い換えられます。

説明文には、「介護保険のリハビリテーション事業所への移行が見込まれる患者に対して使用する総合計画書は新たに簡略化した様式を使用可能とする」と書かれています。

具体的な単位数は書かれていませんが、計画書が簡略化できるという点や要介護被保険者は目標設定等支援・管理料も算定しているという点から、おそらく1よりも2が単位は低くなるかと思います。

あくまで改正案の段階なので確定ではありませんが、このような議論がされているというのは覚えておいたほうがよいです。

ここからは個人的な感想を書かせてもらいますが、この改定をされると非常に面倒くさいの一言に尽きます。

なぜかというと、総合計画書のひな形が2種類になりますので、その書式を新しく作る必要があるからです。

私の職場ではファイルメーカーにて計画書を作成していますので、現在使用している形式でも作成は全く面倒ではありません。

むしろ新しいものを増やされるほうが大変ですし、現場も管理が難しくなってくるのではないでしょうか。

現状だと総合実施計画書の内容と目標設定等支援・管理シートの内容が重複している部分も多いので、おそらくはそのあたりを配慮しての変更なのかもしれません。

それならいっそ目標設定等支援・管理シートを廃止してもらい、その内容や単位をリハビリテーション総合計画評価料2にプラスしてもらい、説明時の署名も1枚で可能となるようにしてほしいです。

そのほうが業務の効率化につながると思いますし、いろいろとスッキリするのではないでしょうか。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
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