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上殿皮神経障害のリハビリ治療


腰痛を引き起こす原因のひとつである上殿皮神経障害のリハビリ治療について、ここでは解説していきます。

上殿皮神経障害の概要

上殿皮神経(superior cluneal nerve:SCN)は、Th11-L4の後根神経から構成されており、腸骨稜を乗り越える際に胸腰筋膜を4,5本の神経枝が貫通し、殿部領域の感覚を支配しています。

そのため、胸腰筋膜に短縮や捻れが発生したり、神経損傷によって癒着が起こることにより、上殿皮神経が絞扼されて腰殿部痛が誘発されます。

報告によると、腰痛の主な原因がSCN障害であると判断できた症例は、腰痛患者全体の約2%といわれており、画像検査などでは原因を特定できないため、しばしば見落とされやすい傾向にあります。

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障害を検査する方法

上殿皮神経は胸腰筋膜を正中から7-8㎝のところで貫通しており、中間枝や外側枝ほど上方の筋膜を貫通しています。そのため、基本は腸骨稜に沿いながら神経の貫通部を意識して圧迫を加えます。

もしも神経に問題がある場合は、圧迫時に症状の増悪が認められます。その場合、可能であるなら神経にブロック注射を実施し、症状の改善が認められるかも確かめていきます。

基本的に痛みは神経支配領域のみであり、坐骨神経痛のように下肢に放散することはありませんが、臨床ではしばしば放散痛が混在していることもあるので注意します。

保存的治療

治療対象は表層の筋膜であるため、マッサージや通常のストレッチを用いるのは効果的とはいえません。

筋膜を選択的に緩めるためには筋膜リリースが有効で、皮下にある筋膜に対して持続的な伸張圧迫を加えていき、その状態を60-180秒ほどキープします。

治療部位は上殿皮神経が貫通している周囲の筋膜であり、痛みがない範囲(気持ちがよい程度)でマイルドに実施していきます。

病院を受診してくるケースでは神経に炎症が起きており、とても強い痛みを訴える場合も多いので、痛みが楽な姿勢にて行うことが推奨されます。

数回ほど治療して痛みが自制内となってきたら、必要に応じて筋膜ストレッチやテニスボールを使用した自己リリースなどを指導し、再発の予防につとめます。

観血的手術

保存的治療が奏功しない場合は外科治療の適応となり、方法としては圧迫を受けている神経の剥離を行います。

具体的には、局所麻酔下(または全身麻酔下)にて5㎝ほど皮膚を切開し、顕微鏡下で胸腰筋膜貫通部を中心に切開し、上殿皮神経を解放します。

局所麻酔下では、神経刺激装置を用いることで、数本ほどある神経のなかでどれが原因となっているかを見極めることができ、無駄な切離をなくすことが可能です。


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The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在はフリーランスとして活動しています。詳細はコチラ
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