信頼される人間になるための方法~ブラックジャックに学ぶ~

信頼される人間になるための方法について、医療従事者の立場からわかりやすく説明していきます。

信頼を得るための方法

MSKKの元社長である成毛眞さんが、著書で「信頼を勝ち取ろうとする行為は全て無意味だ。結果さえ出せば部下は自然とついてくる」と書いていました。

これは確かに一理あると納得させられました。どんなに口が巧くても、口だけの人間を私たちは信用しません。口下手であっても、常に結果を出してくれる人を信頼します。

結果こそが全てです。

どちらの医者に手術してもらうか

例え話ですが、あなたは手術をしなければ確実に死んでしまう病にかかっています。その手術をできる医師は世界に二人しかいません。

一人は人間的には素晴らしいですが、手術の成功確率は50%です。もう一人は性格がとても悪いですが、手術の腕は抜群で成功確率は80%です。

あなたは二人の医師のどちらに手術をしてもらいたいでしょうか。私なら間違いなく後者を選びます。

信頼は結果のあとに付いてくる

この教訓から言えることは、実力さえあるなら信頼はあとから付いてくるということです。

あのブラックジャックも性格にはかなりの難がありますが、腕が超一流なので最後の最後に頼って依頼されるのです。

これは漫画の世界だからといった話ではありません。それこそが現実です。信頼を手に入れるには、とにかく結果を出し続けることです。間黒男こそが治療家の理想型です。

信頼できる理学療法士

いい人は無能が多い

誤解をおそれずに書くなら、世間で「いい人」と呼ばれている人たちの大半は無能です。これはわりとマジでそうだと思ってます。無能だからこそ、自分には害がない人間だと認定されて、結果的にいい人になります。

仕事を効率よくしようと変革し続ける人は、必ず周囲から反感を買います。なぜなら、仕事ができない人たちは変化を好まないからです。これまでのスタイルを崩されることを嫌います。なので、これまでの流れを変えない無能な上司ほど好かれるのです。

信頼を得るための効果抜群な方法

患者から最も信頼を得られる方法は、施術後に目に見えてわかる効果を出すことです。患者は驚きと同時に、セラピストに対して絶対の信頼をおきます。

しかし、毎度のように即時的な効果を出すことは不可能です。だからこそ、予後予測が大切になります。

これだけの治療を受けたら、何ヶ月後にはこんな状態になりますということを伝えて、その通りに持って行くことです。それができたら、間違いなく信頼してもらえるはずです。

技術を上げるには数を診ること

予後を予測するためには、文献などで知識を蓄えておくことも大切ですが、それ以上に経験が必要になります。

教科書通りの患者なんてほとんどいませんので、絶対的に数を見ている方が予後は予測しやすいです。

そういった意味でも、最初から慢性期などの入れ替わりが少ない職場で働くのはお勧めできません。技術を上げるには、とにかく数を診ることです。

プロとアマの違いはなにか。

プロとアマの違いは、コンスタントに結果を出し続けられるかどうかだと思います。例えば、ボウリングの1ゲーム勝負でアマがプロに勝つことはそう珍しくありません。

しかし、何十ゲームとやったら必ずプロの方が勝率は高くなります。プロボウラーの試験においても、一日に十五ゲーム(女子は十二ゲーム)を数日間において投げなければならず、どんな状態でも安定したレベルで投げられる強靱な肉体と精神力がプロには求められています。

これは野球やサッカーでも同じことであり、一回の最大値よりも、百回の平均値の方がプロには求められます。

プロは運に左右されない

これらの話は、サラリーマンでも全く同じことが言えます。仕事のプロになるということは、その分野で一定の成績をコンスタントに出し続けるということです。

何度か成功したからといっても、それは運が良かっただけかもしれません。本当のプロは、運に左右されることがあってはならないのです

運がいいと思っている間はアマチュアです。そう考えると、サラリーマンのほとんどはアマチュアかもしれません。

人や環境のせいにしない

どこの職場でもそうですが、業績が伸びないのを不況のせいにしたり、社長のせいにしたり、とにかく周りのせいにする人がいます。そのくせに、自分の実力不足であることは認めません。

たとえ自分のせいだと認めても、それを「才能がないから」といって才能のせいにします。努力すらしないのに、とにかく自分のせいにはしないのです。

そんな人間がプロになれるはずもありません。どれだけ環境が悪くても、それでも結果を出すのがプロフェッショナルです。

結果を出せなくなった時点でプロではなくなる

きつい言い方をするなら、結果を出せなくなった時点でプロはプロでなくなります。野球においても、五十歳や六十歳になっても第一線で活躍している選手はいません。

どんなに努力をしていたとしても、結果が出せなくなれば引退です。そんな過酷な条件の中で、結果を出し続けられる人間だけがプロという称号を手にすることができます。

理学療法士のプロフェッショナルとは

では、理学療法士の世界においてのプロとはなにでしょうか。それは、資格を取得して給料をもらって仕事をしている時点で、私たちは既にその道のプロになっています。

まだ入社して右も左もわからなかった頃、ペーぺーである私のことを患者さん方は「先生」と呼んでくるのです。

大した結果を出すこともできないアマチュアなのに、相手からしたら立派なプロであり、治してくれるものだと信じきっていました。これは本当に恐ろしいことです。

お金をもらっている以上は言い訳できない

新人だからといって、患者さんに対して「私はまだ新人だから」なんて言い訳は絶対にできません。ベテランがやっても、新人がやっても、患者が払うお金は同じなのです。

相手はプロと思って接してくるので、それに応えることができなければ詐欺師扱いされても仕方がないことです。

お金をもらっている環境下で、「結果が出せませんでした。すいませんでした。」は通用しません

プロに必要なのはプロセスではなく結果です。コンスタントに結果を残し続けることが、仕事のプロフェッショナルになるということではないでしょうか。


他の記事も読んでみる

The Author

中尾 浩之

中尾 浩之

1986年生まれの長崎県出身及び在住。理学療法士でブロガー。現在は整形外科クリニックで働いています。詳細はコチラ
rehatora.net © 2016 Frontier Theme